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91話 新力


 アスタラの月、2日。

 【神力】の覚醒に関して想定される条件についてフォルテ達に話しました。ええ、きちんとね。

 メレアさん達は勿論、メアリー様達にも内緒で。飽く迄も、現時点での夫婦だけの秘密です。

 尚、話すのがフォルテだけではないのは、初夜は四人一緒に、という話になっていたからです。

 理由が理由ですが、それで「フォルテだけ」とは流石に言えませんし、出来ません。

 ──と言うか、抑として、フォルテが四人一緒を希望するでしょうからね。

 だから、それは俺だけの葛藤に伴う思考でした。フォルテ達は悩む以前に考えもしませんから。


 ただまあ、話しても直ぐには実行は出来ません。先月はメアリー様の滞在期間中でしたから。流石に一緒の時には控えないと……ねぇ?。

 メアリー様が王城に戻ってから、という事で。


 ……まあ、昨夜が初夜となりました。


 色々と悩んでいましたが、幼くても俺は男だし、フォルテ達は女なんだと判りました。

 精神年齢(中身)的には葛藤が有るのは確かでしたけど。いざとなれば彼是考える余裕は無く、フォルテ達を求める自分が居ました。

 勿論、フォルテ達も俺を求めてくれます。

 だからまあ……長くなる訳です。いや、ちゃんと避妊用の魔法は使ってますから。一般的には魔法薬みたいですが。魔法なら無料(タダ)なので。

 無駄に器用で良かったと思います。


 贅沢な悩みとしては、フォルテ達が積極的な事。ええ、今朝も寝起きからイチャイチャしましけど、俺達は夫婦ですが何か?、な感じです。

 そして気付いた事。「俺、絶倫じゃね?」と。

 うん、これでも人並みには経験は有りましたから自分の事なら比較も出来ます。その上で前世の時の経験と比べてみると……疲労感が殆ど有りません。滅茶苦茶元気です。フォルテ達もタフでしたけど。何だかんだで五周はしたのに弾切れ(・・・)する気がしない程でしたし、今朝も快調でしたから。

 ああ、勿論、自分だけ(独り善がり)では有りませんからね?。ちゃんと、俺は一緒にですから。


 ──で、これを絶倫と言わずして何と言うのか。

 まあ、絶倫で困る事は有りません。フォルテ達を平等に愛する事が出来ますからね。


 ──とは言え、俺が絶倫であるという事がバレた時には大問題になる事が予想出来ます。

 ええ、普通なら体力等も考慮されて夫婦生活等も調整がされたりする訳ですが。絶倫には不要です。何れだけでも頑張れますから。

 後は時間的な問題だけ。それさえどうにかなれば複数でも全く問題無し。

 …………超危険な問題案件っ!。

 バレたら絶対に彼方等此方等から包囲されるのが容易く想像出来ます!。


 幸いにして、フォルテ達は気付いてはいません。当然と言えば当然ですが、まだ情報量が少ないので他者と比較したりする対象が有りませんからね。

 でも、何れは女性同士の会話に話題として上がる可能性は否めません。だから、頃合いを見計らって上手く誤魔化す事にします。大丈夫。それっぽく、演技すれば何とかなる筈です。だってフォルテ達が俺以外と関係を持つ事は有りませんから。比較時の対象は奥様情報だけですから。


 つまり、もっと俺に妻を娶らせたい者達が彼是と画策しない様に情報を秘匿しなければいけない。

 フォルテ達には何れ話して理解して貰うにしても何気無い会話から気付かれる可能性は否めません。だからと言って、フォルテ達に交流禁止は不可能。貴族としては必要な事なので。

 ……此処に来て改めて貴族なのが面倒臭いっ!。でも、貴族だからフォルテ達と結婚出来ている事も事実だから利が有った事も確かで。害になる部分を切り離す事は我が儘でしかない事も判ります。

 だから、本当に面倒なんですよねぇ……。


 もしバレたらフォルテ達と逃亡しましょう。


 ──という俺の密かな決断は置いておいて。

 俺の仮説は間違いでは有りませんでした。

 確かに、自分の中に新しい力を感じられます。


 そして、それはフォルテも同じな訳で。思わず、涙ぐんでしまうとアン達も貰い泣きする事に。

 妻達の仲が良い事は、俺としても嬉しい事です。ただ、ベッドで結託されると脅威になります。

 …………ハッ!?、つい思考が其方に……。これが新婚夫婦のイチャラブトラップなのかっ!。


 ──なんて思考は空の彼方に飛んでけっ!。


 原作(ゲーム)でフォルテが覚醒後に使用可能となっていた六つの魔法がステータスに表示されています。

 細かく考えると面倒なので魔法という事に。


 内訳は攻撃が三つ、防御・回復・補助が一つずつとなっています。

 原作(ゲーム)では、攻撃は単体が二つ、全体が一つという仕様でしたが、現実では無関係です。


 この攻撃の内の一つが地味に便利で、与ダメージ量は少ないのですが、魔法を受けた相手の能力値を下げる効果を持っています。

 そして、それはボス系にも有効で。ラスボスにもきっちり効果を発揮してくれます。

 ある意味、ラスボス戦の生命線でしたから。


 まあ、それは兎も角として。

 普段、鍛練をしている屋敷の庭で遣っていたら、色々とバレるので気軽には試せません。

 なので、狩りに来ている山に。此処でだったら、滅多な事では人目に付きません。

 フロイドさんは勿論、レベッカ達も自分の仕事が有る時には同行はしませんから。ええ、その程度の調整は朝飯前です。



「それじゃあ、フォルテ

先ずは【フォース・アーク】を使ってみようか

最初に俺が遣って見せるから」


「はい、判りました」



 少し離れ、フォルテ達と向き合う位置に立つ。


 【フォース・アーク】は原作(ゲーム)では全体防御。

 あらゆる属性魔法も物理攻撃も1ターンの間だけ完全に防御する事が出来た。

 一度だけ、ではない所が便利では有るのだけど。それが無いと即座に詰むのがラスボスの強さです。ええ、これも命綱なんです。


 そんな【フォース・アーク】を実演する。

 普段とは違って、魔法の発現に至るまでの手順を確認し易い様に丁寧に起動します。

 魔法は自動(オート)でも出来ますが、フォルテに限らず、俺は自己制御を身に付けて貰う方針なので。

 こうして、ゆっくりと手順を見せる訳です。

 一般的な使い方では理解が出来ませんからね。


 ──で、発現する【フォース・アーク】。

 俺を包む様にして、細かいラメが散らされているみたいな虹輝が目を引く半透明なドーム状の光壁が展開される。

 それを見て静かにフォルテ達が声を漏らす。

 ……自分で言うのも何だけど、確かに凄い。

 普通の防御魔法の障壁とは格が違うのが一目見て判るのだから。



「それじゃあ、適当に攻撃してみてくれ」



 そう言うとフォルテ達は思い思いに攻撃をする。攻撃に容赦が無い気がするのは普段からの鍛練も。手加減した鍛練は大して意味が有りませんからね。確認の為でもない限りは遣りません。

 だから、構わないんですけど……うん、凄いな。魔法も物理も関係無しに防いでます。

 しかし、原作(ゲーム)では1ターンという仕様でしたが、現実では……ああ、時間制限式ですか。

 光壁が薄れ始めたのでフォルテ達も攻撃を中止。解除ではなく、効果切れだと判ったみたいです。



「反則的な魔法ですね」


「そうは言っても範囲型だから使い方は限られるし効果も時間制限付きだから長くは持たない

まあ、それでも効果自体は破格では有るけどな」



 呆れ顔のエクレと話しながら軽く整理する。

 効果時間は約3分。俺達にとっては十分な時間と言えなくはないのだが、実際にはバトルスタイルが超高速戦闘の為、範囲防御のままだと使い難い。

 だからこそ、自動(オート)ではなく自己制御にする。

 そうする事で、範囲防御から単体付与にする事が可能になれば利便性が格段に上がる。

 仮に、効果時間が1分になったとしても、個々に付与出来る方が使い勝手が良いですからね。

 いざとなれば、俺かフォルテの側に繰れば普通に範囲防御として使用すれば良いだけなので。



「アルト様、裏返し(・・・)ても通りますか?」


「ああ、それは大丈夫みたいだ

だから、状況によっては完封(・・)も出来るな」



 ティアが訊いてきたのは俺の開発した技法の事で普通の魔法障壁でも遣っている防御面の逆転(・・・・・・)

 これは対象を閉じ込め、相手の攻撃は通さないで内側に(・・・)留め、自滅を誘う事が目的。

 拘束・隔離に加え、時短(・・)の意図も含みます。

 尚、外側(・・)からの攻撃は通りますから一方的な蹂躙という事も可能だったりします。

 自己制御が出来無いと無理なので、今の所は俺達以外には遣れる人は居ないと思います。

 そして、開発はしたけど実用性は低かったりする残念な技法だったりします。

 だって、普通に戦って倒した方が早いので。

 ええ、元も子も無い話です。



「フォルテ、取り敢えず、一度使ってみよう」


「はい、アルト様」



 しっかりと返事をすると、ゆっくりと深呼吸し、瞑目するフォルテ。意識を切り替え、集中する。

 俺達と違い、まだフォルテは魔法を使う事自体が未経験の為、先ずは自動(オート)で起動させる。

 同じ魔法の発現する様子を見ていたとは言っても一度で完璧に理解出来る訳では有りませんから。

 それでも、魔法にはイメージが大切なので。


 フォルテの内側から溢れ出す魔力とは違う気配。本質から違う為、普通では感知する事さえ不可能。アン達にも判らない事です。

 同じ力を持つ俺だけは別ですが。

 それでも、その力は体外に溢れ出れば顕現する。顕現した力の奔流は視認する事が可能となる。



(……客観的に見ると、こういう感じなのか……)



 魔法──魔力を用いた場合、視覚的に見えるのは飽く迄も起動させる魔法を反映する余波。その為、解る者が見れば即座に系統は判別可能。

 しかし、神力による魔法は根幹からして異なる。系統という区別が不可能でもある。

 その代わりに、と言うのも可笑しいのだけれど。神力の顕現その物が一つの事象として起こる。


 それは宛ら、聖女や巫女、或いは天使や女神かと錯覚してしまいそうな程に神秘的であり。思わず、フォルテの姿に見惚れてしまう。

 ──とは言え、思考は平常運転。心が魅了されて虜になっていても大丈夫です。ちゃんと展開された魔法のチェックも出来ています。



「フォルテ、そのまま維持して」


「はい」



 今度は俺が攻撃して性能を確認する番です。

 俺が使う場合との違いの有無が生じるのか否かを確かめておかないといけないので。


 魔力を用いる魔法の場合、違いは生じます。

 魔法の効果自体は変わりませんが、威力は勿論、射程や範囲、効果時間等に差が有ります。

 これは個人差は勿論、レベルや所有スキルの違いといった要因も含まれる為、当然だと言えます。

 一方で、神力を用いる魔法は俺とフォルテだけの専用に近いもの。俺は予想外(イレギュラー)ですしね。

 個人差とレベルは別にしても、神力の強弱に影響しそうなスキルは有りません。


 唯一、俺が獲得した【聖者】が関係有りそうではあるんですけど……詳細が不明なので判りません。ええ、任意で使用出来無いスキルって詳しい効果が判らない物って多いんですよ。

 【鑑定】や【アナライズ】は、所有するスキルを知る事は出来ても、スキル自体には無効なので。

 だから、称号系は特に効果が不明です。なので、特に気にしない事にしています。マイナス効果って事だけは無いとは思いますから。


 ──という事を考えながら、確認は終了。

 飽く迄も俺の主観による比較ですが。特に違いが有る様には思えません。効果時間も同じ位です。

 まあ、防御魔法ですからね。攻撃魔法となったら違いが出る可能性は有りますから。その時に改めて比較してみれば判るでしょう。


 取り敢えず、今日はフォルテに繰り返し使用して力を消費しつつ魔法自体に慣れて貰いましょう。

 俺の方は消費量の把握から始めましょうか。



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