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激走!YOKOHAMATAXI!

大雪のせいで風邪をひいたので初投稿です

横浜市内を爆走する二台の車。

一台は型落ちのT型フォードに酷似したタクシー…。

そのタクシーを追撃している黒色のセダンカー…。

二台のデッドヒートは止まらない。

留まるところを知らない。


既にタクシーは側面に幾つもの傷と凹みが出来ており、このような状況でも走っているのが不思議なくらいである。

タイヤまでダメージがいっていないのが幸いしているのだろう。


セダンカーも側面とフロントバンパー部分が破損しているが、こちらはタクシーよりも受けているダメージは少ない。

黒色のセダンカーは今年発売されたばかりの新型車であるとリザードマンは言っている。


「ありゃあ豊羽自動車のクロノA2だ、馬力も性能もこっちより優れているやつだ…くそっ、銃を使ってこないだけマシだが状況は最悪だ!」


「な…なんかすいません…」


「いいってことよ!大事なお客さんを守るのがドライバーの仕事ってもんよ!!!」


佐々木がリザードマンに謝るも、むしろリザードマンは半分喜んでいるように見える。

それもそのはず、このリザードマンはいま大企業の重役か政府関係者を乗せているのだと勘違いしているからだ。


その理由として、龍風の宿は一般庶民ではまず泊まることのできない宿だ。

政府の諜報機関が背後におり、身元がクリーンでしっかりとしている者しか宿泊が出来ない決まりとなっている。

宿泊できるのは大企業の重役クラスか政府高官ないし友好国の上流階級の人間だけだ。

それ以外の者が行くと必ず「只今予約で一杯です」とお断りされることで横浜では有名なのだ。


デッドヒートする二台の車は大通りから狭い道路に進路を変更した。

リザードマン曰く、こっちのほうが宿に早く着くそうだ。

アクセルを思いっきり踏んで路地を駆け抜ける。


路地には古い木材やゴミが散乱しているが、そんなのはお構いなしにタクシーは突き飛ばして進んでいく、後ろからセダンカーがやってくるも、二回目の路地を曲がったところでスピードを出しすぎたせいか、曲がり切れずに民家の塀に突っ込んでしまう。


衝突音と共に、白い煙とオイルが車のエンジン部分から漏れ出して立ち込める。

どうやらセダンカーは動かなくなってしまったようだ。


「やったぞ!」


リザードマンがガッツポーズを取った時だ、タクシーの天井に何かぶつかる音がした。


ガン!


破片が飛んできたのだろうか?

車内全員の視線が天井に向かった時に鋭利な刃物が天井からリザードマンの顔の近くに飛び出してきた。

誰かが天井の上に乗っている?!

もしかしたらさっきの鳥人ではないだろうかと小谷が思った瞬間に、鳥人は助手席側の窓をぶち破って車内に乗り込んできた。


「動くな!大人しく車を停めろ!!!」


リザードマンの喉元に刃渡り60センチ強の小太刀を突き付ける。

リザードマンもズボンの右ポケットに隠し持っていた折り畳み式のフォールディングナイフを持っているが、分が悪すぎる。


「チッ…分かったよ、停めればいいんだろ?」


「変な真似はするなよ、そうすりゃ命はない」


「はいはい、じゃあ止めるからな」


リザードマンはアクセルを緩めるがブレーキを踏む様子が無い。


「直ぐにブレーキを踏め!」


「さっきあんたらがぶつけてきたせいでブレーキが効かないんだよなぁ…」


「くっ、そこを退くんだ!!!」


鳥人が強引にブレーキを踏もうとするが、踏もうとした直後にリザードマンはアクセルを思いっきり踏みつけた。

いきなり強い加速になったこともあって、鳥人は頭を打ち付ける。

その隙を逃さないとばかりにリザードマンは鳥人の持っている小太刀を奪おうとする。

しかし、タクシーの前には雑居ビルの壁が迫っており、小谷と佐々木が前を見るように言ったのも束の間。

タクシーは雑居ビルに激突した。

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