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お嬢様に告白されましたⅡ

その美少女の放つ存在感に教室にいる生徒は全員釘付けになる。

「おい、あの子めっちゃ可愛くないか?」とか、

「何、あの子、お人形さんみたいね」とか、

「でもよく見ろ、後ろの子も中々可愛いぞ」など、

全員の意見は様々だった。

「すっごい綺麗な子、ハーフかな?」

歌乃も気になってるようだ。

一方、創悟はと言うと・・・

「天使が、天使が舞い降りたぁぁ!」

この(ざま)だった。

黎も一瞬気になったが、すぐに視線を本に戻し、読書を再開した。

「お前、この席なのか?」

横から声を掛けられ、声の方へ向く。

前に立っていたのはクラスを騒がせた美少女。

「ん?あぁ、そうだけど」

「そうか、よろしく頼む、私の名は小花衣(こはない)瑞姫(みずき)

「私は瑞姫様の護衛を勤めている藤宮(ふじみや)(らん)と言います、よろしくお願いします」

瑞姫の後ろに立っている少女も自己紹介する。

「俺は天津黎、よろしく」

席の位置は黎の左に歌乃、右に瑞姫、黎の前に創悟、そして瑞姫の後ろに蘭という位置だ。

「天使の近くに座れて良かったぁぁぁ」

創悟は心底喜んでいた。


始業式が終わり、放課後。黎と歌乃は一緒に下校していた。

「小花衣さん、美人だったね」

「そうだな」

帰るときも、「一緒に帰らないか?」と色んな男から言い寄られていた。

その度、蘭が丁重に断る、これの繰り返しだった。

「黎君もさ、小花衣さんみたいに綺麗な人が好きなの?」

少し頬を赤くして質問する。

「まぁ、綺麗な人も良いけど、最終的には性格も大事になってくるしなぁ」

「綺麗じゃなくても良いんだ・・良かった」

ぼそっと呟いたせいで聞こえなかったが、満足そうな表情をしていたので、解決したのだろう。

「そういえば、歌乃のことを可愛いって言ってる男子、結構いたぞ?」

そのせいで、黎はかなり睨まれたが・・・

「へっ!?私?私なんて全然だよ?」

「そうか?俺も可愛いと思うが・・・」

すると、歌乃の顔がみるみる赤くなっていった。

「黎君、もう一回言って?」

「え?いやだから、俺から見ても可愛いと思うが・・・」

黎が本音を言うと頭から湯気が出るほど赤くなっていった。

「きょ、今日は先に帰るね!」

見たことないぐらい速い走りで帰っていった。

「あいつ、あんなに速かったのか」


家に帰り、私服に着替え、昼食の用意をする。

ちなみに、黎の家族は、母は仕事であまり帰ってこず、父は他界。つまり今、家には黎一人である。

「まぁ、これぐらいで良いだろ」

焼きそばを一人分作り、食卓に運ぶ。

「いただきます」

ほぼ一人暮らしを3、4年続けた黎の料理は学生の域を越え、今や主婦の域である。

昼食を食べ終わり、自室で録画していたアニメを消化する。

アニメを見続けて、およそ4時間。

黎は夕飯の材料を買うため、スーパーへ行って、自宅へと帰る道で複数の男性が二人の女性を囲んでいた。

暗くてよく見えないが、女性の一人は倒れている。気を失っているのだろう、もう一人の女性は気を失ってると思わしき女性を守っている。

状況確認が出来た瞬間、黎の足は動いていた。

「おいっ!何してんだ!」

女性に手を出そうとしていた男性を殴り、女性を守る。

「大丈夫ですか?」

女性の方を向くと、そこにいたのは・・・

「小花衣さんと藤宮さん・・・?」

気を失っているのは瑞姫で、それを守っているのが、蘭だったようだ。

「あなたは、天津さん、」

蘭は息切れしていた、周りを見ると、大柄な男性が何人か倒れていた。

「お前、その女の知り合いか?そこをどいてくれ、じゃないと無事じゃすまないぜ?」

黎達の周りには、まだ13人ほどだろうか、黎達を囲んでいる。

「喧嘩はちょっとばかし得意でね、お前らみたいな奴らには容赦しないぜ?」

向こう側は黎を敵と認識したのか、殴りかかってくる。

「ふっ!」

黎の腹への打撃が直撃。

「がっ・・・ぐふっ」

腹への一撃が決まり、地面に崩れ落ちる。

「さぁ、次、来い!」

殴りかかってくる男達を返り討ちにしながら、一段落ついたところで瑞姫を抱き抱え、蘭の手を引き、黎は自分の自宅に急いで向かった。

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