ランニング その2
女子が夜中にランニングをするのは危険だ。変質者がいるかも知れないから。
だからといって下校中の高校生に見られるのもなんだか恥ずかしい。
だから私は、夜7時から8時の、なんとなくご飯とかテレビでくつろいでるっぽい時間帯を狙って毎日汗を流している。
その時間になると、近所のハナ高は最終下校時刻を過ぎているし、変質者のいる時間帯でもない、ちょうどいいベストタイムになるからだ。ちょうど土手の周りの民家も明かりが灯っていて、暗すぎず明るすぎないちょうどいいランニングコースになる。
高校生の頃はいくら食べても太れなかったのに、今では何をやっても痩せられない。代謝のせいとは言うけれど、結構食べてるのもまた事実。でもさすがにパンツの上にお腹が乗ったのはちょっとショックで、数日前からランニングを習慣づけるようにしている。
夜の土手は空気が澄んでいて、独特の静けさがある。川のせせらぎをBGMに、いざ、走り出す。
と、いつも1曲歌い終わるくらい張り切って走って、なんとなく達成感を感じてウォーキングに変わる。
体力もあの頃と比べると確実に落ちている。
ま、いっか。今日はこの辺にしておこう。
ウォーキングはそのまま家の近くの自販機の前まで続いて、お決まりのミルクセーキを買って、飲みながら腹を撫でる。
いいや、どうせまた明日走るし。明日は今日のぶんまで、1時間位走るし。
ミルクセーキを飲み干して、おっさんみたいにゲップした。




