ライバル店への復讐『金返せ』
好きなように書きましたw
とても楽しかったですw
ゴゲゴッゴォ!
今回はなんの動物なんだろうか。そんなことを俺は気にしない。
今は昨日の金を返してもらうために復讐することだけを考える。
「店長。今日休ませてもらってもいいですか?」
「おう。まぁいいぞ」
「ありがとうございますっ!」
まずは俺の正体がバレてはいけない。
そう。変装だ。
何にするか悩む。とりあえずは顔面を白塗りメイクすればバレない! と、思い山崎に頼む。
「本当にいいんですよね?」
「頼む!」
こういう時にメイクが出来る山崎はいいな。と思う。そして、バレないようにと山崎が提案してくれた着物を借りて着る。
俺は鏡を見て思う。よし! これなら流石にわからないかな。
そして、俺はライバル店に向かって1歩、また1歩踏み出した。
暫くすると店に到着する。
俺は扉を開く。
ガラガラガラ
「いらっしゃいませ! お客様何名で?」
「1人ですぞよ」
喋り方は適当に変えておく。
「ご案内しますので、どうぞこちらへ」
俺は無言で席につく。頼むものは決めていたので座った直後に注文をする。
「もう、注文をしてもいいかなぞい?」
「はい、何になさいますか」
「とりあえず、カルビで」
俺の作戦はこうだ。
一昨日、店に来たチンピラのようにカルビが動いたと訴えて昨日襲ってきた人物を呼ぶ。
そこで店長に物申してお金を貰う。という訳だ。
物申すって……どうすればいいんだろう。まぁいいか!
「かしこまりました。少々お待ちを」
俺は作戦を早く決行したいため、まだか、まだかと足を揺らして待機する。
すると、すぐに肉が俺の前に置かれた。
「お待たせしました。カルビです。火をつけますね」
しばらく待つ。そして、網が熱くなったタイミングで肉を焼く。
時間を見計らい焼けたタイミングで着物に肉をこぼす。
ここで俺は作戦を結構する。さっきまでの言葉遣いは豹変したかのようにその場で叫ぶ。
「おい、店員こっちこいや!」
「ど、どうしましたかお客様」
「肉がさぁ、動いて着物に付いたわけ。わかる?」
「そ、そう言われましても肉が動くような事はないかと……」
「客を信用しないわけ? あーだめお前。話になんねーわ。店長呼べや」
この、作戦が出来ている理由はスキルのお陰だ。『迷惑客の対処』により、迷惑客のことを知り尽くしている。そのためにこういった使い方もできるのだ。
「少々お待ちを……」
店員は泣きそうな顔で意外にもあっさり店の奥に小走りで消えていく。
すると、奥の方から何かしらの声が聞こえてくるので耳を凝らして聞いてみる。
「あの……店長。肉が動いて着物に付いたとかいう適当ないちゃもんを付けられまして……店長呼べや。と、言われたんですけれど」
「わかった。俺に任せとけ」
すると、店員の後ろに店長らしき人物が付いてきていた。というより、昨日の奴だった。
小物感凄いやつが店長だったんだな……はぁ。
「ちーっす! 迷惑客君」
「あ? 舐めてんの?」
軽々しく話しかけてきた。どういう神経をしているのか疑いたくなる。
「ほらほら。肉が動いて着物に付いちゃったんだよねぇ? ほらよ! どうせならもっと付けてやるよ!」
は? 何このサイコパス店長。肉をトングで掴むと、それを着物に付けてくる。
ふざけんなよ! 神経イカれてるだろ!
「ちっきしょおおお!!」
俺はついついネタを入れてしまう。っと……こんなネタをさせられてる場合じゃないな。
「え……は? なんで付けてんの? 何してるかわかってる?」
「もちろん。あんたが家の店に迷惑かけてるよね? 急に来てよ」
「なら、店なんて開くなよ。こっちはお客様だ」
「そこまで言うなら出ていってもらって構わねぇぞ? 金は要らねぇから。な?」
「そう言うなら外出て話そうや?」
「おう。いいぜ」
この店長の威勢! めちゃくちゃ怖かったぁあ!
俺は店長と2人で店の外に出る。
こうなってくると、スキル『お色気』は、もう使えない。ならば関係ない。真っ向勝負だ。
念の為、スキル『つまようじ回避マン』を使用しておく。
ちなみにこれは昨日、相手のスキルを見て覚えたスキルだ。
俺は先制攻撃を仕掛けるように相手に向かって発する。外にさえ出してしまえば変装がバレようがどうでもいいからな。
「まぁ俺的にはな。お前をここに呼べたわけで満足なわけよ? 俺の正体はな昨日の店員だ。お前のせいで実を言うと夕食抜きにされたんだぞ! わかるかこの辛さ?」
「はっはっは。そんな事の為にわざわざ人肉にされにくるとはな」
この人さらっと恐ろしいこと言うなおい。絶対サイコパスだよ。
ネットで見たことあるよ。確か、人肉は猪の味がする。とか、若い人間の肉は柔らかく上手い。とか聞いたことあるけど、「人肉にする」って……とんでも事言うやろうだな! ていうか、負けたら本気で殺される気がする。
殺す気で来ているならこっちも本気だ。
相手はスキルを早速放ってくる。
「スキル! おじさんのつまようじ技術見てたーよ」
ヒュッヒュッヒュッ
スキルを使っていることもあり俺はそれを華麗に回避する。
「おいおい! 遅いなー! なんだそのつまようじは! もはやゴミか?」
「ちっ。なら、接近してやるよオラァ!」
怒りに任せるように俺に向かって接近し殴りかかってきた。
――だが俺はこの時を待っていた。
「スキル発動! 『愛想笑い』」
ここで大事なのは俺もあえて相手に近づくこと。
そして、相手が攻撃してくる前に笑い始めること!
「ふははは。あははははは!」
こいつが怖くなり、恐怖に怯えるまで耳元で笑い続ければいい。そう考えたのだ。恐怖のあまり相手は近づけるはずもない。
なんたって白塗りメイクが急接近して突然笑い始めているんだから。
俺のスキルでこいつを倒せそうなものを考えた時に今のところ精神面で倒す以外に方法はない。
怯えるようにつまようじが近距離で飛ばすがこの距離なら『止められる』もしくは『軽く刺さる』程度で済む。
近いからと威力が出ないからだ。
一応、説明を入れておくと、この相手のスキル『おじさんのつまようじ技術見てたーよ』は見た感じ、距離が遠ければ、遠い程威力が上がっているように見えた。
本当に遠い時はかなり強い爆発が起きていたからだ。どんなつまようじだ。とは確かに思う。
だが、それを気にしたら負けだ。
だから、あえて俺は近距離戦に持ち込んだ。
これで完全に戦略的俺の勝利だ!
その後も笑い続けて5分が経った。
「あははは。いひひひ。ふははは」
相手の顔がどんどんと渋くなり、青ざめているのがわかる。よし、そろそろケリをつけるか。
精神面的にぶっ殺してやるよ。俺はここで相手が乱雑に投げているつまようじを上手く痛みを感じない程度に胸付近に刺させる。
それでも俺は尚笑い続ける。これ以上の恐怖があるだろうか。これはまるで、狂人舞妓だ。怯えてひざまづくのが妥当だろう。
なかなか倒れないな……これを使うしかない……か。俺は用意しておいた秘密兵器マジックナイフを懐から取り出す。
そして、俺は顔をさらに近づける。
「お兄はんお金返しましょか? もしくはそれ以上でもよろしくて? しょうもないこと言わんといて早く返し?」
マジックナイフとはいえ相手の心理状態ならまず気付かないだろう。
だが、相手もなかなかやる。この状態にも関わらずつまようじを構えた。
「しょうもないことせんでええから早く返したらどうどすか?」
俺はここで満面の笑みをしてマジックナイフを当たらない程度に近づける。勝負ありだ。
「ひぃ……! すみません。お金はきちんと返しますから。命だけは……」
「どうしましょか……人肉に今、ここでしてあげましょか?」
「許してください!」
頭を下げ土下座をする。まぁ、そこまでしたなら許してやろう。
「じゃ、お金。今すぐ用意し? 昨日の分も含めて」
「少々お待ちを!」
男はかなり金が入っていそうな袋を持ちすぐに戻ってきた。
「これで宜しいですか……」
その袋には見た感じ……というより、明らかな程に多くのお金が入っていた。
「じゃ! おおきに」
よっしゃぁぁあ!!
俺は金を取られた分以上取り戻した喜びと異世界を満喫した喜びに浸った。
俺はスキップをするように気分良く店に戻る。
俺は扉を開けると受付をしている焼男さんに元気な第一声を放つ。
「店長! 昨日の金! 取り替えました!」
「おお! 良くやったな!」
焼男さんは金袋の金を確認する。と、嬉しそうにニッコリ笑う。
「……しかも多いじゃねぇか! 特別にお前にも田中さんが手に入れた優勝賞品をやるよ!」
えっ。それってトロール……? いらねぇよ! やめろやめろ!
「どうした。そんな嫌そうな顔してほらよ」
あ、そう言うことか……よっしゃあ!
そこにはトマト仕立てのロールキャベツがあった。優勝商品がロールキャベツってしょぼいなとは思うがトマトの良い風味をたてていてものすごく美味しそうだ。
「いただきます!」
俺は用意してくれた食器でロールキャベツを口に入れる。
……すごく美味い! 口の中に溢れる肉汁とキャベツに染み込まれたスープが疲れを癒す。最高だぜ!
その後は今日1日休みを貰い部屋でゴロゴロした。そして、夕食も美味しくいただき部屋に戻ってすぐに寝た。
――そこに忍び寄る影を知ることもなく。
獲得スキル
変装『舞妓』
地球のゲームでもあったような気がするレベルの煽り
演技『狂人』
取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術
カルビ名人
迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策
おトイレの付き添い
つまようじ回避マン
お色家 変装『舞妓』
地球のゲームでもあったようなレベルの煽り
演技『狂人』
戦闘シーンものすごく難しい……w