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第97話 纏骸魔境(3)




 〈摘出〉

 生物から臓器をいきたまま取り出すことができる。〈摘出〉によって取り出された臓器は〈摘出〉の効果が切れるまで生き続けます。


 〈摘出〉は本来、【分類学者】や【生態学者】といった生物系の研究者や、【病理医】、【臨床検査技師】といった〈ヒール〉では治せない病を治療することを目的とする役職が持つスキルである。研究のため、あるいは移植のため、どのような環境でも取り出した臓器を死なさず目的地に届けることができる非常に役に立つスキルであった。


 補給用の脳を取り出すことも、バラバラになった自分自身を延命こともできる非常に便利なスキルであった。




「ね、がしょくこちちゅってなに?」

「なーに?」

「がしょく?」

「こちゅ?」


 消耗したMPを死霊たちが持ってきたお弁当で補給していると、様子を見ながらふわふわと浮かんでいた死霊たちが首を傾げた。


「はつみみ」

「そりゃそうだ。今俺が名づけた。芽殖孤蟲、いや雅殖孤蟲の方がいいか。要は……」



 説明しようと口を開いた瞬間、俺の上半身は吹き飛んだ。下半身とお別れし、きりもみしながら宙を舞う。目の前を巨大な黒い影が横切り、遅れてやってきた風切音と共にその上半身もバラバラに爆ぜた。



 きづかれたようだ。



 目の前を疾走する巨大な竜の存在を分析する。肉片として弾け飛んだ残り37%の俺の全身全細胞で竜を見つめる。視覚だけでなく、聴覚で、嗅覚で、触角で、そして味覚で多頭竜を感じる。



 この竜は目で追えないほど早い。

 音より速く、避難所の端から端まで一瞬でやってくる。


 この竜は鼻がいい。

 〈隠匿〉で隠れていたいたはずなのに何かで俺の位置を特定している。


 鱗は死霊では剥がせないほど硬く、

 毛のようにびっしり生えていて槍を通す隙間もない。


 無数の頭はそれぞれ独立に思考をしているのか賢く、

 俺を食べることで俺が減り再生できなくなることは既に察している。




 何百もあるであろう頭のひとつと目が合った。次の瞬間、その眼球が食いつぶされ、多頭竜の口の中に納まった。




 残り36%




 バラバラに地面に散らばった俺は、そのままに周囲の死骸を身に纏った。




「足りない脳味噌で考えた策がある」



 バラバラになった体をそのままバラバラにしたまま、それぞれを核に〈纏骸〉で俺を作る。俺は竜と戦うために36%の自分を36人に分けた。


 すでに64%失っているのだから、どれだけ雑に分けてもどうせ寿命は変わらない。

 幸運なことにバラバラでも一応はすべて本体。本体から離れたら弱くなるという〈纏骸〉の弱点が解消されるのか、本体同等の性能の俺の分裂体が36人となった。



「反撃開始だ」


 立ち上がろうとした36人の俺の内の一人は立ち上がることなく、通り過ぎざまの刹那の間に竜の無数の口の中に消えた。



 35%35人


 俺のひとりを跡形もなく食い切った多頭竜が再びこちらに振り返る。次の瞬間、竜の中央の頭にマナが集まった。


「よけ……」


 放たれた閃光のようなブレスが10人以上の俺を消し飛ばす。細胞のひとつひとつになるまで分解された俺たちは血霧のように蒸発した。



 35%20人



 残りの俺たちが死霊達を足場に空中を走り回りながらブレスを避ける。だが多頭竜の中央頭に続いて他の口から四方八方に吐き出された無数のブレスをよけきれず、さらに追加で数人が蒸発した。



 35%15人



「な、ナイ坊! 急いでさ、さいせいするのだー!」

「かくす」

「だみーないく」



 多頭竜に追いついてきた死霊達が周囲を埋め尽くす。蒸発して霧になった俺の残骸を隠すように数えきれないほどの俺人形(だみーないく)が踊りまわる。【死霊術師】の真髄、圧倒的な数の暴力で竜を翻弄しようとするが、多頭竜の犬頭は一声咆哮するだけ俺人形(だみーないく)を吹き飛ばし、そのまま大きく息を吸い込んだ。



 嵐のような風で俺の残骸が引き寄せられる。まるで穴の開いた杯のように、再生しようとしていた俺が吸い流されて失われる。



 17%17人




「〈刺突波〉」



 竜の頭の意識が他の俺に向いている隙にひとりの俺がその背中に槍を突き立てた。だが硬すぎる鱗に阻まれて槍は刺さることなく無様に折れる。


 竜の上に取りついてしまった俺は、そのまま何もすることができず、背後から伸びた犬頭に取り囲まれ、すり潰されて喰われた。



 

 16%16人



「こ、こんなのむりだよ」

「もうにげよ?!」

「で、でも逃げたら賞味期限が来ちゃう」

「あと五分もないよ!?」


 次々と減っていく俺を見て死霊達が混乱しながら震える。俺は彼らを無視して手に持った槍を振りかぶった。



「「〈槍投げ〉」」


 残りの俺全員で槍を投げる。竜に向かって一斉に飛んでいく10本以上の槍。硬い鱗に阻まれて一本たりとも刺さらなかったが、その隙に一人の俺が竜の一つの頭の眼球に腕を突っ込んだ。


 そして悲鳴を上げた竜の喉元にもう一人の俺が槍を突き刺す。



 はじめて攻撃が通った!!

 

 二人の俺はその事実に喜びながらそれぞれの急所から頭蓋骨の中に腕を入れる。



〈刺突波〉


 頭の中身を炸裂させる。

 目や口の中からなら急所を狙えるのではという考えだったがうまくいった。

 だが喜びもつかの間、竜は自らその首を切り離した。


「え?」

「マジかよ」



 行き場を失い、よろめいた二人の俺は寄ってきた別の首たちに食い殺された。



 14%14人



 さきほど竜が切り離した首が一瞬で生え直される。

 俺をふたり犠牲にして何とか獲った首だったがどうやら首ひとつ程度では多頭竜には痛手にならないようだ。



 13%13人


 俺人形(だみーないく)の中に完全に身を潜めて全員でそれぞれ別の頭の急所を狙う。百以上ある多頭竜の頭からひとり一つの頭を捥ぎ取ることに成功した。その代償にまた3人喰われた。


 10%10人


 もぎ取ったはずの首が動き出して、後ろから襲われる。


 8%8人


 MPがまた切れそうになってお弁当箱から補給する。隙をつかれてまたひとり減った。




 7%7人

 6%6人

 5%5人

 4%4人


 何かをしようとするたびに一人一人俺が消えていく。



 急所を狙い、策を凝らし、弱点に槍を突き立てる。

 数千の人の遺体、数千の魔物の死骸の上に、いくつかの竜の首がもぎ取られて散乱し、そしてその代償に俺はひとりひとり食われていった。



 ……1%1人



 最後の一人残った俺を取り囲むように多頭竜の犬頭が俺を囲む。死霊たちが助けようと何かぶつぶつ言っているような気がするが、彼らも竜の圧に負けて恐怖に縮こまってしまっていた。



 俺人形(だみーないく)ももう残っていなかった。



「繧ウ繝ャ縺【莠コ髢】蜑ッ譬ク縺九?よ」

「縺溘∋縺ヲ縺?>?」

「險惹シ」

「縺励↑縺ェ縺?□縺」


 多頭竜の頭がお互いに何やら話し合っている。意味も分からない言葉を前に俺の喉からはうわ言のような言い訳が流れ出た。


「おまえ速すぎるんだよ。うろこも固くて槍もとおらないし」


「諢丞袖?」

「菫コ縺溘■蠑キ縺吶℃縺」縺ヲ」

「縺雁燕縺悟シア縺?s縺?繧井ココ髢」


「お前のせいだ……お前のせいだ……こんなの……こんなの、普………遠い」


「繧上¢繧上°繧峨↑縺」

「繧ゅ≧豁サ縺ュ」


 俺は頭から犬頭に齧られた。


 首から持ち上げられてぶらんと体が揺れる。頸骨が外れ、神経束が千切れてすべての臓器の機能がとまる。仮初とはいえ【死霊術師】がつくりあげた精巧な肉体から、痛みの感覚すらほとんど失われる。最後の俺ももはや動きたくても動かない人肉の塊となった。



 ぐちゃぐちゃと咀嚼されながら俺が食われていく。


 牙に切り裂かれ、舌に削がれる。

 かろうじて感じる痛みの中で俺は必死に手を伸ばした。


 中に。

 呼びかけるように、中に。




 多頭竜の()()、手を伸ばした。




『〈纏骸〉』



 もはや声にならない声で竜の中に呼びかける。

 竜の中、正確には竜の体内に散らばった99%の俺に。

 そして竜の中でまだ生きている俺の破片たちのその一番近くにあった俺と、共に竜に食われた人の肉片をもとに小さな、目にも見えないほどの小さな俺を再生した。



『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』


 再生した俺も近くの竜の肉を喰いながら、別の自分に呼びかける。



『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』


 俺の声に呼応するように、再生した俺が次の俺の体を再生していく。

 俺たちは周りの肉を喰らい〈捕食強化〉と〈脳喰〉でMPとステータスを補い次の俺に呼びかけていった。


『〈纏骸〉』

『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』

『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』

『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』

『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』

『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』

『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』


 連鎖するように俺が俺の体を次々に再生していく。次々に。俺の細胞と一緒に取り込まれた無数の肉片を材料に俺が、何人もの俺たちが竜の中に生まれていく。


『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』『〈纏骸〉』



 次々に。



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 次々に。


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 その数は30兆に達した。





『〈纏骸〉雅殖孤蟲』




 多頭竜の体中に、胃に、腸に、肺に、肝臓に、目に、耳に、脊髄に、そして無数の頭の無数の脳の中に、小さな、数ミクロンにみたない大きさの俺が咲いた。




 〈捕食強化〉:多頭竜

 〈脳喰〉:多頭竜



 30兆の俺の小さな小さな分裂体たちは多頭竜の中身を一瞬で食い尽くした。

 




あとがき設定資料集


【分類学者】

※HP 9 MP 6 ATK 4 DEF 4 SPD 6 MG 1

〜うーん、わっかんねぇ!! 全部魔物!!〜



簡易解説:アルケミスト役職の役職。非ダンジョン系(生殖系)生物研究者役職のひとつ。フィールドワークを得意とし、〈潜水〉や〈土遁〉など様々な環境で活動可能なスキルを多く覚える。

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― 新着の感想 ―
これがホントの悪性新生物
前回で体を毒にでもするのかと思ったら毒(物理)すぎる...
生き残る算段はついてるんだろうけどもしそれがなかったら最後の最後に自分自身が普通じゃないって思うのは辛いだろうなあ
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