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2、回想
2、回想
彼女は高校時代の先輩で、専門学校に入学してしばらく経った頃偶然町で再会した。
思い出話に花を咲かせ、近況を伝えあう楽しい時間。
高校在学中は仲の良い先輩の一人ではあったが、こうして一対一で話すことはなく、初めて彼女の事を知ったような気になった。
茶色い髪を肩より少し長い位で揃えて、耳にはピアス、赤い口紅が似合っている彼女は真面目で真っ直ぐな性格をしていた。
話ながら相手への印象がどんどん良くなって、じゃあまたいつか、と彼女が立ち去ろうとしたときには口が勝手に動き出していた。
「また、会ってくれませんか」
元々連絡先は知っていたし、お互い恋人もいない。
快く了承してくれた彼女との恋愛が始まるのに時間はかからなかった。