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ep.63『Champagne Supernova』

礼堂:「末吉さん、ここからは俺達二人で行くので大丈夫です。後は任せてください。」

礼堂は感謝を込めた笑みを浮かべ、そっと頭を下げた。


末吉:「まったく、君たちは人使いが荒いよ。

まぁ必殺技ムーンウォーク出しちゃったし、

疲れたから帰るよ。またお店に来てね。」


振り返りざまに軽くウインクを残し、末吉は夜の街へと消えていった。

礼堂&冬月:(末吉さんキャラ変わったよな。。。)


そして川端宅。

重厚な玄関ドアの前で霧島がインターホンを押す。

短い電子音が鳴り、数秒後、ドアが静かに開いた。


川端:「この間ぶりだな。なんだ4人じゃなかったのか?」

礼堂:「一人は用事があったので帰りました。」

霧島:「あなたが帰らせたんじゃない。」


川端:「……まぁ話は入ってから。どうぞ中へ。」



リビングに案内された3人。

机を挟んで向かい合う形で、礼堂・冬月と川端・霧島が座る。

空気は重く、時計の針の音だけが響く。



礼堂:「いきなりこんなことになり、申し訳ありません。

伺ったのは色々と確認したいことがありまして。是非ご協力を。」


前回来たときよりも険しい表情を見せる川端。

冷静な眼差しの奥に、警戒の色が見える。


川端:「ふっ……"いきなり"か。確信犯じゃないのか?

どうやって霧島さんを知ったのか分からんが、

君達一体どういうつもりだ?」


冬月は目を細め、礼堂にアイコンタクトを送る。

冬月:(盗聴したとは言えないぞ。訴えられたら負けだ。)


礼堂はその意図を察し、指を組みながら一瞬だけ考える。

礼堂:(……確かに。富士田の立場もある。どう切り抜けるか……。)



礼堂:「いえいえ。実はですね、この度“ジャンク・バスターズ”が復活ライブを開催することになったんです。

ご報告までにと、川端社長のご自宅まで伺おうと。」


冬月:(なるほどな……。やっぱこいつ、こういう時の言い訳うまいな。)


礼堂:「そして、さっきまでボウさんの代理役が一緒にいたんですが、そこに通りかかった霧島さんが、その姿を見て仰ったんです。


“生き返った?”と。」


霧島:「いや!ボウさんの見た目であんな変な動きしてたら、幽霊かと思うじゃない!」


礼堂:「しかし10年前に亡くなった人物ですよ?

ボウさん有名とはいえ、一部の音楽好きしか気づかない。それにあの反応....確実に“身近な存在”だと疑ったわけです。


川端社長の家の近くでそんな人物に遭遇するとなれば、関係性があってもおかしくないと踏み、

少しカマをかけてみたんですが……思った通りでした。」


川端:「なるほど。私は確かに“ジャンク・バスターズ”の熱狂的なファンであったし、関係性を疑ったというわけか。

その通り私達は知り合いである――が、あくまで“ファン同士の繋がり”にすぎん。」


礼堂:「なるほど。ファン同士で交流があったということですね。」



川端は一呼吸おき、組んだ指を軽く鳴らした。

声のトーンが一段低くなる。


川端:「では私からも聞きたいことがあるのだが、いいかね?」


礼堂は姿勢を正し、不安を悟らせぬように頷く。

礼堂:「勿論です。どんなことでもお答えします。」


川端:「私達が知り合いだからといって、何か問題があるのかね?

一体何を探っている? そしてなぜ君達が“それ”を探る必要がある?

……わざわざオフ会を開いたりしたのも、そのためなのか?」



その言葉に礼堂は息を呑む。

礼堂:(こんな直球で来たか……。くそ、どう言い訳しようか……。)


思考を巡らせる礼堂の横で、冬月が唐突に口を開いた。



冬月:「10年前の事件。犯人追ってんすよ、オレら。

しかもあんたらを疑ってる。」



礼堂:(おいおいマジか……!

俺が頭抱えてる間に普通に言っちゃったよ!?

……でもなんか顔がキマってるな。もしかして何か閃いたのか?)



川端:「なんだと……? 犯人を追ってる?

しかも俺達を疑ってると? なら理由を聞かせてもらおうか。」


冬月:「ふっ。それはですね――言ってやれ、礼堂!」


礼堂:「えっ!?」


川端:「なんだ、根拠なしか?」


礼堂:(こいつバカだろ!?

無策で爆弾投げてきやがった!

……もういい、勢いで行くしかねぇ!)


礼堂は拳を握り、覚悟を決めた。


礼堂:「俺達は重要な情報を知っています。

川端さん……あなたは、本来なら持っているはずのない――

いや、“手に入るはずのない”ものを持っていますね?」


数秒の沈黙。

川端の眉がピクリと動いた。

やがて表情が変わり、低い声でつぶやく。


川端:「……そうか。あの日か。

富士田くんがトイレで長いこと苦しんでいると思ったら――とんだ窃盗犯だな。」


礼堂:「窃盗犯ならお互い様ですよ。

本来あなたのモノじゃないんですから。」


その切り返しに、冬月の目が輝く。

冬月:(その返しカッコいい……!俺もそういうの言いたい!)



川端:「……まぁ、あまり勘違いされても困る。

私の知っている“事実”を話そう。」


彼はゆっくりと背もたれに体を預け、低く続ける。


川端:「確かに、私があのUSBを持っているのはおかしな話だ。

実は私は――ボウの部屋からそれを持ち出した。

だが、ボウが殺された“後”に、だ。

そしてそこには……霧島さんもいた。」

ここまで読んでくださってありがとうございます!

次回は川端から重大な“事実?”が語られます。

物語もいよいよ終盤戦――是非お見逃しなく!!


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(初見の方は1話から読んで頂けると、より楽しめます!)


さて、少し空気を変えて――

『礼堂と冬月』シリーズのスピンオフ作品、


【お悩みBAR】夜魔一徹の人生相談は今日もズレている


も公開中です!


こちらは「連作短編」となっており、

なんなら書いていて一番楽しいのはこっちかもしれません(笑)


礼堂たちも時々訪れるBAR『夜魔』を舞台に、

オーナー・夜魔一徹と娘のあかり、そして店の常連たちが繰り広げる

ゆるくて人情味のある日常コメディです。


ミステリーな本編とはひと味違う“癒しの一杯”、

よければこちらも覗いてみてください!


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