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礼堂と冬月の不完全な作戦〜愛は勘違い編〜  作者: A gyousya
未解決事件の幕開け
1/59

ep.1 『プロローグ』

キャラクター紹介

礼堂信介らいどう しんすけ

身長178cm

黒髪

若干くせっ毛

•職業: 営業職(一般商社の営業マン)

•年齢: 35歳

•性格: 理屈っぽいが、人の感情を察するのが得意。

だが、時折ひねくれた物言いをする。負けず嫌いな性格。

•趣味: ロック音楽(メジャーもマイナーも嗜むが、冬月ほど深くはない)、ドライブ、料理



冬月拓真ふゆつき たくま

身長170cm

童顔

茶髪

•職業: IT企業のエンジニア

•年齢: 35歳

•性格: 感情的になりやすく、人に怒られるのが苦手。自分のやり方に強いこだわりがあり、他人に指図されることを嫌う。負けず嫌いな性格。性格に似合わず童顔である。

•趣味: ロック音楽(特にマイナーなバンドに詳しい)、ネットサーフィン

•関係性: 礼堂とは大学時代からの腐れ縁。



冬月拓真はモニター越しの苛立たしい会話をやり過ごし、ようやくリモート会議を終えた。画面を閉じると同時に、深くため息をつく。


「……確認不足って、なんだよ。」


誰に向けるでもない呟きが部屋に響く。リモートワークの静かな空間がいつもは心地良いはずだったが、今日ばかりはその静けさが嫌になる。


苛立ちをどうにか消化しようと、冬月はスマホを手に取り、電話帳をスクロールする。狙いは一人、大学時代からの腐れ縁である礼堂信介だ。


「……お前しかいねえ。」


通話ボタンを押す。数回のコール音の後、礼堂が出た。


「おい、冬月か。どうした?」

礼堂の声は落ち着いていた。背景には車のエンジン音が聞こえる。


冬月:「どうした、じゃねえよ。愚痴聞け、愚痴!」


礼堂:「愚痴? 朝っぱらからご機嫌だな。」


冬月:「全然ご機嫌じゃねえよ! 上司に理不尽に怒られたんだよ。確認不足とかさ!」


礼堂:「ああ、それはお前が悪いんだろ。」


冬月:「は? 俺が悪いわけねえだろ。何でもかんでも部下のせいにするあの態度がムカつくんだよ。」


礼堂:「まあまあ、落ち着けって。」


礼堂は軽く流しながら、話題を変えるように言った。

礼堂:「それより、お前最近どうしてんだ? 相変わらず家に引きこもりか?」


冬月:「ああ、リモートばっかで体なまりそうだよ。お前はどうなんだ?」


礼堂:「俺? 仕事はまあ、ぼちぼち。今は社用車で移動中だ。」


冬月:「相変わらずだな。運転好きだよなお前。」


礼堂:「好きっていうか、社用車って気楽なんだよ。燃費とか気にしなくていいし。」


冬月:「それ仕事好きって言うんだよ。」


お互いくだらないやり取りを続けていると、ふと冬月がパソコンを開きながら言った。

冬月:「そういやさ、最近ネット見てて思ったんだけど、暇つぶしに面白いサイトって知らねえ?」


礼堂:「面白いサイト? 急だな。まあ、まとめサイトとかじゃねえの?」


冬月:「いや、なんかもっとこう、変わったやつ。」


冬月は話しながら適当にブラウザを開き、いつものようにニュースサイトを眺めていた。


礼堂:「変わったやつって言っても、どんなの探してんだよ?」


冬月:「なんでもいいよ。変な掲示板とかでもいいし。」


礼堂:「そんなもん、自分で探せ。」


冬月:「つれねえな。」

冬月がぼやきながらニュースをクリックすると、関連リンクに妙なタイトルが目に入った。


『未解決事件の真実に迫る!』


冬月:「……なんだこれ。」


冬月は興味本位でそのリンクをクリックした。ページには、どこか陰鬱なデザインとともに、未解決事件に関する詳細な記録が並んでいた。


冬月:「なあ礼堂、ちょっと待てよ。」


礼堂:「ん? どうした?」


冬月:「いや、今たまたま見つけたサイトが……なんか、怪しい。」


礼堂:「怪しいって、どんな?」


冬月:「未解決事件をまとめた裏サイトっぽいんだけど、これ、普通じゃないぞ。」

冬月の声に少し真剣さが混じる。


礼堂:「、、、お前勝手にそんなもん開くなよ。変なウイルスとか踏むぞ。」


冬月:「いや、そういうのじゃなくて……ちょっと興味湧く感じ。」


冬月はページをスクロールしながら、目を細めた。そして、とある事件名に視線が止まった。


『ロックミュージシャン・ボウ殺人事件』


冬月:「、、、礼堂。」


礼堂:「なんだよ。」


冬月:「このサイトに、ボウの事件が載ってる。」


礼堂:「……マジか。」


冬月:「しかも……懸賞金がかかってる。」


礼堂:「懸賞金? いくらだ?」


冬月:「1,000万。」


電話越しに一瞬の沈黙が流れる。


礼堂:「冬月、それ、ちょっと面白くなってきたな。」


冬月:「だろ?」


2人の会話が次第に真剣味を帯びていく中、偶然のクリックが10年前の事件を再び浮かび上がらせる幕開けとなった。

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― 新着の感想 ―
この度はフォローいただきまして本当にありがとうございます。 拝読に参りました~! 宜しくお願い致します♪ 嫌な上司ですね~。これはぷんすこです。 でも拓真からの電話にすぐに出て、愚痴を聞いてくれる…
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