恋物語の始まり
瑞姫と蘭が変な輩に絡まれていた所を助けた次の日、黎は家の前で歌乃を待っていた。
「黎君~」
奥の方から歌乃が若干息を切らしながら走ってきた。
運動オンチな人は走り方もダサいと言うがその噂は本当らしい。
「やっぱ歌乃は運動オンチだな」
「うぅ、最近運動してるんだけどな・・・」
運動していてあの遅さはもう手遅れだな。
それから、歌乃と他愛もない会話をしてあっという間に学校に着く。
教室に入ると男子達に囲まれている瑞姫と蘭がいた。
「あ、おはよう」
クラスの男子と喋っていた瑞姫と蘭が黎の方に行った。
「おはようございます」
礼儀正しく挨拶したのは蘭だ。
「昨日の夜は世話になったな、ありがとう」
「え?夜?」「あいつ、俺らの天使と何を!」
クラスの中心で言った為、周りがざわざわし始めた。
「黎君、夜って何?何してたの?」
あぁ~、歌乃が怒ってる・・・でも、何で?
「ご、誤解するな!俺は二人が変な輩に絡まれてるのを助けただけで・・・」
慌ててみんなの誤解を解こうとするが・・・
「私のことをお、お姫さま抱っこで・・・」
瑞姫は顔に手を当て、ウットリしていて、
「あのときの天津さんは凄く・・・かっこよかった・・」
蘭までもが、赤面している。
これによりみんなの誤解を解くどころか悪化した。
「後で説明してね?黎君」
予鈴がなり、歌乃が近づいてきてそう言った。
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昼休み、購買で買ったパンを教室で食べながら話していた。
ちなみに瑞姫、蘭、歌乃はクラスの女子達と一緒に昼を共にしていた。
「羨ましいほどのモテモテっぷりだな、黎」
ニヤニヤとした表情の創悟が言った。
「歌乃や小花衣さん達といるだけで男子達から睨まれるんだぞ、あと俺はモテてない」
さっきの体育の時間は運悪くドッジボールで、見事に黎ばっかり狙われていた。
「しかも、全員怨念がこもってたし」
一球一球が全力だった為、おかげでいろんな箇所が痛い。
「そりゃ、あの子達はクラスの壁を超え、学年の壁すら超え、今や男子生徒の憧れの的だからな」
思った以上に二人の人気は凄いらしい。
「歌乃も結構人気だぜ?あの二人には敵わないけど、学年レベルで人気だな、俺も歌乃とは関わりあるからたまに本気の投球を食らう」
被害は黎だけではないらしい。
「これからは先輩達の投球を食らうかもな」
「待て待て、それは洒落にならんぞ」
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男子生徒に睨まれながら校門を潜り抜け、歌乃と帰っていた。
「黎君、朝のことなんだけど」
どうやらまだ覚えていたらしい。
「本当に誤解だからな、別にやらしいことは何もしていない」
「本当に?」
「本当に」
「なら、良かった」
歌乃が安堵したように息を吐く。
「?」
(私の気持ち、早く気づいてよ、バカ)
胸の中で呟いた。
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それから時は過ぎ、一週間後。
学校から戻った歌乃の元に一件のメッセージが届いた。
「ん?」
瑞姫:今、少し良いか?
歌乃:良いけど、どうしたの?
瑞姫:好きな人ができたが、どうすれば良いかわかない
未央:マジ⁉瑞ちゃん好きな人できたの⁉良かったじゃん!
未央というのは同じクラスの友達のことだ。
桜:まずは瑞姫ちゃんがその人にとってどんな存在になりたいかが重要だね
瑞姫:どんな存在になりたいか、なるほど
歌乃:頑張ってね、瑞姫ちゃん
どーもミカエルです。
更新遅れましたぁぁぁ、高校やら別の小説で書くのが遅れました。
これからもこういうことが増えると思うのでその時はご了承下さい。