127.新たな職業、そして再会
新しく現れた職業を見つめる。
狩人の上位職が『熟練狩人』、『追跡者』、『野伏』。
それに派生職が『役者』、『詐欺師』、『駆除人』、『祈祷師』か……。
今回の派生職もまた色々あるなぁ……。
「『役者』や『詐欺師』は多分、『変化の術』の影響だよな?」
これまでのパターンから、派生職はレベルアップまでの行動が反映されて生まれる職業なのだと思う。
イチノセさんに変装して市役所に入り込んだことで、『役者』や『詐欺師』が獲得可能になったのだろう。
ていうか詐欺師って……いや、まあ、ある意味詐欺で合ってるか。騙してるわけだし。
駆除人はアリを大量に倒したからだろう。それにその前に蜘蛛のモンスターも倒してるし、それが反映されたんだと思う。
(でも最後の『祈祷師』はなんでだ?)
祈祷師っていわゆるシャーマンとか神託を受ける人の事だよな?
そういう行動とった覚えはないけど……。俺、無宗教だし。
キキがキツネっぽいからってのは流石にないだろうし、神の声ならぬ天の声ならスキル保有者なら誰でも聞いてる。
それ以外に妙なものを見たり、変な声が聞こえたりとかは無かったよな……?
あれ? でも何かあった気がする。なんだっけか、思い出せない。
まあ、いいか。先ずは上位職の方を選ぶとしよう。
「さて、どれを選ぶべきか……」
この中に、アカが俺に薦めたい職業があるのだろう。
「アカのお薦めはどれなんだ? 『熟練狩人』か?」
選択肢としては十分にあり得るだ。
『狩人』の完全上位互換っぽい職業だし、純粋に索敵能力や遠距離攻撃が強化されるのだろう。
「……(ふるふる)」
だがアカはちがう、と体を震わせる。
「……じゃあ、『野伏』か?」
こっちはイメージ的には『狩人』の戦闘能力強化版といった感じだろうか?
でも狩人の戦闘版って暗殺者とかとスタイル被ってる気がする。
どっちも奇襲、だまし討ちがデフォだし。
「……(ふるふる)」
だがアカは、これもちがう、と体を震わせた。
「じゃあ―――『追跡者』か?」
「!……(ふるふる)!」
肯定するようにアカは強く震える。
どうやらアカのお薦めは『追跡者』らしい。
イメージ的には狩人の索敵能力を強化した職業って感じだけど……。
「アカはどうしてこれがお薦めなんだ?」
「………………(ふるふる、ふるふるふる)」
具体的な言葉は分からないが、「きっとやくにたつ」と言っているように感じた。
『影法師』の時といい、アカやモモには俺たちには分からない何かが見えているのだろうか?
野生の勘というには余りに具体的すぎる。
まあ、とにかくアカを信じて選んでみるとしよう。
今回、上位職になるのに必要なJPは3ポイント。
残りのJPも3ポイント。
第四職業の方は選択するのに4ポイント必要みたいだから、こっちは保留だな。
次回までのお楽しみだ。
さて、新たな職業を選択しよう。
≪狩人が上位職『追跡者』へと変更されました≫
≪職業が追跡者となりました。スキル『追跡』を獲得しました。スキル『地形把握』を獲得しました。スキル『五感強化』を獲得しました。スキル『広範囲索敵』を獲得しました≫
≪スキルが重複している為、既存の『五感強化LV5』に統合されます≫
≪五感強化がLV5からLV6に上がりました≫
≪スキル『索敵』は『広範囲索敵』に統合されます≫
≪スキル『広範囲索敵』のLVが1から4に上がりました≫
新たなスキルを獲得する。
それと同時に、自分の中でそのスキルの使い道や効果が何となくだが理解出来た。
後でちゃんと検証しないとな。
「次はスキルのレベル上げだな」
今回獲得した分と、残っていた分も合わせて62ポイントものSPがある。
かなりスキルのレベルを上げられるな。
まずは『肉体活性LV7』を10まで上げる。
≪肉体活性がLV7からLV10に上がりました≫
≪肉体活性のLVが上限に達しました≫
≪条件を満たしました≫
≪スキル『身体能力向上』を獲得しました≫
≪スキル『肉体強化』は『身体能力向上』に統合されます≫
≪スキル『身体能力向上』のLVが1から3に上がりました≫
≪スキル『肉体活性』は『身体能力向上』に統合されます≫
≪スキル『身体能力向上』のLVが3から5に上がりました≫
≪スキル『五感強化』は『身体能力向上』に統合されます≫
≪スキル『身体能力向上』がLV5から7に上がりました≫
おお、新しいスキルを獲得した。
『身体能力向上』か。
ステータスを見れば、HP、MPも含めた全数値に『身体能力向上』のLV×10の補正が付くようだ。
LV7だから、+70もの補正だ。
しかも、『肉体強化』、『肉体活性』で増えた分の数値も減っていない。
加えて『五感強化』も統合されたって事は、ステータスに反映されていない部分も強化されているって事なのだろう。
こりゃ凄いスキルだ。
次は『危機感知LV9』だな。
これもあと一回でカンストなので上げておこう。
≪危機感知がLV9からLV10に上がりました≫
≪危機感知のLVが上限に達しました≫
≪条件を満たしました≫
≪スキル『危険回避』を獲得しました≫
≪スキル『危機感知』は『危険回避』に統合されます≫
≪スキル『危険回避』のLVが1から3に上がりました≫
≪スキル『敵意感知』は『危険回避』に統合されます≫
≪スキル『危険回避』のLVが3から5に上がりました≫
へぇ、『危機感知』の上位スキルは『危険回避』か。
これも『精神異常耐性』と同じで、他のスキルも統合されるらしい。
正直かなりスキルが多くなってきたから、こうして統合されるのはありがたいな。
あとは取得したばかりの『追跡』と『地形把握』をLV3に、『忍術』をLV9に、『剣術』をLV6に上げた。
これでポイントの振り分けは完了だ。
ステータスを確認する。
クドウ カズト
レベル22
HP :325/325
MP :149/152
力 :253
耐久 :249
敏捷 :464
器用 :435
魔力 :120
対魔力:120
SP :0
JP :3
職業
忍者LV7
追跡者LV1
影法師LV5
固有スキル
早熟
職業強化
スキル
忍術LV9、投擲LV5、無臭LV6、無音動作LV6、隠蔽LV5、暗視LV4、急所突きLV5、気配遮断LV7、鑑定妨害LV4、追跡LV3、地形把握LV3、広範囲索敵LV4、望遠LV4、敏捷強化LV8、器用強化LV5、観察LV10、聞き耳LV4、操影LV6、身体能力向上LV7、剣術LV6、毒耐性LV1、麻痺耐性LV2、ウイルス耐性LV1、熱耐性LV1、HP自動回復LV1、危険回避LV5、騎乗LV3、交渉術LV1、逃走LV4、防衛本能LV1、アイテムボックスLV10、メールLV2、集中LV3、予測LV3、怒りLV5、精神苦痛耐性LV4、演技LV3
パーティーメンバー
モモ 暗殺犬 Lv7
アカ フェイク・スライムLV5
イチノセ ナツ LV25
キキ レッサー・カーバンクルLV8
遂にすべてのステータスが三桁に突入した。
『敏捷』と『器用』に至っては400越えだ。
(かなり強くなったとは思うけど、まったく安心できないよなぁ……)
あと何気にモモとイチノセさんのLVが上がっている。
そう言えば、監視しながらモンスターを狩ってるって言ってたな。
くそぅ、未だにイチノセさんの方がレベルは上かぁ……。
「キキとアカのレベルも上がってるな……」
『反射』や支援魔法で戦闘に参加していたからだろうか?
モモやアカと同じパターンだとすれば、あと二回レベルを上げれば進化出来るはずだ。
上手くいけば今日中に進化できるかもしれない。
それと次のレベルアップでは第四職業も解放される。
どれを選ぶかきちんと考えておかないと。
候補としては『祈祷師』辺りだろうか?
「……と、もう結構な時間が経ってるな」
時計を見てみると既に一時間以上経っていた。
移動時間も考えると、ギリギリだ。
「本当なら新しいスキルの検証もしたいけど仕方ないか……」
まあ、いくつかのスキルは移動しながらでも検証できるか。
俺は空き家を出て市役所へと向かった。
それから数分後、俺は市役所に到着した。
(人の気配が増えてるな……)
外に出ている間に、何人か新しくここへ来たのだろう。
バリケード付近まで近づくと、その人物がいた。
俺が来るのを待っていたのだろう。
手を振りながら此方へ近づいてくる。
「やあ、待ってたよ、一之瀬さん―――いや、今はクドウさんと言った方がいいのか?」
「……西野君」
「予定よりも随分早い帰還だな。それに藤田さんも居ない。色々と聞きたいことはあるが……“話して”くれるんだろ?」
「……ああ」
俺はこくりと頷く。
西野君の後ろには六花ちゃんや柴田君たちの姿もある。
彼らに連れられ、俺は市役所の中へと入って行った。
さて、ここからだな。
上手く話を進められればいいけど……。




