122話 トシくんの闘技場訓練
最初はダンジョンの攻略自体あまり乗り気ではなかったんだけど、マサトくんとてっちゃんと攻略していくうちに少しずつ楽しくなってきたのは事実だった。
やっぱりオタクとしての好奇心があるのは否定できないし、カッコよく戦う夢もあるけど、あの事件が起こってまた恐怖が勝っていく。
僕は弱者側だと自分で理解している。
気持ちも強くない、でも、2人と攻略していきたい気持ちもちゃんとあるんだ。
だから、決意できた。
痛みや恐怖と向き合う覚悟。
そして、ダンジョンの真実を知ってから夜寝る時によく考えるんだ。
この世界がどうなっていくのか、遅かれ早かれ危険が迫ってくるのは間違えない気がする。
だから、向き合わなければいけないんだ。
僕にとって一番難易度の高い部分だけど
逃げないでやり遂げたい。
僕は今、ファースの闘技場の前に立ち、自分のステータスを眺めている。
佐藤俊
種族 人間
LV.30
魔力300(+250)
スキル 鑑定SS 武器作成S 収納A 棒術F 弓術D
付与魔法A 命中率向上D
僕の戦い方は鑑定を一番最初にかけて相手の戦闘能力の把握、クロスボウでの遠距離攻撃のみ、一応ナイフは予備で持ってるけどあんまり使えてないからそれも練習しなきゃ。
あと、最近は魔法矢を制作することができたから幅は広がったけどそこに頼っちゃダメな気がする。
まずは基礎だ。
普通の矢、ダンジョン素材の矢、付与魔法の矢だけで訓練していこうと思う。
僕は意を決してファースランキング戦に参加した。
最初の方の試合は僕も一応30階層まで行っているのでそれなりにやり合うことができたのだが10戦もすると一筋縄では行かなくなってしまった。
やはり遠距離攻撃は読まれやすい。
前にてっちゃんねる武闘大会で小川さんがやっていた風魔法くらいの軌道修正能力がない限りはすぐに慣れてしまう。
僕の付与魔法では風属性付与で貫通力アップと少し曲がるくらいなのであまり意味がない。
その後、ランキング戦6戦目にして、負傷し怪我をした。試合には何とか勝てたが全回復した今もまだ感覚は覚えている。
ふぅ。落ち着け。これは訓練だ。失敗はできる。
だが、僕は次の試合で呆気なく死んだ。
胸に剣が貫通したんだ。こんな感覚なのか、キツすぎる。
ごめん、やっぱり僕は魔法矢使うことにする。
もう行き詰まってしまって他に考えられないよ。
あと、ここにくる前に集めた指輪系の装備と獣王国の動物装備の尻尾も装着することにした。
基礎は冒険者ギルドの訓練所でやることにして、対人訓練はフル装備にする。なりふりかまってられない!
前の装備にプラスしてこれらを装備した。
・器用アップの指輪(中)×2
・集中力アップの指輪(小)
・視力アップの指輪(中)×2
・貫通力アップの指輪(中)×2
・俊敏アップの指輪(小)×2
・ブラックパンサーの尻尾(俊敏アップ、動体視力アップ)
全ての指に指輪をして、黒い尻尾のアクセサリーを付けている。見た目はもうどうでもいいけど耳のアクセサリーだけは付けれなかった。
ちなみにミスリルシールド・アクトゥスは魔法もチャージ済みだ。
これによってそこから割とスムーズに試合を行うことが可能になった。
短距離系の相手には移動しながらボム矢で破壊的にその場をかき乱し、ファイストーム矢かサンダーブラスト矢で致命傷を与え、風属性付与の貫通力でトドメを刺していく。
これが僕の必勝パターンとなっていった。
だが、魔法戦に慣れている相手と当たった時は無傷で試合を運ぶことが出来なくなり、また行き詰まっていってしまったのだ。
でもそんな中、負傷する痛みにはだんだんと慣れてきた。試合中にポーションや回復スクロールで治せば問題ないじゃん!くらいには気持ちの整理が付いてくる。
慣れって怖い。こんな僕でも死ななきゃどうにかなるって精神になってくるもんなんだね。
じゃあ、回復系を充実させるのもありなんじゃないかと思ってきた。
もっといい装備とアイテムを探しに行こう!
成金チート使わないと!
僕はふと思い立って行動していくことにした。
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