02〜出逢いそれは必然〜
助かったのか?篤人はなんとなく目の前の狼が敵ではないと悟ったが、どこから来たのか、何故自分に害を加えないのか全くわからなかった。
しばらく呆然としているとその白い狼は1度だけ振り向いて、走り去っていった。
少しの間ぼーっとしていたが、今自分の置かれている状況を思い出し、早く逃げねばと辺りを見回した。
どうやら自分は戦場にいるようだ。そして、運の悪いことにそのど真ん中にいるみたいだ。何故こんなことに?と考えあのミカエルという天使の仕業だと思い至った。「普通転生先は安全な場所が普通でしょう。まったくあの天使は何を考えているのでしょう?」
そんなブツブツ言っているとまた敵が襲ってきた。
慌てて逃げようとするも辺りに逃げ込む場所も駆け込む場所もなくどうしようかと思ったが、当たりを確認した際に隣で死んだ兵士の懐に剣が刺さっているのがみつかりそれを手に取った。2本。
もちろん篤人は剣術などした事がないし、武術の心得などあるはずもない。だが、2本剣を取ったのだ。
何故かって?二刀流って格好良さそうだから笑
だがしかし、所詮付け焼き刃。相手が振りかざした剣を受け止めるのが精一杯。本物の殺気の前になすすべもなくやられようとしていた。
このままでは殺られると思ったその時、後ろから声が聞こえた。
「何やってる!しゃがめ!!」
その声に何とか反応した篤人は剣をかわし、思いっきり地に伏せた!
その直後、篤人の上を火の玉が通過し先程剣を振りかざしていた敵が炎に包まれ焼け死んだ。
振り返るとそこには、先程の敵とは違う格好をした兵士が立っていた。
「危ないだろ!戦場でぼーっとするな!だいたい、その服装は兵士出ないな!何故ここにいる?!」
矢継ぎ早の質問に篤人はどう答えて良いか悩んだが、助けてもらったし、ある程度なら話しても大丈夫だろうと思い、重要な部分をぼかしつつ説明をした。