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礼堂と冬月の不完全な作戦〜愛は勘違い編〜  作者: A gyousya
未解決事件の幕開け
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ep.6『I CAN'T Get No Satisfaction』

礼堂:「野田さ、、」

礼堂が野田に話を切り出そうとしたその瞬間、カウンターにいる末吉が話に割って入る。


末吉:「そういえば当たり前だけど、野田さんってめちゃくちゃギター上手いんですよね。」


野田:「いや〜そんなことないよ〜!謙遜とかじゃなくてね、俺なんてまだまださ!」


冬月:「いやいや、ジャンク・バスターズのギタリストなんてすごいじゃないですか。俺らみたいな凡人からしたら神の領域ですよ。」


礼堂:「ほんとそれっす。野田さんのライブ、動画サイトで観ましたけど、あれは鳥肌もんでした。」


野田:「おぉ、観てくれたの?ありがとう!でも正直、ライブの時は9割が勢いだからね。ノリとテンションさえ良ければなんとかなるもんさ!」


末吉:「いやいや、ノリだけであの音は出せないですよ。以前、うちのバーで即興セッションしてくれた時も、本当に痺れましたよ。」


野田:「あぁ〜そんなこともあったね。いや、末吉くんが『やってくれ』って目で訴えてきたから仕方なくね(笑)」


末吉:「いや、あれはお客さんが頼んだんですってば!でもあの時のアドリブは神がかってましたよ。」


野田:「ま、褒めてくれるのは嬉しいけど、ほんと大したことないから(笑)音楽は楽しんだ者勝ちさ。」


礼堂:「いや〜、さすがっすね。そのポリシーがロックそのものっすよ。」


冬月:「さすが現役ギタリスト。俺も少しはギター練習してみようかな〜なんて思っちゃいますね。」


野田:「いいじゃんいいじゃん!音楽は誰でもできるからね。でも本気でやるなら俺が教えたげるよ!ギターは心だよ、心!」


末吉:「さすが野田さん、深いですね〜。」


主人公たちが感心しながら話を聞く中、野田がふと真剣な表情になり、グラスを手に取りながら呟く。


末吉とのやり取りが一段落し、野田がニヤリと笑いながらギターケースを開ける。


野田:「せっかくだし、みんな知ってるロックのギターフレーズでも弾いてあげるよ!先週ぶりだなぁ〜。」


末吉:「え、マジっすか!?野田さんのギター、生で聴けるなんて最高じゃないですか!」


礼堂:「うわ、贅沢すぎる……!」


冬月:「こんなバーでロックの伝説級ギターが聴けるとか、俺たち得してるな!」


野田:「まぁまぁ、リラックスして聴いてくれよ。ほら、こんな感じとか……」


野田は軽くギターをチューニングすると、勢いよく弾き始め、次々に有名なギターフレーズを披露する。


末吉:「やっぱりうまいな~!いや、これがプロの技ですよ!凄すぎる!」


礼堂:「本物の音だ……ギターのフレーズだけで空気が変わるなんて……!」


冬月:「いや~、俺こんなに近くで聴けるとは思わなかったな。すげぇ!」


野田:「あはは、そんな大したことないよ。でもさ、こうやってロックの名曲を弾いてると、改めて思うんだよね――やっぱロックは最高だってさ!」


全員が拍手し、バーの空気がどんどん熱くなる。

演奏の終盤、野田が勢いよくギターを掻き鳴らしながら叫ぶ。


野田:「そしてこれが、ジャンク・バスターズでもない正真正銘の俺の曲だ!末吉くん!!!スタンドマイクを用意してくれ!いくぜ!」


カウンターにいた末吉が慌ててスタンドマイクを設置し、野田がギターをさらに掻き鳴らす。



野田:【俺たち男は〜♪好きな人が笑うと〜♪なんか嬉しいぜ〜♪イェーー!】



礼堂(心の声):なんだこの曲!?

冬月(心の声):こっ!この曲は!?

礼堂&冬月(心の声):すごくダサいぞ!メロディも!歌詞も!


末吉や夜魔は先週もこの曲を聴いており、苦笑いを浮かべている。


野田:「センッッッキューー!!!!どーもありがとー!!!」


最後の曲が終わり、周りのお客さんも、野田以外全員が苦笑いしながら控えめに拍手をしている。


礼堂:「野田さん、、、さすがです!やっぱりギター上手いんですね!」


野田:「ありがとう礼堂くん!最後の曲はどうだった?自信作なんだが!?」


礼堂:「い、いや〜、良かったっす、、、、、、、、な、なぁ冬月!そういえばお前ロック詳しいじゃんな!どうなの?ロック好きからしてみて?」


返答に困った礼堂は冬月へと振った。


冬月(心の声):「くそっ!俺に振るなよ!」

冬月:「ほ、、本当に良かったです!!あれですね!本当に美味しいもの食べた時には、美味しいって言葉しかでないやつと同じですね今!あはっ!あははは!」


礼堂と冬月は焦りながら早口で話し、必死に誤魔化す。


野田:「いや〜、君たちはセンスがいいなぁ〜!もう1曲歌おうか?」


礼堂&冬月:「いやいや!、、、喉もお疲れだと思うので、また次の機会にでも!」


2人は丁重に断り、話題を変えるために冬月が切り出す。


冬月:「野田さん、バンド時代の曲も作ってたんですか?」


野田:「いやいや、バンド時代は作詞、作曲共に全部ボウがやってたよ。俺も手伝うと言ったが、ボウには、**“野田はギターのことだけ考えて、集中してくれれば大丈夫”**と言われたよ。あれ、、どういう意味だったんだろうな。」


冬月(心の声):まぁ野田さんギターはトップクラスに上手いけど、作詞作曲のセンス壊滅的だろうからな。逆に凄いよ。

礼堂(心の声):ボウさんナイス判断!


野田はギターを置き、懐かしそうな顔で語り始める。


野田:「でもさ、ボウとのバンド時代、いい思い出ばっかりだよ。ツアーで地方回ったり、スタジオで朝まで音作りしたり……。特にあいつの曲ってさ、どれも魂がこもっててさ。俺、弾きながら鳥肌立つことなんて普通なかったけど、あいつの曲は違った。」


礼堂:「それだけすごい人だったんですね、ボウさんって。」


冬月:「野田さんから見ても、やっぱり特別な存在だったんですか?」


野田:「ああ。あいつはギタリストの俺からしても、バンドメンバーってだけじゃなくて……なんて言うかな。音楽の本質を知ってる奴って感じだったな。」


礼堂と冬月は真剣な表情で野田の話に耳を傾けながら、さらに深くボウの人物像を知る。

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