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最終話 能ちゃんも詰められました

最終話 能ちゃんも詰められました



「ゆうべはお楽しみでしたね」


 某ゲームの有名なセリフを帰ってくるなり言い放つ能。


 少し疲れた顔で要は言った。


「連絡もなしに朝帰りとは良い度胸だな」


「お兄ちゃんとお義姉様を二人きりにしてやったんじゃない。感謝してよ」


「マダムとシールドさんが居座る場合だってあったろ?」


「そんなもしもの話されてもねえ。二人でイチャつけたんだから良いじゃん」


「だいたいなんで俺とエスパーダがイチャついているのを知ってるんだ?」


 能はニヤニヤしながら、スマホを見せて軽く振った。


「幸せな人は口が軽いんだよ」


 要はエスパーダを見た。すぐに顔を背け、吹けない口笛を吹いている。今回ろくな事をしてない。


「エスパーダ!」


「だって、もしかしたら別れるかもって思ってたから嬉しくて……」


 しおらしく言い訳をする。これを許すと付け上がる。でもホントに嬉しそうなのが伝わって要は感動してしまった。徹夜したせいだろう。


「ともかく外泊は許さんぞ能。どこで何してた?」


 とりあえず非難の矛先を能に変えた。


「友達の家に避難して、二人の事を話してた」


「まさか、エスパーダが小人だって言ってないだろうな?」


「そこまでバカじゃないよ私」


「その友達はどの程度知ってるんだ?」


「結婚を反対されて、三人暮らししてて、その中に私が含まれてるってところまでかな。あ、今ウサギでモメてるって言っておいた」


「アレね。そういえばエスパーダが勝ったって騒いでたけど、今同点くらいなんじゃないの?」


「上杉銛……もう一人もウサギおいしそう派になったから勝ちなの」


 エスパーダはドヤ顔で言う。


 要としてはそんなに対立する案件ではないと思うのだが、ドヤ顔に腹が立った。


「こっちにはマダムも父親もいる」


 つい対抗策を口にしてしまう。


「え? あの人に会うの?」


「親だからな。エスパーダを紹介しなくてはならない」


「お母さんよりあてにならないと思うけど。それにウサギ食いそうだし」


 要は二人がおいしそう派に加入してしまうかもしれない事に初めて思い至る。


「あ、(しゅう)は、私の友達はかわいい派だよ」


「就って男だよな。男の家から朝帰りしたって事か?」


「いや、それはその……」


 珍しく能はしどろもどろになっていた。


「兄としてその男に会う! 良いな?」


 能はしぶしぶ認めた。


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