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三話 シールドの過去を聞きました

三話 シールドの過去を聞きました



 シールドの出生の話には驚かされた。彼はマダムからではなく人間から生まれてきたと言うのだ。


 人間の母体に小人族の受精卵を使い、着床。そして半年ほどで出産したらしい。


 代理母である人間の女性は出産すると意識を失い、そのまま死んでいった。それは気の毒だと思うが、まだシールドの身体の秘密について分かっていない。


「それとシールドさんの状態と関係があるのですか?」


「あるんです。人間より生まれた小人は超能力を使えるようでして」


「はい?」


「超能力です。まあ私は異常に力が強いだけでしたが」


 目尻にシワを発現させるシールド。


 要は驚くばかりだ。


「能力を使うと老化が促進されるようで、能力を制御できるようになった時はおじさんと呼ばれていました」


 エスパーダに確認を取ったが本当のようだ。出会った時にはもう老人の見た目だったとか。


「すごいですね。しかし小人の妊活に協力してくれる人間をどうやって見つけたのですか? それに医者も……」


「私が生まれる前の話なので詳しく知りません。母が……」


 そこまで言ってマダムを見た。不機嫌そうな顔をしている。


「あなたの知的興味のために私の過去を話すわけがないでしょう」


 確かにそうだが要は知りたくてたまらない。もしかしたらエスパーダとの間に子供をもうけられるかもしれない。要の母親には啖呵を切ったものの、可能性が見えてくれば欲しくなるのが人情だ。でもそれを口にしてしまえばエスパーダが悩んでしまうかもしれない。


 要が悩んでいると、シールドが言った。


「二人に紹介してあげたら?」


「私はその女を許していない!」


 これ以上話が聞けずどうにもならなくなった。気を利かせたシールドはマダムから写真を貰い、それを要に送ってくれる。写真の件を片付ければ話してくれるかもしれないと思ったようだ。


 要が写真を見る。逆バニーの衣装で胸と股間の部分を手で隠したエスパーダが映っていた。自撮りにしては構図が不自然なので、多分能が撮った物だろう。要は興奮したが、すぐに理性が押しとどめる。


「エスパーダ、どういう事か聞こうか」


 要はエスパーダに聞いていた。あれだけ余裕を見せて、シールドの話を聞いていたのに要も情けないとは思う。でも止められない。


「間違えて送ったの。二人が来るまで気付いていなくて」


 そして要が帰ってくるまでマダムに詰められ、要に送り直す事はできなかったらしい。理由は分かったが、要熱望の逆バニーを他人に見られたのがショック過ぎた。


「悪いがスマホチェックをさせて欲しい。シールドさん転送を手伝ってくれますか?」


「良いかい?」


 シールドはエスパーダに確認を取った。エスパーダは黙ってシールドにスマホを差し出した。


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