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終わりで始まり

謎は少々お待ちください






「お邪魔しましました〜」


「お大事にー」


 病院を出た僕はさっさと家に帰ることにした。

姉さんが連絡を絶っていたというのがどうにもなあ・・・

 最悪何も食べてない可能性があるし、藤峰の奴から借りたジャージも

洗わないといけないしね。


 さてと 帰りますか。






「ただいま〜 姉さん生きてる〜?」


「・・・・・・」


 反応がないな

まさか倒れた?僕じゃあるまいし。


「ああ、編集社に行ってたのか」


 机の上に書き置きがあり、原稿が仕上がったから編集社に行ってくる旨を書いた

紙が置かれていた。


(さてと、どうしたものか)


 予定では昼から姉さんのご飯を作ってから出掛けよう思ってたけどこさんのの調子だと

先に洗濯することになりそうだな。


(そういえば藤峰のやつ事件解決したかな?)


 すっかり忘れてた・・・

そろそろ解決かな?今までの調子だと犯人捕まえてそうな頃だし。


 よし、一丁行ってみるか








「藤峰〜 終わった〜?」


 とりあえず事件現場に戻ってきた。

あいつは基本的に事件を解決する時に現場に戻るからなぁ。


「ああ、今 終わったよ」


 そこにいたのは事件関係者と思わしき人々と

中央で打ちひしがれる犯人だった・・・今回も派手にやったな。


「ああ これ差し入れ、約束だから弁当作ってやったぞ」


 シリアスな雰囲気とか知ったことか。

僕はやりたい事をやるだけだし、多少は労っとかないとだし。


「おっ、サンキュな」


 そして のってくるなよ仮にもシリアス現場だろ

多少はTPOを弁えて場を変えるなりなんなりしろっつーの!


「クソ野郎がっ死ねー!」


 犯人と思わしき人物がナイフ片手に突進してきた。

ほれ、言わんこっちゃない


「うるせえ、飯の邪魔だ失せろ!」


 そして、あっさり投げ飛ばされる。

悪いなコイツこれでも柔道と空手ができる武闘派なんだよ。

にしても哀れな犯人さんだな、しかし悪いことをしてるし おあいこかな?


「うっし、そんじゃ帰るか」


「馬鹿かお前は宮本さんは呼んどいたのか?」


 こういう場には警察呼んどかないといけないだろ。

いつもは僕が呼んでるから、コイツは絶対忘れてると思ったので

念のため聞いておく。


「あ・・・スマン」


 決定、コイツの飯はナシ!


「飯抜きな」


 さっとコイツの手の内から弁当を回収する。

お灸を据えねば学習しないからな。


「んな 殺生な〜」


 知った事か、やる事やらない馬鹿が悪い。


「じゃあ、お前が連絡しろ、そしたら飯食わしてやる」


 さてと、事件も解決したし可愛い後輩ちゃんに連絡しとくか

無実を証明してあげただけの仲とはいえ、ちょっとした報告くらいは

した方がよさそうだし、何かと心配もかけただろうしね。


 そこで僕は電話をしようとしたところで先ほど藤峰に吹き飛ばされた犯人が

もう一度立ち上がったいるのを視界に捉えた。

 タイミングが悪く藤峰は電話中、しかも犯人は手に()()を持っていた。

なぜ、こんな街中で拳銃が・・・・・・?


 いや、今はそんな事はどうでもいい、もたもたしていたら間に合わない!

犯人の周りには事件関係者がまだ居る。巻き込む訳には・・・


 あぁ、そうか僕が代わりになればいいのか・・・・・


 犯人の狙いは藤峰だ。ここであの馬鹿が動けなくなれば状況を打開できなくなる。

なら、僕が身代わりになれば・・・いいんだ。


 そんなに考える事ではなかった。

いや考え終わるころには既に体が動いていた。


 ターンと響いた 銃声・・・


「夕輝!?」


 藤峰が振り返って驚愕の声を上げる。

電話越しに宮本さんが叫んでいる様な気がしたが、

今の僕にはなにも聞こえていなかった。


「キサマァァァァ!」


 おうおうおう、気合い入ってるな・・・

でも殴り過ぎるなよ、殺したら元も子もないからな。

やべえ、痛いけど血が足りないのか動けない。


 ここで死ぬのかな?


何かこう、申し訳なくなってきたな・・・・・・

僕がいなくなっても 姉さんはご飯ちゃんと食べていけるかな?

藤峰父は僕がいなくても経理処理できるかな?

幸太郎は・・・僕がいなくても事件を解決・・・できるか。

基本的にその他諸々ができないだけだし。


「おい夕輝!救急車が直ぐに来るからしっかりしろ!」


 仕事早いな、もう殴り飛ばしてきたのか。

流石は筋肉魔人だな、全くこの脳筋野郎。


「スマン、昼飯・・食わしてやれ・・そうにない」


 悪いな・・・

もうダメっぽい、意識が飛びそう。


「もういい、喋んな 飯なんて今はいいだろ!」


 それもそうだな、ははっ 全く、どうかしちゃったかな。


 眠いな・・・・・・


「おい夕輝 夕輝ーーー」


 さようならだな、()()()・・・・・・




















「そろそろ起きてもいいんじゃない、我が家の眠り姫」


 眩しい、僕は差し込んでくる光に妙な感覚を覚える。

部屋の構造上、僕の部屋にこんな光量があるハズがない。

 目を開けようとして、その眩しさに目を細めてしまう。


「ユウキ・・・?ユウキ!起きたの私が分かる!?」


 そりゃあ姉さんでしょ?一体何があったの?

ああ また、倒れてしまったのか・・・心配かけっぱなしだな。


「姉さん・・・?」


 何だろう、声が高くないかな?

またもや違和感、今度は確実におかしいと思った。


「よかった、よかった 本当によかった・・・」


 姉さん・・・苦しい、目が覚めたばかりだから手加減し・・・きゅう


「くるっちい」


「ああ、ごめんね・・・にしても髪伸びたね」


 髪?そんなに眠ってたの?

髪が伸びるという事は最低でも二、三ヶ月は寝てたのか・・・

軽い昏睡状態か、よく目が覚めたな。


 髪・・・伸びすぎじゃない?


「髪、長くない?」


 僕は襟足伸ばしてなかったし、ロン毛でもなかったし・・・


「そりゃあ、そうでしょ女の子になったんだから」


 そっと目を下に向ける。

病院の寝巻きの上に見える胸の膨らみ、関節が軋む感覚に

痛みを覚えながらも手をそっと下に移動させ・・・


「・・・ナイ」


「うん、ないね」


 はぁ、マジか


「ふっ、ふふふふ」


「ははっ、はははは」


 笑っちゃうな。

全く、何やってんだか・・・


 はぁ、あんのヤブ医者ァァァァァ!


叫びたかったけど、声も変わってるので叫べなかった。

なんか、ショック・・・




 しっかし、何で寝てたんだ?






神代 夕輝どうやら彼は記憶を一部失ったようだ。

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