160話 68階層
あれから危なげなくモンスターを倒しながら65〜67階層を踏破していった。
67階層から68階層に降りる螺旋階段でラクトさんが次の階層の注意点を教えてくれる。
「いいか、次の階層は入ったらすぐに敵が迫ってくるから気をつけるように!金と銀の鎧を纏った大きい天使が空から攻撃してくる。最初に回避してから戦闘に入る事をおすすめするよ」
「ラクトさん、今回伝え忘れはないですか?」
俺は少しニヤッとしながらラクトさんに返答する。
「その節はすまなかった。勘弁してくれ!
ん〜そうだな、かなりたくさんのモンスターが一気に迫ってくるということくらいかな。ここで僕たちは苦戦していたんだ。そこへ、たまたまタナカさんが通りかかり、助けてくれたと言う感じだったんだよ」
「すみません、冗談ですよ。俺がまず特攻して囮をするのでその隙に皆さんで攻撃お願いします!」
冗談混じりの談笑もここまで。
俺たちは68階層の雲の地面へ降り立つと先ほど聞いていた通り、すぐに上空からモンスターの大群が接近してくる。
人間くらいの大きさの白い肌の無機質な人形は金と銀の鎧を纏い、背中には6枚の羽が生え、手には大きな盾とランスを構えている。
何だったか、確かセラフィムとか言ったかな。
「行きますっ!俺のことは気にせず隙を見て攻撃お願いします!」
俺は声をあげて突っ込んでいく。
先にセラフィムの元へ走り注意を引きながら俺の近くに到達した敵から攻撃していく。そして、後方へ行きそうになった敵には拳撃を放ち、こちらに誘導する。
それを繰り返していくとわらわらと俺の周りにセラフィムが群がってくるではないか。
そいつらの攻撃を一つずつ正確に防御し、いなす。
そして、また拳撃で誘導。これを繰り返す。
隙があればもちろん、殴り倒して数を減らしていく。
「さて、私も戦いましょう。捕えなさい!」
田中さんが後方で魔法を使う。
雲の地面なのに大きな木の根が出現するというファンタジー仕様の魔法は俺の近くにいたセラフィムを縛り上げていく。
「あざすっ!」
俺は身動きの取れない敵の首をガシッと両手で掴むとフルパワーで首を引きちぎる。するとすぐに霧となり消えていった。
お、これめっちゃ楽じゃん。
「田中さんっ!これ戦いやすいです!」
「俺らもいくぜっ!」「一斉攻撃だ!」
てっちゃんとトシくんも参戦。
てっちゃんは猛スピードで身動きの取れない敵の間を縫って移動しながら毒ナイフで首を裂いていく。
トシくんのボムの矢が戦場に炸裂し、リリさんの4属性魔法がカラフルに交差する。アリスさんとラクトさんのかまいたちの様な暴風と斬撃が吹き荒れ、その中をドラゴンと猫が乱舞する。
そして、田中さんの木の根が敵を捕え、雲から生えた壁がセラフィムを潰していく。
乱戦の末、最後の1匹を倒し切った。
戦闘が終わり、俺はふっと力を抜いたのだがその瞬間に空がカッと光る。
上を見上げるとそこには先ほどのセラフィムの倍以上はある、ボスであろうモンスターが浮遊しているではないか。
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