5話 冷たい瞳の魔法使い
テツ︙どこに住むか決まってるのか?
ゼラ︙まだよ。
テツ︙建築とかは人間に任せておいて、
そんなことより裏にある山に
雪女らしきお化けがでたらしい。
ゼラ︙女の子一人で、行かせる気?
テツ︙誰もそんなことは言ってないだろ。
オレも行くからついてきてくんねぇか?
ゼラ︙あんた、ビビってるんでしょー?
テツ︙ビビってねぇし!!と、とにかく行くぞ!
ヒュー… ヒュー…
ゼラ︙寒いー…
テツ︙おかしいな…
この山は温暖気候なはずなのに
雪が降ってる…。
???︙あんた達、氷漬けにされたくなければ
今すぐ山から降りな。
ゼラ︙なぜかしら?
???︙僕はそんな格好で雪山に入る
大馬鹿者に警告をしている。
危険だ。
テツ︙ゼラ、この人が噂の雪女だ。
ゼラ︙ええ、分かってるわ。
でもよく見たら男性よ。
テツ︙ほんとだ!髪が長いからわからなかった!
???︙何を話している。
さっさとこの山から出ていけ。
ゼラ︙(この人… さっきから遠回しに
私達を心配しているのかしら?)
こんな雪山でも平気なんて、あなた何者?
???︙………佐久間れん、氷の魔法使い。
ゼラ︙だからなのね。なぜここにいるの?
れん︙…この山に修行をしに来たが、
……氷の魔法を使っていたら
山が凍ってしまった。
テツ︙おかしいと思ったらそういうことかよ。
ゼラ︙ねぇ、私の弟子にならないかしら?
こう見えて私、伝説の剣士の子供で
1000年以上生きてる者で…
れん︙……!あのキュリオスの子供…!
大馬鹿者呼ばわりして悪かった。
ぜひ、弟子入りを頼むよ。師匠。
テツ︙急に態度変えたな…
れん︙それよりも… 山から降りようか。
薄着の人が長居しすぎると凍死するからね。
ゼラ︙最初からそういえば良かったのに…
テツ︙あのー…
れん︙山の雪は時間が経てば溶けるよ。
テツ︙なぜ分かった。
れん︙氷以外の魔法も使えるよ。
今使ったのは、心を読む魔法。
下山後
れん︙修行、してくれるんだよね?
ゼラ︙もちろん。一通りやること終わってからね。
人間の支配権を持ってから住処がないから
家建てるのと、地上世界に名前をつけるのと
眷属選びと、いろいろあるのよねー…
れん︙(人間の支配権を持った神の子……。
一通り終わったら生い立ちとか
詳しい話を聞こう。)