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ヤオヨロズ企画

ぷらっと木霊 ~残り9分間のバトル!~

作者: 出張の多い人

名古屋駅からヤオヨロズ企画。

今月のお題、「締め」


 タイムリミットまでもう、あと9分。食券機の前で悩んでいる場合じゃない! いいから構わず早く押すんだ!


 やっとの事で決定したけれど、残り時間は8分。いくら回転が速いとはいえ、店内は混んでいるからね! 残り7分だ。


 食券を渡すと、うどん特! って声が掛かる。ズバッっときし麺が寸胴にかかった湯切りの中に投入される。ゆでること10秒ほど、ボクの中に麺がバサリバサリと二度投入され、スゥスゥっと汁が掛けられて、鰹節とネギがモリっとかけられる。


 その間30秒ほどだが、出来上がったボクを嬉し気に見つめている場合じゃぁない! 実にいい風合いだなどど、あんたは立ち喰い師かなにかか? それに、食べ切れるんだろうな? 僕は特盛だぞ! 残り6分!


 ずるりずるりと啜り込む眼鏡の男。ふぅむとかいいながら、味わいを楽しんでいる。そんなこったで、残り4分ほどでやっとこ半分さ。


 そこで、一味唐辛子を投入するするのか。真っ赤な粉がふりかかる。さすがに特盛な僕を素のまま啜るのはキビシイから、それは良い判断だ。唐辛子の刺激で、箸が加速する。残り3分! ホームに入ってくる木霊の音が聞こえるぞ……


 麺をほとんど平らげて、残ったコマ切れのところをすくい上げる。残り1分半! キィィィィと木霊が停車したのを横目に、あんた一体なにを見つめている! と思っていると、ズズズッズと残った汁を飲み込み始める。


 最後まで食べつくすのは良い根性だが、もう残り1分なんだぞ! 木霊は木霊でもプラット木霊は遅れたら乗り換えできないんだぞ! などとボクは騒ぐんだが――


 あんたは残り時間を計算しつくしているらしい。汁をプハァと飲み干してから、コップの水を飲み、注ぎ、また飲む。発射のベルが鳴るのを聞きながらごちそうさま! と、一声かけてから暖簾をくぐって、最寄りの乗車口へ。


 席に座り、座席の具合を確かめて、カタリと缶がおかれる。胃の腑に落ちたボクのカラダに液体が注がれた。もとからふやけたボクは気にもしないけれど。


 しばらくするといびきが伝わってくる。慌ただしいバトルだったね。カラダがトロリと溶けてボクは眠りにつくんだ。


おやすみなさい……



締めのきしめん(謎

明後日は沖縄、ソーキソバ

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― 新着の感想 ―
[良い点] とてもスピード感のある小説でした。駅構内の立ち食い屋といえば、素早く料理が出されて手早く食事を済ませる、といった印象があります。それが小説の中で見事に再現されていて、私自身も気が急いてしま…
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