音の絵/エール
「音の絵」
ぽとりと
堕とされた色のひとしずく
ぽろんと
弾かれたひとつぶの音
たったひとつ欠けているだけで
色褪せる音の絵と
かけらさえも意味を為す
彩られた点と線
限られたいちめんの額のなか
ひとつひとつ描かれて
行儀良く並んでいる
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「エール」
Ελωι ελωι λεμα σαβαχθανι?
虚空を強く切りさいて
空たかく飛び上がる
Elyon Olam!
Elyon Olam!
紀元を祝う村祭りの
華やいだ声援が 彼の翼を後押しする
El asher!
El chazar!
魔法のように空気を纏い
遥かへと旅立つ
エールの大地に光あれ
――Malchut yesod hod nephapha tiphereth geburah chesed binah chkman atziluth.
「音の絵」 2008/6/16 ルーブル美術館展@神戸にて観た綾織のタペストリーの密度にラフマニノフ「音の絵 op.39」の楽譜を連想して
「エール」 2008/6/26
***解説***
詩中にヘブライ語・ラテン語・フランス語・英語などで“エール(またはエル)”と発音する単語を日本語にして散りばめて作った詩。
Ελωι ελωι λεμα σαβαχθανι?は「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」と読み、アラム語音写のギリシャ語です。意味は「わが神、わが神、なぜ私をお見捨てになったのですか」で、十字架にかけられたイエス=キリストが叫んだとされる言葉です。
Elyon Olam! エルヨーン・オーラームと読みます。意味は「いと高き永遠の」
El asher! エル・アシェールと読みます。意味は「神の幸いを」
El chazar! エル・ハザールと読みます。意味は「神に帰らん」
・・・何語だったかな。忘れました。
Malchut yesod hod nephapha tiphereth geburah chesed binah chkman atziluth.
新約聖書のマタイ福音書6-10「御心が天にも行われるがごとく地にも行われますように」のヘブライ語バージョンです。




