114話 不死鳥
ハシビロコウはジッとこちらを見つめてくる。
何もしてこないなぁと思った瞬間、クチバシの前に魔法陣が浮かび、すぐに不可視の何かが降っている雨を切り裂きながら飛んでくる。
バシャバシャバシャバシャ!
俺は水滴が切れていくのを察知し、咄嗟に大きく横へ避けると後ろから飛んできていたドリル貝がその不可視な攻撃で真っ二つに切り裂かれた。
「風魔法か?」
次々と放たれる魔法を避けながら行動パターンを探るが結構ワンパターンだ。
この雨が魔法の軌道を教えてくれるので助かっている。こういうところがなぜかこのダンジョンを利用して強くなれ!と言われてるような感覚になるんだよな。
しっかり準備や訓練を積んでから挑めばクリアできる様になっている気がしてならない。
俺は思考しながらもハシビロコウの攻撃を回避し、近づき、力で制圧していく。
そして、33階層は湿地帯なのだが辺りには木々が生えてきており、段々と鬱蒼としてきた。
ここでは大きいアンモナイトの貝殻から刃が生えたモンスターが出現し、その貝が凄いスピードで回転し飛んでくる。
結構凄い迫力だ。
ここのボスは大きいハゲワシだ。
風魔法で体を守っているため遠距離攻撃が効きづらいようだ。
なので、上空からクチバシと爪の攻撃を仕掛けてきた時にしかこちらの攻撃は与えられないようだ。
ここもしっかりと行動パターンを見てから倒していく。油断はしない。
ハゲワシを倒して34階層に着くとそこは森の中で遠くには巨木が見える。
こういう巨木をみると世界樹を連想させるな、ファンタジーの定番だ。
あれ、東京タワーくらいあるんじゃなかろうか。
ここで出現したのは青い炎に包まれた孔雀の様な鳥だった。
なんか、強そうだな。
俺は戦闘態勢を取った。
すると、鳥の前に魔法陣が浮かぶと青い火の粉が散弾銃の様に射出された。
ボボボボボボッ
辺りに着弾すると小さな爆発が起こる。
俺はそれらを避け、当たりそうなものは即座にナックルと拳撃で撃ち落としていく。
火の粉の弾幕はしばらく続きいた。
「オラオラオラァァーッ」
アドレナリンがドバドバだ。
次々と飛んでくるそれらを音ゲーのように消していき、前へ突き進む。
見えたぞ、鳥よ。
隙間を見つけては拳撃を撃ち、相手にダメージを与えていく。
だんだん魔力を溜める隙が多くなっていき拳撃(弱)だったものが(中)になり、やがて(強)になる。
それが直撃した鳥は後ろに吹き飛ぶがまだ消えていない。
魔法は止んだが再び立ち上がる。
拳撃の当たった箇所は青い炎が纏わりついて少しずつ治り始めていく。
不死鳥か?ならガンガンいかないと倒せない気がしてきた。
その思考に至る前に走り出していた。
魔法耐性もあるから、いけるはず!
俺は高くジャンプすると鳥の身体に飛び乗り、拳を突き立てる。ボゴッ、ボゴッ、ボゴッ
空に逃げようとした瞬間には翼を掴み、それをさせない。
バタついても離さないでブローを入れ続ける。
鳥の体はどんどん血が噴き出てくるがそこからまた炎が吹き出して再生していく。
アドレナリンで忘れていた。
熱い?いや、暑いくらいだ。ははっこれはアツいっ!拳の力を全く緩めずに殴り続ける。いけるぞっ!
ははっ。
魔法も防げるなんてな。
この体は火だるまになりながらも耐えている。耐えているという感覚ではないな。
俺は防御特化を心から楽しんでいた。
そして、鳥の魔力が尽きたのか再生しなくなる。
これで終わりだな。
最後は拳撃(強)をお見舞いする。
俺の体を包んでいた青い炎や辺りに広がっていた炎はフッと綺麗になくなり、霧となって消えた。
ピロンッ
「お、なんか来たぞ!」
思わず口に出てしまった。
《ソロで幻獣種の討伐を確認。報酬として親和性の高いスキルがランクアップします。自然治癒S→自然治癒SS》
「マジか!こんなパターンあんのかよ!」
親和性ないと報酬がないのか、他にも報酬あるのかも気になるな。ソロのメリット結構ありそうだから今回の機会にいろいろ調べてみよう。
そして、俺は35階層の階段へと進んでいった。
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