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PARKING

 鶫橋の向こう側に縹川高校がある。

 この橋を渡らず、上流側に歩いていくと、そこには縹川沿いの小さな公園がある。縹川第二公園である。大きなタコの滑り台がどーんと構えていて、その周りに鉄棒があるくらいの小さな公園。しかしこの公園にはそのタコの滑り台を城に持つ王様がいる。その王様は、いつも早朝にボックスカーで来て、一日中公園でブラブラしているのである。子どもたちからは公園(PARK)の王様(KING)ということから、パーキング(PARKING)とよばれて親しまれている。

 パーキングはいつも何かしらのお菓子を持ち歩いていて、近所の子供達からは”お腹が空いたらとりあえず第二公園に行けば解決する”と思われている。

 今日はハロウィン。

 子どもたちは色とりどりのビニール袋で作った衣装を着て、親御さんたちに連れられて公園に遊びに来ている。ママさん同士で子供を操るようにお決まりの挨拶をさせ、お菓子をもらうというシステムを子供に体験させながら、ママさん同士はおしゃべりに花を咲かせている。

「あ、パーキング!」

「ほんとだ! パーキングがいる!」

 小さいお子さんが数人、パーキングの方に向かって突進していく。トリック・オア・トリートと叫びだし、パーキングはそれを微笑ましく見守って、ひとりひとり丁寧に飴玉を渡していった。

 しかしその時。子供の足が急に地面からはなれた。慌てた表情のお母さんに持ち上げられたのだ。

「ほらケンちゃんこっち来なさい! ダメじゃない知らないおじさんからお菓子もらっちゃ! こういうのは危ないから食べちゃダメ! いい!?」

「……はーい」

 しょんぼりするケンちゃん。

 あの子毎日会ってるから、知らないおじちゃんじゃないのに。パーキングはなんて世知辛い世の中になったものだと思った。何か言い返してやりたかったけど、”知らないおじさん”であるパーキングは何も言い返せなかった。母親の方から無理やり返されたその飴玉で、出てきそうな愚痴を塞き止めする。

 そしてパーキングはこう思った。

「あれ? これ塩飴だったっけ?」

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