6話 黒幕が幕を開ける
アージュ︙中立者のゼラが
支配権を持つことになった…か。
人間達の命運を1人の半人に託すなんて、
この世界も腐れたものだな。
よし、この呪術師アージュ様が
人間達を正してやろう…。
ギル︙お父様!さっき花に水をあげてたら
知らない人に出会ったんだけど…
すっごい褒めてくれた!
アージュ︙何!!!外にでたのか!!
ギル︙ごめんなさい…
約束破るつもりはなかったんです!
アージュ︙言い訳をするな!!
あれほど出るなと言ったのに…
なぜ言うことを聞かない?
まずはお前から正す!!!
ギル︙人間は愚か者じゃ…
ぐはぁ!!! お父…さ… やめ…
ぐはぁ!!!!! ぐはぁ!!!
いた…い… くる…し…い… たす…けて…
アージュ︙呪縛を解いてほしけりゃ言え。
ギル︙……………………。
…に…ん…げ…ん…は…お…ろ…か…
アージュ︙よろしい。これなら外に出せる。
好きに暴れてこい。
ゼラ︙ 何…これ…
テツ︙人が…襲われた形跡…
誰がこんな事を…
れん︙……刺し傷が浅い…
犯人は殺し慣れていないか、
あまり力が入らない
子供と思われるよ。
ゼラ︙どうして子供が…?
れん︙そこまでは推測できない。
ギル︙やっと… 見つけた…
ゼラ︙来たわね。
あなた、どうしてこんな事をしてるの?
ギル︙…お父様…の…為…
ゼラって人、どこにいる!!
ゼラ︙私のことかしら?
ギル︙お前に問う。何故人間は、
1人の半人に自分達の運命を握らせている?
ゼラ︙私に委ねることで、平和が訪れたのよ。
子供にはわからないでしょうね。
ギル︙何が平和だ!!
人間はいつから
他人に運命を任せる愚か者になった?
間違っている!!
俺は、そんな人間達を正したい!!
ゼラ︙………間違っているのはあんたの方よ。
そもそも誰の言葉なの?
自分の考えではなさそうだけど…
ギル︙それは………。
アージュ︙フハハハ!!!
息子よ、良い心がけだ!!
私の言葉をよく聞いておったのだな。
ギル︙お父様………。
ゼラ︙……あんたが黒か。
アージュ︙これはこれは
ゼラではないか。
初、お目にかかる。
私の名は アージュ、
呪術師だ!!
ゼラ︙よーく覚えておくとするわ。
……逃げるつもりかしら?
アージュ︙何を勘違いしているのか知らんが
私は戦闘を避けたいだけだ。
お前と戦えるほどの呪力がないからな。
行くぞ!!
ギル︙はい………。
テツ︙あの野郎……!!
れん︙テツ、落ち着けよ
ゼラ︙……あいつの呪力が
満タンになる前にどうにかしないと
世界が滅びることになるわ。
かといって、すぐに動くと
こちらも万全ではないので
向こうの戦略次第で、
敗北するリスクがある。
テツ︙どうするんだよ。
ゼラ︙ある程度備えてから
襲撃するわよ。
テツ︙あいつらのアジトとかは…
ゼラ︙特定済みよ。
テツ︙早っ?!
ゼラ︙住処よりも先に
眷属探しをしたほうがいいわね。