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蜘蛛の巣

作者: 土屋

霊感がある。小さい頃からいわゆる霊が見えていた。ものごころつく前から当たり前にあるので、それはもはや日常で全く怖くないーーーーーーというわけはなく。


歳を重ねるごとに、何を考えているのかどう動くのか予測がつかないものがすぐそばにあることが怖いと気づいた。まるで素手で触れていた虫に触れられなくなったように。


裏を返せば、行動パターンや思考が読める霊なら怖くないのである。それに、虫が苦手なのなら虫かごを用意したり、こちらに近づいてこないように仕切りで限れば良いのだ。


そう、そういうことなのだ。私の同類は、そうやって対処してきたのだろう。人のいる所では、霊というものは行動ができないよう何かで囲われていて、その場から動けないようになっているものを見かける。その様子がまるで、蜘蛛の巣に引っかかっている小虫のようにもがくものもあれば、微動だにしないものも。この囲いや仕切りを、結界や呪いと区分されるものを私は勝手に蜘蛛の巣と名付けて読んでいる。これなら、人前でうっかり何もない空間を凝視しても、蜘蛛の巣があった、小虫がいたように見えたと自分すら騙すほどに違和感なく普通の人に説明ができる。


朗報、というか。わたしはこれまで観測するしか能がなかったが、蜘蛛の巣を観察することで自分でも同じようなことができないのかと試し、不格好ながらも一時しのぎはできるようになったのだ。面白かったかい?この話。


あ、君の肩に小虫が。はらうよ。




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