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生きるということ

作者: Iris

『何故、人は自分を殺しては ならないのだろう。』

『何故、人は人を殺しては ならないのだろう。』


それが、私が中学生の時に抱いた疑問だった。




ある日学校で書かされた作文に、それを書いたことがある。



―――

何故、人は自分を殺しては ならないのだろう。

何故、人は人を殺しては ならないのだろう。

人は他の動物を殺し、食べ、それによって生きている。それに対して、罪悪感などを伴うことは、もはやないだろうに。


もし「食べるために殺すのではないから」と言うのならば、食べるためになら、殺してもよいのだろうか。

いや、もし食べるために殺人を犯す人がいたとしたら、人々はその人を恐れ蔑むことだろう。

―――



私はこの後の文を



―――

では何故いけないのか。

それは亡くなった人の

知り合いが、友達が、家族が悲しむからである。

―――



そう、まとめた。

とある小説に書いてあった文である。

しかしそれは、私の実際の考えとは異なっていた。


では「知り合いが、友達が、家族が悲しむから」と言うのならば、他の生物も同じように感じるかもしれないとは考えないのだろうか?

人以外の生き物には心が無いとでも思っているのだろうか?

家族を奪われた生き物は悲痛な叫び声を上げているかもしれない。

それさえも「自分には言葉が理解出来ないから」という、人の勝手な言い分で無いと断言するのだろうか?



きっと、動物にだって気持ちは、心はあるだろう。


ご飯を食べて『美味しい』

友達と遊んで『楽しい』

家族が死んで『悲しい』


そんな風に感じる心が、きっとあるのだろう。

人と、同じような心が。


あまり難しく考えることは出来ないのかもしれない。

でもきっと、人と同じような心があるのだと、そう思う。




今まで、いろんなモノに支えられ、いろんなモノを犠牲にしてきた。

カタチの有無に関わらず、沢山のモノを。

そしてこれからも、多くのモノに支えられ、多くのモノを犠牲にして生きていくだろう。



今更、今までの生活を変えるなんてことは無理だ。

人とは…生命とは、何かに支えられ、何かを犠牲にしなくては生きられないからである。



けれど、自分は彼らのおかげで生きているということを覚えておいて欲しい。

そんな事ばかり考えて暮らすなんてことは無理だろう。

そんな事ばかり考えながら過ごす人生は、つまらなそうだとも思う。


でももし、世の中が嫌になって「人を殺そう」なんて思ったときに、思い出して欲しいのだ。

辛くて…辛すぎて「死を選ぼう」なんて思ったときに、思い出して欲しいのだ。


彼らのことを。



彼らは動物であり、植物であり、地球だ。

彼らの犠牲で今まで生きてきたことを知り、そんなときに思い出して欲しいと思う。


そして考えて欲しい。



『何故みんな、“人”の命を粗末に扱ってはいけないと言うのか』


正解は分からないけれど、私が思うのは。

それは「法律で決められてるから」なんて、くだらない理由じゃなく。


人は、誰かの支えで、誰かの犠牲で生きているからだと。

どんな生物よりも彼らを犠牲にして生きているからだと。

だから、人の命は粗末に扱ってはいけないのだと、そう思う。


そしてそれを受け止め、精一杯生きて欲しいと思う。


友達のために。

家族のために。

彼らのために。

いつか出会う、誰かのために。


そして一番に、自分のために。

自分のために、精一杯生きて欲しい。


友と家族の支えと共に。

彼らの命と、思いと共に。


『生きている』という、奇跡を知って。

『生きる』という、勇気を持って。

『出逢う』という、喜びを知るために。


沢山のモノに支えられ、沢山のモノを犠牲にして。

それでも何かを守れるように、つくれるように努力しながら。


そうやって一歩づつ、歩いて行って欲しい。

人生と言う名の道を。

それが人としての、生きるということだと思うから。


拙い文章ではありますが、何か感じて頂けたら幸いです。

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。



生きるということ-完-

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