166話 70階層の街
視線の先には光が差し込む天井が見える。
「はぁ、、はぁ、、はぁ、、はぁ、、」
先ほどまで激闘が繰り広げられていた神殿のひんやりとした石床が火照った俺の身体を冷やしてくれる。
余韻に浸っていると遠くからタッタッタッタッと走ってくる足音が聞こえてきた。
「マサト!生きてるか〜!倒したみたいだな!」
「お疲れ様!マサトくんの何か苦しそうな声、聞こえてきてビックリしたよ、大丈夫なの?」
後方で戦闘していたてっちゃんとトシくんが真っ先に俺の近くまで来てくれたのだ。
「ああ、生きてるぞ。怪我は大丈夫そうだ。もう治った」
少し気だるそうにゆっくりした動きで立ち上がり、2人と目が合うことで勝利を実感することができた。
「今回はちょっとヒヤッとしたけど、なんとか勝てたよ。2人とも、援護ありがとな」
「全然だ、俺なんて何もしてねぇよ!」
「てっちゃん油断が凄かったからね!」
「おい!それ言うなよ!恥ずいだろ!」
トシくんはてっちゃんに向かってニタニタしながら悪い顔をする。
てっちゃんとトシくんがわちゃわちゃしていると、ラクトさんと田中さん筆頭にわらわらとみんなが集まってきた。
「マサトくん!テツヤくん!トシくん!お疲れ様っ!本当に今回は助かったよ!」
「マサトさん、凄かったですねぇ!私たちが苦戦したあのボスを倒してしまうなんて!」
ラクトさん、田中さんが笑いながら賛辞をくれる。
「ありがとうございます、倒せて良かったです。みなさんもご無事で何よりです」
「本当、怪我しなくて良かったよ!だから、次の街に着いたらみんなで祝勝会でもしようじゃないか!」
ラクトさんのテンションはどんどん上がっていく。
「いいね〜!いいね〜!楽しみだっ!」
「やった!何食べる?あ!お肉にしましょうよっ!」
ミーリャさんはぴょんぴょんジャンプしながら喜び、リリさんはもう食べ物の話をし始める。
「いいですねぇ、私も久しぶりにコレ、いってしまいましょうかねぇ」
田中さんは口元でおちょこをクイッとやるジェスチャーをしながらニコッと微笑む。
「祝勝会やりましょうか」
「やったぜぇー!」
「次の街、楽しみだね!どんなところだろう!」
俺たちが和気あいあいとした雰囲気を噛み締めているとヤツを倒した場所に階段が出現する。
「お!出た出た。さぁ、みんな!次の階層へ進もうかっ!」
ラクトさんの掛け声と共に俺たちも歩き出し、階段に足を踏み入れる。
その階段をぞろぞろ列になって降りていくと、今回もまた雲の地面がある階層へ降り立ったのだ。
だが、そんな足元から斜め上に視線を上げると浮島が上に段々と続いていて、その先にはとても巨大な浮島が悠々と存在していた。
しかも浮島にはその島全体を囲うように外壁がそびえ立ち、立派な城も見えるではないか。
なんか、この浮島といい、雲のエリアといい、もう次は天使族だろ!これ!
どんな種族だろう、ファンタジー最高すぎだ!これはかなり楽しみになってきた。
俺たちは浮島を一つずつ移動し、数十分かけて登っていく。
そして、やっと街の門が見えるところまで来ると案の定、天使族っぽい衛兵が立っている。
「君たち、止まりなさい!入国か?」
「いつものやつですね」
ラクトさんが代表で大人の対応を見せてくれる。
全員が魔石に手を当て、問題なく入国することができた。
街の中に入ると天使族が7割くらいで、あとは強そうな獣人やヒューマン、少数の他種族をちらほら見かける感じだ。
天使族は全体的にイケメンと美女しか見当たらない。そして、肌がとても白く、背中には羽根が生えており、頭の上にあの輪っかが浮かんでいる。
輪っか気になるな。
あれは生まれた時からあるのかな。どうなんだろ、無性に気になるな。
そんなことを考えているとラクトさんが飲食店を見つけたみたいだ。
ラクトさんはずんずんと店内へ入っていき、スマートに席を取ってくれる。
「さぁ、みんなっ!祝勝会やろうかっ!」
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