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不器用なふたり  作者: いしかわ
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5、先輩3

5、先輩3



この前、久しぶりに町で小宮山に会って高校時代の事を思い出した。

あの頃は愛梨ちゃんに言われて一時は小宮山と付き合うことまで考えた。

結局全部勘違いで、小宮山に彼女がいる事を知ったあとは気まずくて恥ずかしくて。なるべく二人にならないように気を付けながら卒業を待った。

あれから2年。彼は専門学校に通っているらしい。

高校の頃の話もしたが、どうやら彼の中であの日の事は記憶にすら残っていなかったようだ。私の事を先輩の一人としてしかみていなかった。

二人になることを避けていた私は、あの日以降も彼を意識していた。

一方彼の方はそんなことにも気がついていなかった。

寂しかった。

私の事をもっと覚えていて欲しかった。

実は、ほんとにほんとは、私を好きでいてほしかった。

小宮山の事が、好きだった。

ただの後輩ではなくなった日からずっと…。

けれどきっとまだ彼はあの時に言っていた彼女と続いているだろう。


「…じゃあ、またいつか」


偶然会ってしまったが、私はそろそろこの忘れられない恋を忘れたかった。でないといつまでも前に進めない。

そのまま立ち去ろうとしたとき、呼び止められた。

また会いたいという。


あぁ。また勘違いしてしまう。

それでもいいか、と本気で思った。





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