ep.19『Burn』
後日、バー『夜魔』にて
夜魔:「久しぶりだね、2人とも!次のオフ会はいつやろうか?」
礼堂:「夜魔さん、お久しぶりです!なんか楽しそうですね?」
夜魔:「まぁな!いやいや、あんなに盛り上がるとは思わなかったよ!10年以上この店やってるけど、あれが一番だったね。ありがとうな!」
冬月(心の声):「絶対、儲かったからだろうな。」
礼堂:「そういやこの前、店に寄ったんですけど、夜魔さんいなかったですね。」
夜魔:「最近、新しい店を出そうと思っててさ。その準備で出かけることが多くてね。」
冬月:「なるほど。あのオフ会で稼いだから、ついに新しい店に手を出そうってわけですね?」
夜魔:「い、いやいや!違うって、前から構想練ってたんだよ!たまたまだって!ははは!」
礼堂&冬月(心の声):「嘘が雑だな……。」
夜魔:「まぁ、もし新しい店がオープンしたら、また頼むよ!」
礼堂:「そういえば、今日は末吉さんは?」
夜魔:「ああ、末吉が風邪ひいちゃってさ。今、知り合いのバーテンにヘルプ頼んでるけど、いない時は俺が切り盛りするしかないんだよね。」
冬月:「夜魔さんがカウンターに立ってるのって、ちょっと新鮮ですね。」
夜魔:「そうだろ?でも末吉には少し休暇を取るように言ったんだ。真面目すぎると体が持たないからな。」
礼堂:「夜魔さん、優しいですね。」
夜魔:「まぁ、従業員大事にしないと良い店は続かないからな!」
他の客:「オーナー、ラフロイグのストレートを!」
夜魔:「はいよ!じゃあ、また後で!」
夜魔は忙しそうな素振りを見せ、仕事へ戻っていった。。。
礼堂:「さて、本題だけど、秀治から返信が来た。」
冬月:「マジかよ!なんて?」
礼堂はスマホを取り出し、冬月に見せた。そこにはこんなメッセージが――。
メッセージ内容
「褒めて頂きありがとうございます。ジャンク・バスターズのファンの方ですか?それとも、僕の素晴らしいカメラワークに感動してしまいましたか?それであれば、違いの分かる方なようですね。
まぁ、どちらにしても悪い気はしません。お話したいということであれば、是非一度お会いしましょう。
あ、もしカメラのことが聞きたいのであれば、使っているカメラをご持参ください。相談に乗りますよ(笑)では。」
冬月:「なんだコイツ……なんでこんなに上からなんだよ?」
礼堂:「まぁ、クセが強い人ではあるな。」
冬月:「クセ強すぎだろ!カメラなんて持ってねぇよ!」
礼堂は苦笑いを浮かべながら画面を見つめていると――。
冬月:「貸してみろ。」
礼堂:「おい、変なことするなよ!」
冬月は礼堂のスマホを奪い取り、文字を打ち始めた。
冬月:「はい、ぜひお話をお聞かせください!カメラには全く興味ありません(笑)」
冬月:「ほら、送信!」
礼堂:「ちょ、待て待て待て!!挑発してどうすんだよ!情報を持ってるかもしれないんだから慎重にやれよ!」
焦った礼堂はスマホを取り返しながら、深いため息をついた。
礼堂:「まったく……。とりあえず、あとは当たり障りない内容で返信しておくよ。にしても、変わり者だよな、コイツ。」
冬月:「いや、どう考えても変人の域超えてるだろ!」
礼堂:「まぁ、でも会ってみる価値はあるだろう。次の手を考えよう。」
2人は夜魔の賑やかな店内で、今後の作戦会議を行なったのであった。