153話 キラキラ提案
次の日の放課後、部室に行くともうすでにてっちゃんとトシくんが適当な席に座って話していた。
「おつ!やっと来たか!マサト!ちょっとさ、俺から提案あるんだけどいいか!?」
てっちゃんが目を輝かせて身を乗り出してくる。
「おつかれ。何だ提案って?」
「トシには今さっき話してたんだけど、俺たち春から池袋で大学生活決定してるだろ?」
「そうだな」
「んでさ、さすがに実家から通いってわけにはいかねぇと思ってさ、一人暮らしになるんなら一旦俺たちでルームシェアしてみねぇか!?」
先ほどより更にキラキラした目でこちらを見つめてくる。てっちゃんはやりたい事があったら真っしぐらだな、ホント。
「ルームシェアか、まぁ無くはないな」
デメリットはプライベート空間の問題だけな気がする。すぐにダンジョン行ったりできるし、効率は良さそうだ。
「トシくんはどう思ってる?」
俺はてっちゃんの隣にいるトシくんに目線を移し、聞いてみることに。
「僕はけっこうありかなって思ってる!探索活動においての連携も取りやすいし、生活費もまとめられるから経費の削減にもなりそうだよね。あと、普通に2人と一緒なら大学生活楽しそうなのに、ルームシェアしたらもっと楽しめそうかなって!!だから、あり!」
「俺も探索活動の面は効率いいと思う。池袋ダンジョンの近くだったら大学もすぐだと思うし、ありかもな」
俺とトシくんが賛成寄りな事がわかると即座にてっちゃんは切り返す。
「おお!もう決まりじゃん!!俺さ、いてもたってもいられなくて夜中に物件検索しちまったぜ!ほらここなんてどうだ!?」
てっちゃんはスマホを俺たちの前にグイッと差し出してきた。
「てっちゃん!ここめちゃくちゃ高い物件だよね?僕たち学生だよ?」
その高額な家賃を見た瞬間にトシくんは目を見開きながら言い返す。
「まぁ高いのはわかる。だがな諸君、キラキラ大学生活を送るための自己投資だ、これは。俺はどうしてもキラキラしたいんだ!これは俺の夢なんだ!お願いだ!ここにしよう!」
「まぁ俺はストレスがなければどこでも大丈夫だ。ダンジョンに近いのか?ここ」
俺が淡々とそう聞くとてっちゃんは被せるように返答する。
「あのダンジョンのある公園の隣だ!徒歩1分だ!完璧じゃないか?な?」
「そうだな、距離的には完璧で、部屋も綺麗、設備も充実。値段は稼げばいい。デメリットは好感度だけだな」
「学生がこんな贅沢してたら好感度は確かに下がる気はするよねぇ」
トシくんは不安そうな顔で顎に手を当てて考え込む。
「トシ!世界が終わるかもしれねぇんだ!やりたい事やらねぇでどーすんだよ!」
だが、てっちゃんは自分の夢のために世界の行末を理由にゴリ押した。
「そ、そうだね、確かにね、うん、そうか、、、まぁそうだよね」
それにトシくんは無理矢理納得させられた形にはなったが、なんだかんだその後は鼻歌混じりで新生活のインテリアや家電などを検索していたので楽しみなのだろう。
そして、トシくんは次の日にはもうその物件の内見の予定を組んできてくれたのだ。
おい、トシくん、行く気満々じゃんか。
その内見は12月上旬に行くことになりました。
あと、トシくんは別件で並行して田中さんと連絡を取り合い、次の土曜にまたあの街で共闘についての話を聞く件も進めてくれていた。シゴデキあざす。
そうして、訪れた土曜。
あの悪魔の国デストリアに降り立った俺たちは田中さんが指定した飲食店へとやってきたのだった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
よろしければ評価やコメント、ブックマークをお願いいたします。




