『すべてが無意味だと言う彼女に、俺は問い返した』
掲載日:2026/03/01
扉が鳴る。
彼女は座る。
「……明日、死ぬ。」
俺は何も言わない。
「理由は。」
彼女は言う。
「意味がないから。」
「成功しても、失敗しても。」
「嬉しくても、苦しくても。」
「最後は全部、消える。」
「生きるも、死ぬも、同じ終点。」
「だから、意味なんてない。」
「......」
俺は言う。
「……そうか。」
「じゃ一......」
目を合わせる。
「すべてに意味がないなら……
お前の死だけは、意味を持つのか。」
彼女は答えない。
視線だけが、わずかに揺れる。




