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魔剣に選ばれた王女 〜亡国から始まる反逆の戦記〜  作者: 筑紫隼人
第一章「魔剣と王女」

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仲間

夜。

 

焚き火の周りに、人が増えていた。

 

「エルディンだ」

 

青年が名乗る。

 

整った顔立ち。

 

王族の気配。

 

「……亡国の王子だ」

 

セリスと目が合う。

 

少しだけ、笑う。

 

「……似た者同士だな」

 

セリスも、わずかに笑う。

 

その様子を——

 

ノイエ・ジールは観察していた。

 

『……質問があります』

 

「なに?」

 

『あの個体に対し、心拍数が上昇しています』

 

「なっ……!?」

 

顔が赤くなる。

 

「ち、違う!」

 

『否定の根拠が不明です』

 

「だって——!」

 

言葉に詰まる。

 

『……興味深い』

 

静かな声。

 

『これは、何ですか』

 

セリスは顔を逸らす。

 

「……知らない」

 

小さく言う。

 

その時。

 

ガイウスが立ち上がる。

 

「決まりだな」

 

全員を見る。

 

「俺たちは、帝国に抗う」

 

短く。

 

だが強く。

 

「——レジスタンスだ」

 

火が、揺れる。

 

その光の中で。

 

セリスは剣を握る。

 

——逃げるだけじゃない。

 

戦う。

 

その決意の隣で。

 

『……理解を開始します』

 

ノイエ・ジールが、静かに呟いた。

 

——

 

しばらくして。

 

エルディンが、立ち上がった。

 

「俺は別の動きをする」

 

全員が、彼を見る。

 

「どこへ?」

 

「根回しが必要だ」

 

短く言う。

 

「剣だけじゃ、帝国は倒せない」

 

「……一人で?」

 

「その方が動きやすい」

 

「危なくない?」

 

「お前たちも——十分危ないだろう」

 

「……そうね」

 

エルディンが——セリスを見る。

 

少し、間があった。

 

「生きていろ」

 

「……あなたも」

 

「ああ」

 

それだけ言って。

 

背を向ける。

 

焚き火の光が、その背中を照らす。

 

やがて——暗闇に、消えた。

 

セリスは、その方角を見た。

 

(……また、会えるわよね)

 

声には、しなかった。

最後までお読みいただきありがとうございます!

次回は**【本日21時】**に更新予定です。

セリスが先行偵察に出たものの……という展開になりますので、ぜひお見逃しなく。

面白かった、続きが気になる!と思っていただけましたら、

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