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入学
200X年、当時の俺たちは小学生で無限のスタミナに全てを凌駕する頭脳を持っていた。
そんな俺たちが子供から大人になるまでの話だ。
俺は司馬涼太、今日から小学生になる。
『以上を以って、第47期N川小学校入学式を終了します!入学生、退場!』
長ったらしいおっさんの無駄話を、やっと終えて生徒たちは疲労を隠せないでいた。
俺は一年四組に配属された。
生徒数は36人、そしてその中に一際存在感を放つ奴がいた。
そいつの名は森、二年後に転校する事になるのだが森は俺の最初の親友となるのだった。
「なぁ、お前昆虫王やってる?」
昆虫王、当時小学生男児を中心に爆烈的に人気があったアーケードゲームである。
「えっ、うんやってるけど…」
いきなり話しかけて来た奴に戸惑いながら返事をすると、そいつは俺の机を全力で叩いた。
「んまじかぁ!じゃあ明日カード見せてや!」
「はっ!?」
「じゃあな〜!」
(な、なんやたんや?あいつ…)
言いたいことだけ言って、そいつは満足したかの様に帰って行った。
この昆虫王のカードが俺たち47期生の悪名を轟かせる1つの要因となるのだった。