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散歩道
お互い散歩が好きだった。
少しでも時間さえあれば色々なところに散歩しに行った。
できるだけ新鮮感を味わえるように新しい道を探したりして。
でも、探せば探すほどストックが少なくなっていって。
反比例するように散歩に行かなくなっていった。
散歩に行く事じゃなくて、一緒にいることが大事だったんだってやっと気付いた時、俺は久しぶりに散歩に誘ってみた。
どこにでもあるような、普通の土手。一度歩いたことがある道だったけど、世界は違って見えた。
だからこそ、俺はお別れの時間についつい口走ってしまった。
「良かったらまた、散歩しませんか。ずっと俺の隣で」
縹川から吹く風は強かった。何を言ったのか聴きとってくれなかったのかもしれない。一秒経つごとに余計な考えがひと回り大きくなる。
しばらく経った。
鶫橋まで着いた時、彼女は俺の目の前で、ゆっくり頷いてくれた。
「うん」
また景色が変わった。土手が、いつまでも続いている。




