君との出会い
「今日からよろしくお願いします」
そう告げた声の主は誰もが認める美少女であった。
遡ること二日前入学式を終えてすぐ部活動の勧誘が始まった。この学校では1年生はどこかに所属しなければならない決まりであるので、どこに入ろうか決めあぐねていると
「よっすよっす啓太さ〜んどこはいるか決めましたか〜い」
と軽い声が聞こえた。声の主を辿っていくと、この学校唯一の友人である今田奏が立っていた。
「お生憎様決まってないし、そういうお前は決まったのかよ」
「もちろんとも、俺は陸上部に行くぜい」
とさも当然だろという風に言われたので
「ちなみに理由は?」
「だってモテそうだし」
と陸上に本気で打ち込んでいる人に聞かれると助走を付けて殴られそうな答えが返ってきた。
「頼むから入部後それを言うなよ。多分お前に明日は来ない」
と呆れつつ苦言を呈すと
「お前は俺をなんだと…俺はベラベラそれを語るほど軽い男じゃねぇよ」
「どーだか」「それよりお前どうすんだよ確定ではなくても候補ぐらいはあるだろ?」
実際啓太の中に候補としてはある。けれどそれを言うと分かりきった答えが返ってくるわけで気乗りしないのだ。
「一応図書部だけど」「まじ?」「まじ」「あの部員0人で廃部になってないことが奇跡だって言われてるあの?」
「別にいいだろ。俺はみんなと違って目立たくないしインドア派の本の虫なんだよ」
とまぁだろうなというコメントとともに一応の理由も付け加えておくと
「まぁ一人だったら気楽だろうしいいんじゃないか」
と謎にフォローされたがスルーしておいた。
そうして時が経ちついに今日入部届けを出すことになった。結局啓太は考えが変わらなかったのでそのまま図書部に入部した。まぁ誰もいないだろうと考えながら指定された教室に足を運び扉を開ける。すると
「どちら様ですか」
と警戒心マシマシの声で話しかけてくる少女が一人。
「えっと…教室間違えたかもしれないんだけどここって図書部の部室だよね?」「そうですけど」「だよね…えっと入部希望者?」「そうですね」「良かった良かった。とりあえず同じ穴の虫だからそんなに警戒しないでくれる?」
「そうなんですか。それはすいませんでした。」
こちらに敵意や害意がないと見抜いたのかようやく彼女は肩の力を抜いてくれた。
「そういえば君だけ?」「生憎他の人は見ていないですね」
噂に違わぬ過疎っぷりだなと若干の関心を覚えつつ
「何はともあれ自己紹介しない?」
とこの空気を変えようと口から出た言葉に彼女は「そうですね」とこちらに向き直った。




