SFC コンバットライブス

SFCのレトロゲームをやってみた感想文です。

先日、MDのベア・ナックルがベルスクアクションで一番面白いと言わせて戴いたので、今回は逆に、私的に『一番面白くないと感じた』ベルスクアクションについて少し触れてみたいと思います。

私的に一番面白くないと感じたベルスクアクションゲームはSFCのコンバットライブスです。

このゲームはSFCの中では割と初期に発売されたゲームで、テクノスジャパンから出ています。テクノスジャパンと言えば『くにおくん』シリーズや『ダブルドラゴン』シリーズを出してきたメーカーであり、このコンバットライブスが発売された頃には格闘系のベルスクアクションゲーム作りに関しては成熟した技術と経験を持っていたはずなんです。なのに、このゲームはホントにクソゲーです。

何がダメかって、そもそもSFCのハードの性能の使い方を完全に間違っているというか、開発の時点で分かっていなかったのではないかと思えます。問題点を一つひとつ挙げていったらきりがないので、特に問題なところだけ幾つか挙げてみますが、まず一つめにキャラクターのデザインが完全にFCの延長線上でしかないという点。

主人公も敵キャラも画面の比率からすると中途半端にデカい『薄らデカい』感じなのですが、その人物デザインがGBのくにおくんみたいなズングリムックリなバランスで、しかもSFCなりに細部までグラフィックが細かく描かれている。うーん、なんというか、レイセフォーとベルナルドとバタービーンが殴り合っているような構図というか、全然スマートじゃないんです。連射も出ないので重量級の小さいオジサンたちがもっさりと殴り合っているだけでスピード感が全く無いです。さらに良くないのが、なぜ天下のテクノスジャパンがこんな仕様にしてしまったのか、現在表示の一画面から画面の横のスクロール幅が無いんです。普通はどんなベルスクアクションでも少しは横長になっていて、それ以上進めなくなるところまで行って今いる敵を全滅させるとGOサインみたいなのが出て先に進めるようになるって言うのが基本だと思うのですが、このゲームの場合、画面の端と端までが行ける範囲で現在表示画面上にいるの全滅させると次の一画面に行けるというような、横にだけ進むGB聖剣伝説みたいな一画面づつのスクロールとなっています。一画面内だけで動くのにキャラが全員薄らデカいため、常に8畳一間くらいの広さの中でズングリムックリなオッサンたち3、4人が殴り合っている構図が続きます。人物の動きが付けられなかったのか技も投げと肘打ちくらいしかないので、何処まで行ってもひたすら殴り合うだけというのが基本です。ボスキャラもグラフィックと体力が違うだけで基本的にはみんな殴って来るだけの同じ動きしかしないため、攻略法も何も無いです。イージーモードでプレイするというのが一番の攻略法です。何モードでもエンディングは同じなので。

このゲーム、スクロールした先の背景と敵キャラのグラフィックが違うので『ゲームが進んでるんだな』って錯覚してしまいますが、背景もキャラグラフィックももし全部同じだったとしたら全く同じパターンの単純なシステム（ステージ）をただ何十回も繰り返しているだけですよ。これは流石にヒドいというか、SFCのハードの性能をどんな風に使ったら良いか分からないまま、『とにかくなんでも良いから早くソフトを作って発売しなきゃ他のメーカーから遅れをとってしまう』的な当時のテクノスジャパンのお偉いさんの圧力が目に浮かぶようなゲームです。FCやGB時代のテクノスジャパンのベルスクアクションとはクオリティも雰囲気も全く違いますので、くにおくんやダブルドラゴンに思い入れがある人はやらない方が良いと思います。

良作があれば対極に駄作もあるという事です。