性別なんて関係なく子供は産めるの
私の初恋は異性の方です。
名前は田島圭さんというお方でした。
だけどこんな世界じゃかなうはずもありません。
こんな世界じゃ
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異性愛症候群 1話
「ねぇ~聞いた?まただって。あの病気の発症者」
「え~また?今年だけで何人目よ」
テレビを見ながら諏訪子と美代が話している。
またか。
私はコンビニのプリンを食べながら聞き飽きたように思った。
チャンネルを回してもその病気「異性愛症候群」の速報と予防の話しかしていない。
去年の春から流行し始めた“病気”だ。
決してウイルスが流行しているわけではない。
たしか、ある女性が最初に発症したっけ。
ここから狂い始めたのだ。
今の世界は確かにクソだ。生きづらい。
あんなものが開発されなければ変わらなかった。
「でも、絶対あれが開発されなかったらこんなになんなかったよね」
「先輩。あれって何ですか?」
着替えに来た京子ちゃんが聞いてきた。
「知らないの?京子ちゃん」
「はい」
「だったら葉月の方が知ってるよ」
「え!?水上さんが?」
「その反応は傷つくな~京子ちゃん」
「ごめんなさい!水上さんにそんなイメージが無くて…」
「良いよ。それであるって言うのは『人工子宮』だよ」
「何ですか?その人工子宮って」
「えーっとね、私達女性はもともと子宮があるじゃない。でも男性にはないじゃない。こんな少子化世界では子供が必要なの。実際は結婚する人も珍しいのに子供も作る人達なんていないのよ。だから、手術をして男性にも子供が出来るように作られたの。国からも補助金は出るし、生まれたら10万を貰えるのよ」
「なんか、皆必死ですね」
「そりゃそうでしょ。京子ちゃんだって産むだけで金が貰えるって知ったら躊躇なく産むでしょ。」
「確かにそうですけど…それと異性愛症候群は関係しているとは思えません」
「あぁ~!それ私も思った~!」
「私も気になる~」
京子ちゃんだけで無く諏訪子や美代も気になるらしい。
「私も詳しくは知らないけど……。男性に人工子宮を入れたとしても、男性同士でくっつけば子供が生まれるのよ。だから、この世界は同性愛ばかりになってったらしいんだけど。」
「だとしたら、女性はどうしたら良いんですか?」
「それこそ精子バンクでしょ」
「確かに。でも空気に触れると死ぬんじゃないんでしたっけ」
「そうなのよね」
ー速報です。政府が只今記者会見を行いました。人工子宮の手術率増加に伴い、人工精巣を20XX年までに完成させるとのことです。繰り返します。政府が只今…
「へ?」
「水上さんもそんな素っ頓狂な声出すんですね。ふふ。可愛い」
「葉月がこんな声出すの初めてじゃない?」
内心一番驚いているのは私だった
今までやってきた努力は何だったのだ
でもようやくだ
ようやくあのこに…あのこに…
最後まで見ていただきありがとうございます!
初めての投稿なのでおかしいところもあると思いますが大目に見てください
異性愛症候群は4~5話くらいで終わる予定です
書き終わったら、XLARGEとしてある人物の方の話も書く予定です