ep.18『 (Just Like) Starting Over』
数日後、、、
リモートワーク中、冬月は自宅のデスクで仕事をしていると、ふと動画サイトにアップロードされたジャンク・バスターズの映像を再度確認し始めた。何度も見返すうちに、やはり気になる点があった。
冬月:「…うーん、これ、本当に気になるな。」
画面に表示された「秀治拓也」の名前を見つめながら、冬月はふと礼堂に連絡を取ろうと思い立つ。すぐにスマホを取り、礼堂に電話をかける。
冬月:「礼堂、今ちょっといいか?」
礼堂(運転中でハンドルを握りながら):
「あ、冬月か。今運転中だから手短に頼む。」
冬月:「了解。ちょっと気になることがあってさ、動画サイトでジャンク・バスターズの映像を上げてるやつがいるんだよ。アカウント名は『秀治拓也』ってやつで、かなりクオリティ高い映像を撮ってる。」
礼堂:「『秀治拓也』…誰だそれ?」
冬月:「俺も詳しくは知らないんだけど、こいつが撮った映像がジャンク・バスターズのライブ映像なんだ。ちょっと調べてみて、もしかしたら、ボウに関係があるかもしれない。」
礼堂:「なるほど、分かった。ちょっと車を停めて調べるわ。」
冬月:「よろしく。」
電話を切った冬月は、再び画面に向き直りながら、次のステップを考え始める。
ーー週末ーー
冬月はソファに座り、ノートパソコンで動画サイトを見ている。そこで礼堂がピンポンを鳴らし、冬月がドアを開ける。
冬月:「おう、来たか。」
礼堂:「よっ、何してんだ?」
冬月:「例の動画サイト見てたよ」
礼堂:「俺もサイト見たけど、確かにジャンクバスターズのライブ動画をいくつかあげてるな。情報があるなら、俺たちが欲しい情報を持ってる可能性もある。」
冬月:「そうなんだよ。で、どうコンタクト取るか悩んでてさ。。。」
冬月が少し考えてから、スマホを置き、礼堂に向き直る。
冬月:「まぁ、まずはメッセージを送るしかないな。動画のコメント欄とかでもいいけど、できるだけダイレクトに連絡取る方が早い。」
礼堂:「うん、コメント欄でもいいけど、返信があるかどうか分からないしな。もっと確実に連絡取れる方法はないかな?」
冬月:「メールかSNSのアカウント情報が載ってることもあるだろ。動画の概要欄とかにリンクがあるかもしれん。あとは動画の内容からヒントを得て、間接的に接触してみる手もある。」
礼堂:「確かに。動画内で何かしらの情報を元に話を広げてみるって手もあるな。」
冬月:「もし相手が警戒してたら、いきなり深い話には持ち込まない方がいい。まずは興味を引くようにするんだよ。」
礼堂:「よし、ちょっとメッセージを送ってみるか。内容は…『ジャンク・バスターズの動画とても良かったです。もっと詳しい話を聞いてみたいです』って感じで。」
冬月:「それでいいと思う。簡単に返信が来るかもしれないし、もし反応があれば、さらに情報を引き出す方向で。」
礼堂はスマホを手に持ち画面をタップする。
礼堂:「よし、送ってみるか。」
冬月:「あとは待つしかないな。反応があれば、次のステップに進めるし。」
礼堂:「ああ、何にせよ、こいつが役に立つかもしれないな。うまくいくといいんだが。」
冬月は少しニヤリとし、礼堂を見て言う。
冬月:「ま、相手がどんな奴か分からんけど、少なくとも情報は手に入れないと。」
礼堂:「その通りだな。さて、どうなるか…。」