エピローグ#0 旅
2050年 11月30日、、その日人類に危機が迫っていた
ビルの窓ガラスは割れ、標識は倒れうめき声を上げている。
「わぁぁぁぁうわぁぁぁ」
子供の泣き声だ、割れたガラスが刺さったのだろう
俺はその様子をただ、、見ることしかできなかった。
絶望していたのだ、この崩壊した世界でただ、、1人悲しく、、呆然としていることしか出来なかったのだ。
何でこうなったのかは僕には分からない、ただ分かることは人の大多数は生きているということだけだった
「僕には、、こんな世界で生きるなんてできるはずがない、こんな所に居たっていずれは食料が尽きてしまう、ははは何でこんなことになってしまったんだ」
疑問は浮かばなかった、、いや、、どうでもよかったのだ事件の真相など、、僕の脳に浮かんだ言葉は
『自殺』
その一言だけだった
「そうだ、、そうだよ!自殺すればいいじゃないか、そうすれば、、苦しまなくてすむ」
くだらない?言っておけ!僕には
こうすることしか、、出来なかったのだ。
家に着いた。多少家にが傾いているように見えたが、今の僕には関係がない、自殺するのだから
中は案外キレイに見えた。いや、外が汚いだけか、、
台所へ行き、包丁を手に持った。
家族は家にいなかった、外の様子を見に行ったのだろか。と、そんなことを考えていた。
死ぬ直前だと言うのに、変な話だ。
包丁を喉に当てた、冷たい。冷や汗が出てくる、手が小刻みに震える。
刺すことは、、、できなかった。
「何でだろう、覚悟はできていたはずだろ?」
膝から崩れ落ちる。
「くうっ くっくっ ううっ うっうっ」
結局、僕にはそんなことをする覚悟はなかっだのだ
月日が流れ3ヶ月------------
自殺、餓死、殺人、、、理由は様々だが死んでいく人が多かった、、、生きている人々も心は死んでいた。
それでも何とか備蓄していた食料、水を分け合い
生きているか死んでいるかも分からない状態を維持していた。
そうやって生きていくうちに、僕は「死」なんかよりも「生」を優先するようになっていた
生きていくための術は生きているうちにほとんど学んだ、、1人でも生きていけるように、、、
僕は諦めなかった
生きることを諦めていた人々は死んでいった。
そこからは死の無限ループだった。大切な人が死に、絶望し、絶望していた人がまた死ぬ。
見るに堪えない。怖い、ただ怖い。でも死にたくはない!『死にたくない!死にたくない!』
自分に言い聞かせるように、叫ぶ、必死になった。
必死になって学ばなければならない、生きていく術を、進むべき路に進むことができるように。
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人は死んだ。
寂しい
僕は独り
孤独だ、、
でも
生きなければならない
そのために学んだ
生きるために学んだ
大丈夫、、準備は整った
さぁ、行こう
『俺』は、、進むことが出来る
これは1人の少年が旅にでる、、ただそれだけの物語