128話 地球チャンネル
魔神の侵攻という赤いウィンドウが出現してからの日本のオタクたちの行動は早かった。
自分たちの周りにいる仲間や友人たちと集まり、漫画や小説によく出てくるクランを作っていったのだ。
世界の人々は不安を募らせていたが日本の人々もそうだったのだろう。だから仲間で集まり、より強くなっていくために組織構築をしていった。
その行動の波は日本各地に広がっていき、企業がクランを立ち上げたり、芸能人が立ち上げたり、小さいところでは学生が立ち上げたりと様々だった。
そして、その行動は日本政府をも動かした。
探索者制度にはパーティについての記載はあるがクランにつての記載はなかった。
なので大手企業がクランを作ったことが話題になったとき、これを受けて国が動かざるを得なくなったのだ。
そのクランをいち早く作ったのが日本マテリアル、四菱ケミカル、吉木興行、アスカープロモーション、UUUMOだ。
そして、その企業に追随するかのようにテレビ局や通信会社などがクランを作り始め、今まではネット広告が多かったがテレビCMでの広告も今まで以上に打って人材を集める様になっていったのだ。
この一年でダンジョンや探索者が現実世界に影響を及ぼし、浸透してきた証でもあった。
〜〜〜〜〜
時は少し経過して4回目の魔神侵攻が終わり、世間では魔神侵攻のパターンが明らかになってきた。
1回目は黒いスライム、2回目は黒いゴブリン、3回目は黒い魔法ゴブリン、4回目は黒いボスゴブリンが出現し、ダンジョンの階層と同じ黒いモンスターがでるのではないかという予想が立てられている。
そして、4回目になると世界各国、主に人口の少ない国々で暗黒化が進み始め、モンスターが湧き出した。
暗黒化が進んだ国では緊急で国外に避難したりと、世界的なニュースとなっている。
そんな中、現在八月の終わり、もうすぐ5回目の魔神侵攻が始まろうとしていた。
探索者の中にはもうすでに魔神侵攻の2,3,4回目で負けてしまった人が出ているのだが、その探索者たち曰く、戦闘空間へ転送され死亡した後、転送前の場所に生きて戻って来れたのだと言う。
そして、その負けてしまった探索者たちは次回以降赤い通知が出る事はなかった。
その代わりになんとステータス画面から魔神侵攻の戦闘ライブ映像を視聴することが可能になったのだ。
ある新米探索者は2回目のゴブリンに敗れ、3回目の魔神侵攻の最中に偶然ステータス画面を開いていた。
田中太郎
LV.1
スキル
逃走B
【第三エリア〈地球チャンネル〉】
ランキング
1 カール・ジョンソン(アメリカ)
2 田中麟太郎(日本)
3 千夏将人(日本)
4 山田哲也(日本)
5 アンドレイ・イワノフ(ロシア)
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スキル欄の下に見慣れないチャンネルとランキングが表示されているではないか。
それを発見した探索者は思わずクリックしてしまったのだ。それが反応し、映像が映し出された。
これがSNSで話題となり、拡散されることとなる。
そこから魔神侵攻さえも、世界の探索者の間ではエンタメ化してしまったのだった。
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