第48話 楽★園★崩★壊
「テメェは来るなよ」
亡骸掬いとの戦いから4日。
【死霊魔術師】たちと亡霊屋敷で接触してから15日後。
【抽出師】ロッケン卿への面会申請は意外にも簡単に通り、【回復術師】フュードルについて彼に召し揚げられた墨子に聞き込みをする機会がやってきた。当然ロッケン卿を怒らせたことがある俺は留守番。天空の貴族の屋敷を訪れるアンヘル【雨乞い巫女】と別れて、俺は泥濘と今日も楽園で聞き込みを行っていた。
「こっち。こっち。いまなら盲目婆寝てる! はやく!」
「騒ぐなよ その声で起きるぞ」
墨子の店の入り口をくぐり、盲目婆さんの脇をかけぬけてひっそりと階段を駆け上がる。先行した泥濘は階段をのぼってすぐに待ち受けていた【審問官】脊髄に抱き留められた。双子がこちらをみてニコリと微笑む。
「あれー合唱ちゃんだー。また来たの?」
「脊姉……【槍聖】様ですよ。ようこそおいで下さいました。お茶を用意いたしますね」
墨子の寮に潜り込んで【回復術師】の痕跡を漁ろうとの思惑だったが、階段を上ってすぐに俺たちは脊髄延髄姉弟につかまり、あれよあれよと応接間に案内された。
少し薄暗い天面が鏡張りの応接間。ここはそういうプレイ用の部屋なのだろう。部屋のどこにいてもすべての場所を見渡せるようにできていた。
「【槍聖】様は鉛星にお話を聞きに伺ったと聞いておりましたが、どうしてここに?」
「鉛星?」
「【重力使い】です。前にお話しした大痴と仲の良かった墨……」
「仲いいっていうかー恋人だよー。でも大痴は死んじゃったから元か。あれ? でも実は生きてるなら現? でも鉛は召し揚げられたからやっぱり元?」
脊髄の言葉に延髄が少し苦笑する。
「ともかくその鉛星です」
【回復術師】フュードルと【重力使い】鉛星について脊髄延髄姉弟に話を伺う。双子はあまり仲良くはなかったけどと前置きして彼らについて知っていることを教えてくれた。
「別に二人とも問題人物というわけではありませんでした」
「どっちかというと模範囚」
脊髄の言葉に泥濘も延髄も固まる。
「脊姉、囚って……」
「脊姉様、我々は囚人ではなく奉仕者です」
双子によれば【回復術師】大痴は十年ほど前にこの街の近くの村で神託され墨子になった人物だそうだ。彼は犯罪役職特有の社会不適合性はあったものの基本的な態度はまじめで従順、他の墨子や客との確執はない温厚な人物だったらしい。そして三年前、随伴組織と衛兵隊の抗争に巻き込まれて亡くなったそうだ。
「大痴は男娼もやっていたけど主な仕事は治療。【回復術師】としての技量を買われていました」
「技量って何してたの?」
「まさに名の通りだよー。聖院での回復。〈ヒール〉では治せない時間経過後の傷の治療は【回復術師】の得意技なの」
「普通に有能だな。なぜそんな奴が楽園に」
俺がぼやいた瞬間、目の前の机が宙を舞った。
「おい! 口を慎め! 【回復術師】は女神が定めた異端者だ!」
延髄が机を蹴り上げ、険しい表情でこちらを睨む。いきなりの剣幕に驚いたが、言った延髄本人も自分自身の発言にポカンとしていた。その呆けた顔面に脊髄の拳が突き刺さる。ピシッと乾いた音がして延髄は鼻血を流してよろめいた。
「延ちゃん! 慎むのは延ちゃんだよ。合ちゃんは冒険者様だからね。後輩じゃない」
「え、あ…………まことに申し訳ございません。でも脊姉、この子の本当に後輩みたいで。僕も合唱って呼んでしまいそうです」
「言い訳しないのぉ」
脊髄延髄の姉弟が揃って頭を下げる。
「【槍聖】さんごめんねー。墨子ってみんなヤヴァいから。許してー、お願い。はい! 泥ちゃんも一緒に。お・ね・が・いー」
脊髄が泥濘の腕をつかんで媚びるように俺に抱き着かせる。若干嫌そうにしながらも泥濘は俺に抱き着き甘い声で「許して」と囁いた。
「許して。おねがいです。許してナイク様」
「別に気にしてないが……」
「おお、ちゃーんす!!」
脊髄の発言に泥濘が立ち上がる。半ギレで彼女の方を睨んでいた。
「脊姉! 殺すぞ!」
「おっ殺る? 【審問官】必殺〈貧者の梨〉」
脊髄からふわりと光がまって泥濘の悲鳴が上がった。目や耳から血を流し、頭を押さえながら倒れる。ギリギリギリギリと何かが軋むような音とともに泥濘は身をよじらせてじたばたと呻いた。
「あー…………あー……………………あー…………ごめーん。やりすぎたー。【審問官】必殺〈ヒール〉」
脊髄からふわりと光がまって泥濘の悲鳴が止まった。血を流していた目がすっと治っていく。
犯罪役職で〈ヒール〉を覚えるなんて珍しい。
そうおもいながら泥濘を眺めていると、パカッと部屋中の壁に深淵の穴が開いた。
「脊髄! やってくれたなぁ! いまちょっと楽しくなってただろ! 【擬態壁】殺れ」
「うわーん。泥ちゃんこわいー」
逃げ回る脊髄を泥濘が血走った目で追いかけまわす。
真横で繰り広げられている血みどろ大喧嘩を指さすと延髄は鼻血を拭いながら呆れたように首を横に振った。
「墨子は毎日こんなもんです。放っておいてください。で、話を戻しますがおっしゃることはその通りです。大痴自身もそう思っていました。なぜ自分が自由になれないのか。他の誰よりも人々の役に立っている自分が奴隷なんておかしい、女神様が定めた今の世が間違っていると言っていたそうです」
「【死霊魔術師】に協力してもおかしくないってことか」
「その【死霊魔術師】というのは分かりませんが、随伴組織からの接触があれば乗ってもおかしくなかったと思います」
また随伴組織か…………
いたるところで話に出てくるがいまいち実態のつかめない連中だ。脱教会を掲げる犯罪組織というのはわかるが、別に街民の生活にまで現れて幅を利かせているという感じでもない。話に聞くに三年前の衛兵隊との抗争では相当派手にやっていたらしいが、この街に来てまだ一年も経っていない俺には彼女らの脅威はあまり想像できなかった。
「ここは教区だろ。こんな教会の真下にある楽園に脱教会派の随伴組織が接触できるのかよ?」
「随伴組織はそんな生易しい相手じゃないですよ。噂ではあのニリと一対一で渡り合える化け物どもが何人も在籍しているとか。それに随伴組織のトップはなんたってあのアラカルト・マルチウェイスター。男じゃ絶対彼女には……」
「ああああああああああああああああああああああ、鉄の星よ。鉛の星よ。落ちる落ちるは暗転の宇宙よ。死に飲まれるは終焉のああああああああっあ…………ああああああ」
延髄の言葉をかき消すように下の階から絶叫が轟いている。盲目婆さんの声だ。暴れていた脊髄も泥濘も喧嘩をやめて下をみた。
「婆ちゃん、またー?」
「次は誰です? というかいまの鉛の星って【重力使い】の……」
脊髄延髄の後ろから階段を降りる。
階段を下りた先、
そこには顔の穴という穴から血を吹きだして倒れている盲目婆と女が一人いた。
黒いローブの女魔術師が手をあげる。
その瞬間、空間が歪むような感覚がして盲目婆さんがぐちゃりと潰れた。
「な、鉛星? なぜこ……」
女魔術師に近づいた延髄がぐるりと目をまわしてその場で崩れ落ちる。
「脊髄延髄とか超久しぶりじゃん」
「延ちゃん! どうしたの?! 鉛! おまえ何を………」
倒れる延髄を支えた脊髄もすぐに同じように意識を失って倒れた。
次々に倒れていく墨子たち。
彼らを一瞥して、女魔術師の目がこちらを向いた。
「いるじゃん。【仮聖】」
泥濘の手をひっぱって転がる。バンっ乾いた音がなってさっきまでいたところの壁がはじけた。
「はじめまして、そしてさようなら」
ガツンと頭をぶん殴られたような感触がして目の前が真っ暗になる。まるで全身の熱が止まったように寒いとこは寒く、熱いところは熱くなった。
意識が飛ぶ前に口の中に仕込んだ赤蝶の主の丸薬を食べて魔力耐性を跳ね上げる。かけられた魔法を弾く感覚がして意識が一気に回復した。
赤蝶の主の丸薬 残り2個
「あれ? 外した? さす〈隠匿〉うざいじゃん」
その女、【重力使い】はふらつく俺を一瞥し、
そして俺の横の泥濘に怒鳴った。
「【泥】! なにやってんの! さっさとそいつ捕えろ! 次は当てる!」
その女は泥濘に指示するように俺を指さした。
は?
横を見ると泥濘が表情を歪ませて固まっている。握っていた彼女の手を離すと、彼女は逆にこちらを押さえるように手を伸ばした。
泥濘をつき飛ばしてその場を避ける。
ぐにゃっと空間が歪むように床が割れた。
「ちゃんと捕まえろよ! 馬鹿が! 延髄脊髄は落したじゃん。いきなり襲われて死んだことにすればバレないからさ」
ローブの女が突き飛ばされた泥濘を助け起こす。泥濘は素直に助け起こされて、こちらを見ることなくうつむいた。
罪悪感で気まずい。そんな表情だった。
「裏切りか!」
「ちが……」
否定しようにも否定できないという顔で首を横に振る泥濘。
間違いなく裏切り。
いや、そもそも仲間じゃなかった?
いつからだ?!
と考えて思考を止める。
いい。いつからとか考えるのは後だ!
今は敵!
俺は踵を返して一目散に逃げ出した。
敵の魔術師たちを置いて全力で店の外に出る。
逃げる!
逃げて味方と合流する!
楽園の上は教会。衛兵隊も、教会関係者も沢山いる。【死霊魔術師】を捕まえるのは共通の目標だ。間違いなく俺の味方をしてくれる。
上層への階段にむけて走りだそうとした時、ぐらりと地面が揺れた。
ガラガラと上方の何かが崩れる音が楽園中に響き渡る。
振り返ると、さっきまでいた墨子の店の二階に、ローブの女が両手をあげて祈るように立っていた。
その女、【重力使い】から放たれた魔法は一帯を、楽園中を埋め尽くすように駆け巡った。
嫌な。
本当に嫌な予感がした。
巻きあがるような力が発生し、一瞬体が浮く。
女魔術師のローブがめくりあがり顔が見えた。顔の半分が抉れたそばかすの女。整った鼻筋のおかげでもとは美人だったのがなんとなくわかるがその顔はあまりにもあまりにもグチャグチャに爛れていた。
女はすべてが浮き上がった楽園をみて嬉しそうに笑った。
「楽★園★崩★壊!」
楽園の天井が落ちた。
地下の天井が裂けて、上から塊のような岩が何十何百と降り注ぐ。
地上の大戯堂が崩れ落ちてくる。
女神像の破片や、家具、そして人がまるで崩した枝のようにバラバラと降り注いだ。
「お前ら! お前ら何やってんだ!」
何が起きているか理解ができない。
真上から降ってくる瓦礫を必死に避けながら【重力使い】を見ると、彼女は次々と崩れて、落ちていく天井をみて大笑いしていた。
「ははははは、さいっこーじゃん」
数えきれないほどの悲鳴があがっていた。
楽園中に娼婦たちの悲鳴と痛みがこだまのように響き渡り、地響きのたびに何人もの新たな死霊の囁き声が生まれた。
「しんじゃった」
「何が起きたの?」
「うわーん。しんじゃやだー」
「まだしたいこといっぱいあったのにー」
「なんで?」「あれぇ?!」
死霊たちの無数の囁きと共に楽園が崩壊していく。
振り落ちてくる瓦礫を避けながらローブの女に〈槍投げ〉をする。
完璧な軌道、完璧な威力で女魔術師の頭に飛んで行った槍はなぜか奴に当たる直前で方向をかえ、落ちるように地面に突き刺さった。
「何人! 何人殺す気だ! 俺が狙いじゃないのか!」
女は、必死に岩を避けながら叫ぶ俺をみて爆笑した。
「槍を手放したな」
ぬるりと地面から現れた何かに足をつかまれる。地面に開いた泥濘の【擬態壁】の中から男が、【回復術師】が現れて俺をつかんでいた。
まずい。
振り払えない。
丸薬をひとつつかって身体能力を跳ね上げ【回復術師】の頭を殴りつぶす。ぐちゃっとつぶれた【回復術師】はまるで液体のように一瞬で元に戻った。回復している隙に何とかつかまれた足をはずして逃げる。
赤蝶の主の丸薬 残り1個
なんだ?この状況。
どうしてこうなった?
状況を整理しろ。
敵は【回復術師】【重力使い】そして【魔物使い】
再びふわりと体が浮き上がり、そして落ちる。
ガラガラと音を立てて再びすべてが崩れる。裂け目がさらに大きく割れ、瓦礫がおち、人も落ちる。幾重もの地響きの度に死霊たちの泣き声が増えた。
無関係な娼婦男娼たちが何百も巻き込まれている。早くあの女をとめて崩落を抑えないとどんどん人が死ぬ。
「考えてる暇はやらないぞ【仮聖】! お前は危険だ」
突然後ろに現れた【回復術師】に羽交い絞めにされる。
「つぶれようぜ。一緒に」
「クソが! はなせ!」
羽交い絞めしている手の小指をへし折り足をかけて引き倒す。何とか引きはがして、落ちてくる岩を避けた。ぐちょりと音がして【回復術師】が岩につぶれるが彼は一瞬で回復してぷっと砂利をはいた。
走って逃げる。慌てふためき楽園の出口に殺到する人々と共に走る。
考えろ!考えろ!考えろ!
状況を理解しろ!
〈隠匿〉も効いてない。
【死霊魔術師】は俺を狙っている。
敵は【回復術師】【重力使い】そして【魔物使い】
死霊たちもごちゃごちゃで状況が分かってない。
敵のレベルはたぶん俺より上。
三対一以上の戦力差。
他にいる可能性もあり。
あの〈溜め〉剣士の姿はない。
【擬態壁】は岩も砕く。
【回復術師】の〈ヒール〉は強力。
【重力使い】はどんどんレベルがあがって強くなっていく。
岩が落ちてくる。
いつか完全に崩落する。
位置的に救助が優先されて犯人対処は後になる。
岩が次々落ちてくる。
俺の位置は縁で捕捉されている。逃走不可。
敵のスキル詳細は不明。
他の客や娼婦が味方してくれる可能性はあるが混乱が大きすぎて期待はできない。
丸薬あと1つ。
槍は【重力使い】の傍に落ちてる。
投降で許される可能性は低い。【死霊魔術師】視点で殺しが安牌。
落ち着け! 俺
まずは敵を削りたい。人数不利があまりにもキツイ。せめて二対一。
振り返ってどこかにいるであろう【死霊魔術師】たちについている死霊を探す。だが楽園は新しく浮かんでくる死霊ばかりで何が何だか分からなくなっていた。
「しれいじゅつしー、ここにいるよ。気を付けて」
足元に死霊がいた。
バックリと開いた深淵からナイフが伸びる。
横跳びでよけて転がるとナイフは俺ではなく近くにいた娼婦の足に刺さった。
悲鳴と共に転ぶ娼婦。咄嗟に彼女の上に落ちようとしていた岩から庇うと、次の瞬間俺の足は鮮血にそまっていた。
「呆けてないでさっさと行け!」
娼婦を立たせて、俺は一人、流れと逆の路地の奥方向へ走る。幸い足の腱は無事。この程度の出血ならしばらく戦える。
このまま人ごみの中にいたら無差別で狙われる。どこから来るか分からない【擬態壁】の相手は無理だ。こっちも無差別に全員殺していいなら対処は楽だが、そんなことすれば俺もお尋ね者。
ひとりの方がマシ。
崩れた店舗の屋根に上り、落ちていた剣を拾って構える。
誰かが落としたのであろう両手持ちの少し重めの剣。
剣はあまり得意じゃないが、ないよりはずっといい。
で、どうする? どうやって数を減らす?
説得か?
「泥濘! お前はこれでいいのか! お前こそ犯罪者じゃないか!」
違う。これじゃ説得にならない。
あいつはそんなこと承知で裏切ったんだ。
なぜ?
心当たりはある。
泥濘はいっていた『【死霊術師】様のためならなんでもする。君とは覚悟が違うんだ』と。
まさか……
まさか【死霊術師】は俺のほかにもう一人いるのか!?
【死霊魔術師】も俺と同じ【死霊術師】?!
「泥濘! 引っ込んでろ! 出てきたら殺す。お前から殺す。必ず殺す。知ってるだろ。俺は殺す。そのきれいな顔面が跡形もないほどぶっ飛ばしてやる」
どこかで見ているだろう泥濘に宣言する。正直裏切りとかどうでもいい!
この状況なんとかして敵を減らさないといけない。
「泥濘! 聞いているな! もし静観に徹するなら俺が勝っても追及しない。約束の衣装もちゃんとあげる。わかるか。この状況お前がやることは一つ。ここは静観しろ!」
切られた足に布を巻き付けて血を抑える。周囲をみまわして敵を探す。
どこにいる!?
どこかから【重力使い】の〈バレット〉が飛んできて俺の手の剣を弾いた。
「気を付けて」
地面を走る深淵が開きナイフが光る。咄嗟に転がってよける。次の瞬間背中に衝撃が走り、体が吹き飛んだ。
撃たれた。
くるくる回りながら壁に激突する。
速攻で立ち上がりその場を離れる。撃たれた肩に力が入らない。
ダメだ。俺が何を言ったところで敵に響く気がしない。
説得は無駄だ。
泥濘の心を動かせるのは【死霊術師】だけ……
【死霊術師】だけ……
俺も【死霊術師】だろ!
俺の味方はいる!
〈死霊の囁き〉に、喉にありったけのマナを込めた。
「きけぇぇぇ! 死霊ども! 集まれ! 俺はここだ!」
楽園中に響き渡る大声を張り上げて死霊たちを呼ぶ。
「一緒に殺すぞ! お前らを殺した犯人をぶち殺すぞ!」
全力でマナを声に乗せる。今まさに死んだばかりで混乱している死霊たちに届くように全力で声を張り上げた。
「騒いでないで全員! 集まれ!!」
「よばれた!」「きたよ」
「しれいじゅつしだ」
「ほんとにいた」
「ほんもの?」
「六禁だぁぁぁ」
「犯人?」「誰を殺す?」
「犯人どこ?」「許さない」「許さない」「許さない」「許さない」「許さない」「許さない」「許さない」「許さない」「許さない」「許さない」「許さない」「許さない」「許さない」「きたよ」「呼ばれちゃった」「こざるおえない」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」「犯人どこ?」
楽園中のマナが、死霊たちが集まってくる。次々どんどんと渦を巻くように俺の上に何十もの死霊たちがフヨフヨと漂った。
「よく来た。お前ら探せ。【魔物使い】【回復術師】【重力使い】だ。位置を教えろ」
「位置?」「かいふく?」
「じゅうりょく?」「まもにーつかい?」
「【魔物使い】【回復術師】【重力使い】だ。返事!!!」
「「「「「「「はーい!」」」」」」」
「いっくぞー」「さがせー……」
「あっ」
「あっ」
「あっ」
「あ、いたよ。【魔物使い】と【回復術師】」
「下」
「見つけた」
「殺そう!」「殺そう!」「殺そう!」「殺そう!」「殺そう!」「殺そう!」「殺そう!」「殺そう!」「殺そう!」「殺そう!」「殺そう!」
拾った瓦礫を〈叩きつけ〉て床を割り飛び降りる。
地下室に泥濘と【回復術師】がいた。
あとがき設定資料集
【覗き見】
※HP 5 MP 4 ATK 4 DEF 10 SPD 2 MG 5
〜深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている。そして深淵を覗くものを覗くものは、深淵の中から覗くもののこともまた覗いているのだ。こちらに被害の及ばない悲劇は至高のエンターテインメントである〜
簡易解説:アルケミスト系統の役職。視覚にまつわる様々なスキルを覚える。覗き見の目は目に見えるものだけでなくありとあらゆる秘密を見透かす。彼らの前では隠し事はできず、心の中で考えていることすら読み解かれるという。教会の定める犯罪役職。




