ep.34 『Sgt. Pepper’s』
メジャーレーベル行きを辞退し、
インディーズバンドとしての道を選んだジャンク・バスターズ。
彼らはこの選択を機に、より一層ロックバンドらしい尖ったスタイルを追求し始めた。音楽性も大胆に進化を遂げ、その結果、インディーズシーンでのカリスマ的な存在へと成長していった。
バンド結成から6年目――。
ついに、彼らは日本武道館でのワンマンライブを実現するまでに至った。
満員の武道館。観客の興奮が空気を震わせる中、ジャンク・バスターズが登場すると、歓声はさらに大きくなった。
ステージ上のボウは、この特別な場所に立つ喜びを全身で感じながら、マイクを握りしめた。
ボウ:「みんな!!今日は本当にありがとう!!
俺たちはインディーズでやってきて、この武道館に辿り着いた!!
この場所に立てるなんて夢みたいだよ。でも、ここまで来れたのはみんなのおかげだ!!サンキュー!!
これからも俺たちは俺たちの道を進む!お前らもついてきてくれー!!」
観客:「イェー!!!」
歓声が天井を突き抜け、武道館全体が震えるほどの熱気に包まれる。
ボウ:「じゃあ次の曲は――」
ギターの音が響き渡り、ドラムがそのリズムを刻み始める。
観客の熱気をさらに煽るように、ジャンク・バスターズの演奏はこれまで以上に激しく、そして魂がこもっていた。
全員が「今この瞬間」を共有し、会場全体が一体となった。
武道館公演は歴史に残る大成功を収めた。
この日以降、「ジャンク・バスターズはインディーズシーンの限界を超えたバンドだ」と語る声が溢れた。
メジャーに頼らず、独自の道を突き進むジャンク・バスターズは、名実共にロックシーンを代表する存在となった。
武道館という夢の舞台を経て、彼らはさらなる高みを目指し、その名を不動のものとした。
武道館ライブから数日後ーーー。
ジャンク・バスターズのメンバー、はスタジオに集まり、ミーティングを行っていた。スタジオ内には、次の挑戦に向けた期待感が漂っている。
マネージャーが資料を広げ、話を切り出す。
マネージャー:「アリーナツアー、半年後にスタートします。全国を巡るスケジュールが決まりました。」
ボウは少し驚きつつも、すぐに興奮を抑えきれずに笑顔を見せる。
ボウ:「半年後か、まだ先だと思ってたけど、すぐだな。」
横山が軽くうなずきながら言う。
横山:「でも、準備はしっかりしないとな。」
野田も嬉しそうに頷く。
野田:「アリーナでやるなんて、なんか特別な感じだな。あの広い空間で、どんな風に盛り上がるか、今から楽しみだ。」
ボウ:「だな。でも、ちょっとした違和感もあるな。こうやって次のステージに進んでいく感じ、まだ信じられないくらいだ。」
田村が少し遠くを見つめながら、静かに言った。
田村:「でも、これが現実なんだな。次の大きな一歩って感じだ。」
ボウがうなずきながら、次の言葉を考える。
ボウ:「アリーナではもっと大きなステージだし、演出をどうするかが重要だな。」
野田:「演出か…広いステージだから、特に空間の使い方が大事だな。ライトとか映像とか、目を引くように工夫すれば、もっとインパクトを与えられるはずだ。」
横山も軽く頷きながら言う。
横山:「それなら、映像もバッチリだな。視覚的に圧倒するような演出を考えた方がいい。」
ボウはしばらく考え、手を叩いて仲間に向かって言った。
ボウ:「よし、みんなで一丸となってやろう! ツアーの準備、始めようぜ!」
田村も口を開く。
田村:「俺たちの力、全開でぶつける時だな。」
野田:「そうだな! 本当に楽しみだ。」
ボウ:「半年後のアリーナツアー、絶対に最高のものにしような!」
横山が肩をすくめて、軽く冗談交じりに言った。
横山:「次は前回よりももっと大きなサプライズを用意しないとな。」
田村が笑いながら、少し心配そうに言う。
田村:「サプライズ…また俺、裏で何かしでかさないといけないのか?」
ボウは冗談めかして答える。
ボウ:「もちろん、田村が何かやらかしてくれるのはお約束だろ?」
横山と田村は笑いながら、お互いに視線を交わした。
田村:「まあ、それも含めてやるか。ツアーの成功を祈って。」
ボウはその言葉に力強く頷き、みんなの顔を見渡す。
ボウ:「全員の力で最高のツアーにしよう!行こうぜ!ジャンク・バスターズ!」
野田・田村・横山:「オウ!!!」
一同はアリーナツアーに向けて、さらなる決意を固めた。