ゲルマン・コミューンの宣戦布告
・ゲルマン・コミューンの宣戦布告
ゲルマン・コミューンは欧州解放のため、全軍の半数にあたる部隊をフランス方面に侵攻させた。フランス・スペイン連合王国軍は侵攻してきたゲルマン・コミューンの迎撃に当たっており、これにより第二次世界大戦が勃発するのではないかと危惧されている。
▼かかってこい!相手になってやる!
▽ゲルマン・コミューンの圧力に屈する。
フランス・スペイン連合王国…ゲルマン・コミューンとの国境線近くの街…メッス
今、轟音と共にゲルマン・コミューンの戦車がこの町を蹂躙している。
かねてより懸念されていた戦争が勃発したのだ。
ゲルマン・コミューンは夜明けと共にフランス領に侵攻、ケルト海に潜伏していた潜水艦隊による湾港奇襲作戦も実施されている。
陸上ではゲルマン・コミューンが誇る戦車がその猛威を奮っていた。
旧プロセイン帝国からゲルマン・コミューンに政権が交代され、西欧教に改宗したことにより存続を許された戦車メーカー「グレップ社」が開発し、2年前から量産配備が進められていた「パルツウァー36型戦車」である。
パルツウァー36型戦車は四号戦車初期型とほぼ同性能であるが、形状はT-34戦車と3号戦車をリミックスしたような形状をしているのが特徴的だろう。
パルツウァー36型戦車の搭載している28口径75mm戦車砲は、フランス・スペイン連合王国軍の主力戦車である「ヴルーズ161軽戦車」と「マドリードタイプ2型中戦車」の15口径30mm砲の敵ではなかった。
メッス近郊のフランス・スペイン連合王国軍の第2国境戦車防衛大隊は迎撃を行うも、侵攻してきた対戦車砲対策を施していたゲルマン・コミューンのパルツウァー36型戦車に一方的に撃破された。
空の上でも優勢になることは無かった。
奇襲攻撃に参加したゲルマン・コミューン空軍の主力航空隊はベルドフシュトーフ社の最新鋭機「Fb-3」がフランスの空を確保した。
メッサーシュミット社のBf-109を連想されるこの機体はレシプロ機の特性を最大限に生かした高速度による一撃離脱戦法を主軸とする戦闘機だ。
12.7mm機関砲を2門搭載し、フランス・スペイン連合王国軍の主力戦闘機WF-1よりも格段に勝っていた。
迎撃に上がったフランス・スペイン連合王国空軍は、その圧倒的性能差によりFb-3を撃墜することはできず、逆にフランス・スペイン連合王国空軍の迎撃に上がったWF-1戦闘機は全機撃墜されるという散々たる結果に終わった。
制空権を確保したゲルマン・コミューンは空から夜間空挺部隊1個師団をフランス・スペイン連合王国の第二首都「パリ」に降下、パリ中央部にあるフランス方面軍事司令部に降下した2個中隊が司令部を占領する。司令部を占領した空挺部隊は偽の指令を発信し、フランス・スペイン連合王国軍を混乱させることに成功。
ケルト海方面に全軍を向かわせるように指示を出すとメッスから侵攻してきた戦車を中心とする機甲部隊によって6時間でパリは完全に陥落し、パリ中心部にそびえ立つ凱旋門にはゲルマン・コミューンの国旗が掲げられた。
欧州の戦果はアジアにも飛び火する。
その報は横浜から中京に移送されていたエリスの耳にも入るのであった。




