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リアネーとパーティを組んだ!

 リアネーが俺に近づくと、「ちぇっ、また勇者かよ」「無能勇者の何がいいんだか」と、人々は興味無さそうに去って行ってしまった。


「あれ、あれ? みんなどうしたの?」


 事情を知らないリアネーは困惑している。俺は嘲笑を気にせず。リアネーに話しかけた。


「俺は阪神玲。冒険者ってことは、依頼を受けに来たのか?」

 

「う、うん! そうだよ! わるーいモンスターが森に棲みついちゃったらしいから、退治してくるの。危ないから、君は家でお母さんの言う事をちゃんと聞いて、いい子で待ってるんだよ?」


「いや、俺も依頼を受けるんだ。そのためにここに来たんだよ」


「え!? 君も依頼を受けるの!? まだ小さいのに、危ないよ!? それに、女の子なのに……」


「俺は子供じゃない。それに俺は一回この依頼を受けてるし、敵の事はあんたよりもよく知ってると思う。あと、俺は男だ。喋り方で男ってわかるだろ?」


「そうなんだ。自分の事を俺って言う女の子、何人か知ってるから間違えちゃった。ごめん! でも、一人で依頼を受けるのは危ないよ?……そうだ、それなら、お姉さんが君を守ってあげよっか!」


 リアネーは俺の肩に手を置いてくる。間近で見るリアネーは女性にしてはかなり身長が高い。こんな事を言っては何だが、実際かなり歳の離れた姉と弟のように見えるだろう。


「あんまり子供扱いはしないでほしいんだけどなー……」


 俺はいまいち腑に落ちない思いを抱えつつも、これからの決戦に仲間はいた方がいいような気がしていた。


「仕方ない。一緒に、行くか」


「うんうんっ、行こっ! 私達、パーティだね!」


 変わらぬ笑顔で送り出してくれた受付嬢から依頼書を貰い、俺達二人は再び街を出発した。




「そういえば、その荷物は何?」


 リアネーは俺の背負った木箱を指さす。これは出発前にタイムをかけて、俺が用意させてもらった物だ。


「これは狼を倒すための秘密兵器だ。まあ、何とかしてやるから見ていてくれ」


「ふーん、それはちょっと頼もしいかも。お姉さん、期待しちゃうなー。だけど本当に危なくなったら、私の弓で助けてあげるね!」


 リアネーはエルフらしく、弓を使うらしい。何でも自分が住んでいた所の近所では一番の腕前だったとか。いつかお目にかかりたいものだ、と俺は思っていた。


 俺達二人は岩の転がる平原を進んでいく。

 リアネーの動きはゆっくりしていた。俺に歩幅を合わせてくれているのだ。 時々、「疲れてない?」とか、「喉は乾かない?」とか聞いてきたりする。

 俺は過保護すぎるような、と思う反面、馬鹿にされ続けていた反動か、心配してもらえることに居心地の良さを感じていた。だから俺は必ず「ありがとう」と返していた。

 

「待ちな」


 ガラガラヘビのように低い声が、俺達を呼び止めた。


「だ、誰だ!?」


 間髪入れずに岩陰から次々に人影が躍り出た。現われたのは五人の男たちだった。身長や体格は様々だが、総じて短剣を帯び、粗野な服装をしていた。


「あなたたち、盗賊ギルドね」


 怖い顔をしたリアネーが、俺を守るように進み出た。


「どうだかな?」


「とぼけないで。腕の入れ墨は何? 誰に雇われたの?」


 見てみると全員の腕に蛇がナイフに巻き付いたようなマークの入れ墨が掘られている。数で勝る男たちは俺達の前で、勝ち誇ったように舌なめずりをし始めた。


「すんげー、上玉が二人も……しかも一人はエルフかよ」


「邪魔をしろってだけでこいつらをどうするかまでは言われてねえよな? 一人は売り飛ばしてもう一人は……ぐへへ」


「俺は男だっつーの!」


 それはそうと、連中は5人組の大の男たちだ。しかも各々が武装している。まずいのでは、と俺はひやりとする。


「リアネー、とにかくここは逃げよう」


「駄目だよ、依頼はちゃんと果たさなくっちゃ! それにこの程度の連中、なんてことないよ」


「……何だと?」


 盗賊の一人が額に青筋を立てながら詰め寄る。それがまた、連中の中でもひときわ大きい男だったので、俺の背中に脂汗がにじんだ。


「俺達がなんてことない、だとおおおおおおおおおおお!!!」


「ここに居て。私が守ってあげるからね」


「生意気なエルフ女だっ! 死なねえ程度に切り刻んでやるよおっ! それから全員共用のオモチャにしてやる!」


 突き出されたナイフを、リアネーは蝶のようにひらりとかわした。盗賊の顔が驚きで染まる。


「それじゃ、お返し!」


 そこからは、俺の目ではしっかりとは捉えられなかった。

 リアネーは超高速の格闘で盗賊たちをなぎ倒したのだ!


「へ?」


「なにっ!?」


 襲ってくる盗賊を投げ、足払いで転ばせ、突き飛ばして他の盗賊にぶつけ動きを止める。隙を見せたら、顔や腹を踏みつけて止めをさす。

 まるで、カンフー映画を2倍速にしたかのような動きだった。盗賊たちの三人は瞬く間に地面に倒れ伏す。泡を吹き、完全に気絶してしまったようだ。


「何だこの女!? つ、つよすぎる……」


「ち、ちくしょう! 覚えてやがれ!」


 倒れた仲間を引きずり、男たちはそそくさと逃げて行った。



なんと、初めてブックマークがつきました!

もっと多くの人に玲と仲間達の冒険を楽しんでもらえるよう、まだまだ精進していきたいと思います。よろしくおねがいします。

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