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第11話 難しい話は聞き流すくらいでちょうどいい

  

「オラたち生きてる」

「助かったべ」


巨大死肉蠕魔虫(タイラントデスワーム)】との戦いの後、それ以上魔物が出ることはなくダンジョン探索終了した。俺たちは1人の犠牲もなく集合場所のダンジョンの入り口に戻ってきた。


「これが大規模クエスト……」


 無事辿りついたという安心で、膝がふにゃふにゃになるのを感じた。緊張と草刈りの疲れのあまり【炎刃】ふくめた全員が野営のテントの前に座り込んでいる。用意された水を飲み、適当に軽食を口にした後、違和感に気がついた。


「人が少ない」


巨大死肉蠕魔虫(タイラントデスワーム)】との戦いもあり、相当時間がかかったはずなのに、他の班の姿が見えない。ダンジョンの入り口を切り開いて作った本部テントに、数人の大規模クエスト運営員がいるだけで他には誰もいなかった。他の練り歩き隊がまだ帰ってきていないというだけではなく、見張りとして本部を守る上級冒険者もいない。

 

 そもそも自分たち含め30班近い練り歩き隊がいたのに俺たちが一番乗りなんてあるのだろうか。

 魔物と遭遇したにも関わらずだ。


「確かに誰もいない。こりゃどうなってる?」


【炎刃】さんも訝しげに首を傾けているとテントの中から見知った金髪の少女が出てきた。いや、少女じゃないお姉さんだ。


「お疲れ様です。。少し危なかったようでしたが、ご無事でなりよりです」


「今どうなってんだ? 何でこんなに本部に誰もいない」


 何で知ってるんだろうという疑問を口にする前に【炎刃】さんが声を上げた。


「皆さま救援に向かわれております。このダンジョンは【炎刃】様が相手したような巨大な魔物や、トラップが多いようでして、冒険者の方々は最低限を残してそれぞれの場所にヘルプに向かわれました」


 お姉さんはそう静かに答えてテントの中を指し示す。確かに中にいるギルド職員と思わしき人たちは、みな仕事に追われるように慌ただしく動き回っていた。


「おいおい、あんなのが何匹もいるのか。初手を取れたから楽に勝てたが、そうじゃなきゃ俺らも結構ヤバかったぞ。なぁ【槍聖】」


 そういって【炎刃】が俺の背中を叩いた。仮登録組も次々に俺の背中を叩く。特に死にかけた【根菜農家】なんて少し涙ぐみながら抱きついてきた。


「生き残れたのは君のおかげだべ」


 死霊にいわれて助けただけなのに、感謝されるのはむずがゆい気分だった。


「大変だったのは存じ上げております。本日はもうお休みください」


 童顔のお姉さんに案内されるまま俺たちはダンジョンを出て、本格的な休憩場所に座り込んだ。そこにも数人の救護班の冒険者がいるだけで他の人の姿はなかった。


 とりあえず今日はもう寝るなり、水浴びするなり好きにしていいということらしい。

 俺は戻って行こうとする彼女に思わず声をかけた。


「ちょ、お姉さん!」


 そう声をかけると彼女は一瞬キョトンとして、一瞬だけはにかみ、そのまま事務的な無表情に戻った。


「何?」

「えっと、この後時間ある?聞きたいことがあって」


 ヒューヒューと後ろで仮登録組が囃し立てている。

 ナンパだと思っているのだろうか?

 確かに彼女は綺麗だがそういうのではないんだ。


 〈隠匿〉の上手い使い方について聞きたいだけ。とはいえ、できるだけ知られるリスクは避けたいので、彼らの前で詳しい話をするわけにはいかなかった。


「今、私忙しいんだけど」


 彼女はめんどくさそうに顔を顰めた。それからまたジッと見つめる様に俺の顔を見て、そしてため息をついた。


「じぁ後でね。炊事場で待ってて」



 その後、俺はゆっくり休みたかったのだが、彼女との関係を聞きたがる仮登録組や【炎刃】さんに邪魔されて、寝れることはなかった。いや、正確には和気あいあいと邪魔されていたのは最初だけで、途中からは目の前に繰り広げられる悲惨な状況に、全員が俺を茶化す余裕もないほど困惑していた。


 俺たちに続いて一組、二組と帰ってくる練り歩き隊。五組目をまわったあたりから彼らの中に負傷者が目立つようになった。次々と運び込まれる負傷者たちが〈ヒール〉持ちの上級冒険者たちによって治療されていく。

 

 いつのまにか〈ヒール〉は追いつかなくなり、命に別条のないものは、休憩場所に放置されるようになった。休憩所はすぐにうめき声であふれ、血と傷の匂いがただよいはじめていた。


「もう死んでるわ」


 仲間をひきづりながら帰還した班に対して、〈ヒール〉持ちの冒険者が冷たく答える。そんなやりとりが何度かあり、未帰還の班をいくつか残して大規模クエスト一日目が終了した。


「俺死んじゃった」

「大規模クエスト来たらダメだった」

「大規模クエスト死んじゃったよ」


 今まさに死んだ冒険者や仮登録たちの死霊が辺りを飛び交っている。


「ね、言ったでしょ。みんな死ぬって」


 相変わらず崩れかけ大きな死霊が囁いた。それの体はなんとか形を保っているが、少しつつけばまたバラバラに崩れてそうだ。


「君が中止にしないとみんな死んじゃう。だからお願い」


 大きな死霊はそれだけ言い残してまたバラバラになって、まぎれて消えた。



 数刻後、夕飯の炊事場で、俺はあからさまに不機嫌なお姉さんに睨まれていた。


「で? 何?」


 不機嫌な理由は明らかだった。大規模クエストの状況が散々すぎるのだ。


 先ほど発表された話では本日の探索で、大規模クエストの参加者302人中死者25名、戦線離脱級の負傷者29名、目標未達のグループが半数以上とのこと。

 通常この手の大規模クエストでは最後までやり遂げて数人の犠牲者がでるくらいのものなので、現時点で既に数倍近い被害が出ていた。まだダンジョンの表層に手を出しただけにも関わらずこの有様は、まさに大敗北といっていい結果だった。


 一旦諦めて、帰って仕切り直すべきではないか

 このまま続けるなら逃げた方がマシ

 帰りたい


 特に被害の大きかった仮登録組の中ではそんな言葉が飛び交うほど士気が下がっていた。


 大規模クエスト運営のギルド職員たちは、遺品整理から原因究明、班分けの修正、作戦変更など事後処理と明日以降の準備ためにとても慌ただしくしていた。


「〈隠匿〉スキルについて、上手い使い方ってどうやるか聞こうかと」

「私は忙しいんだけど」


 運営側の人間である彼女も多分に漏れず、あっちへ行ったり、こっちへ来たりと、飛び回っている。



「と、思ったんだが、それ以前にまず姉さんは何で俺たちの動き分かってたのかなって」

「あなた、私の仕事が何かわかってる?」


 彼女は綺麗な金髪を揺らしながら絶句したように顔を歪める。眉がぴくぴくと揺れていた。


「いや、さっぱり」

「嘘でしょ。何で知らない…...いえ、何で誰も教えてないのよ」


 彼女は大きなため息をついて、そのままへたり込んだ。


「しなきゃいけないことたくさんあるのに…...」


「頼む。他に頼れる人いないからさ」


 彼女があきらめたようにパンと手をたたく。不満げな表情はいつもの事務的な無表情に戻っていた。


「わかりました。お教えいたします。私は、【槍聖】ナイク様の班、安全確認第11班の担当オペレーターをしてました。ルートの確認から戦況報告まで飛ばしていたゴーレムで得た情報を班長の【炎刃】インバルさんとやりとりしていました」


 彼女の手の上の白い金属の塊がふにゃふにゃと変形して、小さな羽虫のようなゴーレムが作られる。

 ゴーレムは元気よく飛び上がり、俺の頭の上をブンブンと聞き覚えのある音を立ててながらくるりと回った。確かダンジョン内を草刈りしていた時にいた虫。


「それゴーレムだったのか。虫かと思ってた」


「これは監視用ゴーレムです。術師と直接視覚を繋げることができます。なので私はあなたが【巨大死肉蠕魔虫(タイラントデスワーム)】を二匹とも見破ったのも知っておりますし、迷いながら〈槍投げ〉したのも見てます」


 ブンブン飛び回るゴーレムはそのまま俺の肩に止まった。そのままジッとこちらを見つめている。確かにいつも彼女がやるような仕草だ。

 本当に見えているのか確かめるべく、ゴーレムの目のようになっているところを指で抑えるとゴーレムと同時にお姉さんとがピクッと震えた。


「今回の大規模クエストみたいな、何組もパーティが連携するクエストではオペレーターのゴーレム使いが入るのは常識です」


「へぇ」


 全然知らなかった。開拓村にはゴーレム使いは1人しかいなかったし、その人もちょっとしたゴーレムが作れるくらいで、視覚を飛ばせるなんて話は聞いたこともなかった。


 マルチウェイスターは錬金術師の街、ゴーレム生成の得意なアルケミスト系統の役職が多い。おそらく目の前の姉さんもアルケミスト系統の役職なのであろう。


「アルケミスト系統なのか」


 この前、ギルド職員の筋骨隆々のハゲたオッサンにアルケミスト系は顔でわかると言われたが、俺にはさっぱりわからなかった。彼女の顔を見ても、アルケミスト系統の特徴はよく分からず、ただの整った顔にしか見えなかった。


「もしかして私のこと知らない?」

「実は全く。年上のお姉さんとしか」


 彼女は不満そうにフルフルと震えた。


「ギルド職員の【錬金術師】フリカリルトです! 普段は冒険者ギルドで受付とか会計やっています。結構、有名人なんだけど、仮登録のあなたは知りませんよね!」


「あ、俺【槍聖】ナイクです。今回は仮登録で大規模クエストは初参加になります」


「【()()】! 私は知ってます。この前お話したので!」


 お姉さん、もといフリカリルトは余計疲れたとばかりに、そばにあった机にもたれかかった。事務的な表情はまたふっとんでいて、今は疲れたように目を細めている。


 羽虫のゴーレムが彼女の手の中に戻って再びただの白い塊になった。


「世間知らず。せいぜい小悪党ね。大それた悪事を働くとは思えないわ」


「ん?」


「何でもない。で、隠匿スキルの方だけど。教えてもいいけどそれをするだけの得は私にあるの?」


 得……得かぁ

 まぁ、そういう話になるよな。

 スキル一つが命に関わるこの世界でスキルの知識はそんな安いものではない。

 それに見合うだけの対価は……


「ない。貸しひとつってことでなんとか」


「あなたねぇ……まぁ合格ね。適当なこといってきたら断ろうと思ったけど、今回は貸しひとつで教えてあげる」


「いいね! 最高!! フリカリルト!!!」


「高くつくわよ」


 フリカリルトはあきれたように首を振った。


「〈隠匿〉なんだが、あれからずっと練習してたのに全然わからなかったんだ。代わりに気配をより消せるようにはなったけどさ」


 自らに〈隠匿〉を強くかけて気配を消す。


「どうりで、あの時全然【巨大死肉蠕魔虫(タイラントデスワーム)】に狙われてなかったのね」


 彼女はジトっと少し軽蔑したように俺を見た。

 これは戦いの時に〈隠匿〉使ったのバレていそうだ。


「まず【槍聖】さんはスキルについてどこまで知ってるの?」


「どこまで?」


「〈隠匿〉は操術スキルの一つとか。効果範囲の形状が高粘性液体様球状だかとか」


 そうじゅちゅ?こうねんせいえき?


「聞いたことねぇ。秘匿系のスキルってやつじゃないのか?」


「その分け方は慣習的な区分です。が、いいわ。今のは忘れて。今度教科書を貸してあげますので。スキルについて基本的なことはそこで学んでください。マルチウェイスターなら子供でも知ってる基礎的な常識です。あなたなら読めばわかる……」


 それからフリカリルトはハッとした顔をした。


「字は?」


「読めるぞ」


 開拓村に教育制度はなかったが、字と算術だけは覚えておけと父が教えてくれた。家に本も沢山あったのである程度のことは知ってるつもりだ。父が読んでいる姿は見なかったのできっと【死霊術師】の母の持ち物だったのだろう。


「なんなら算術だって、村で一番だったんだぜ」


「どの程度?」


「複素数くらいならわかる」


「マルチウェイスターで算術わかるっていうのは多次元変換くらいは完全にマスターしてからです」


 マルチウェイスターはどうやらすごいとこのようだ。開拓村にいた時は子供心に自分は賢い方だと思っていたが、さっきの説明といい教育レベルが違う。

 何を言っているのか理解できない。


「分からないことはわかった。〈隠匿〉スキルについて簡単に教えてくれ」


「そうね。〈隠匿〉は秘匿系スキルの中では結構特殊なスキルなの。隠せる事象の範囲の広さもそうだけど最大の違いは隠し方よ。あなたも感知系スキルを持ってるからわかると思うけど感知スキルは知りたいもの全体を広く伸びるように広がって情報を得られるの。〈隠匿〉はそこに全く読み取れない穴があくの。何かで覆い隠したみたいにぽっかりと。他の秘匿スキルが薄めるように隠すのは全くの逆ね」


 【巨大死肉蠕魔虫(タイラントデスワーム)】を教えてくれた〈死霊の囁き〉のことを感知系スキルと勘違いされているようだ。全体的に言いたいことが難しくてよくわからないが、なんとなく理解するしかないだろう。


「つまり〈隠匿〉は穴をつくってて、それがわかっちゃうってことか?」

「そう。あんたの〈隠匿〉はほんとにくっきり。絵の具で真っ黒に塗りつぶしたみたいに強引に隠してる。どこをどう隠してるかわかるくらいにね。そんなに役職を隠したいの?」


「まぁ」


「【()()】も大変ね」


「上手い隠し方ってのは穴の存在すら認知させないようにすること。要は隠してると気が付かせないように隠す。私は〈隠匿〉の使い方は教えられないけど、私の知ってる〈隠匿〉スキル所持者の人はそうやって〈隠匿〉つかってるわ」


 〈隠匿〉していることすら気が付かないほどうまく〈隠匿〉する、ね。

 なるほど、分からん。


「割とよくあるスキルなのか?」


 もしそうなら弟子入りしたいくらいだ。〈隠匿〉は【死霊術師】にとって生命線、どれだけ上手くなっても、やりすぎということはない。

【錬金術師】フリカリルトは俺の言葉に首を大きく横に振った。


「そんなわけないでしょ。すっっごく貴重なスキルよ。私の〈世界知検索〉で調べてもその取得条件すら〈隠匿〉されて隠されているくらい」


「つまり」


「自分で見つけるしかないでしょうね」


 フリカリルトの知る限り、〈隠匿〉持ちの市民はマルチウェイスターの街全体で俺を除いて2人しかいないらしい。マルチウェイスター市民約12万人全体で2人。


 珍しいスキルなのは間違い無いだろう。他2人も俺と同じように自分の役職を知るものを殺し、《神意の隠匿》の実績を解放することで手にいれたのだろうか。それとも別に〈隠匿〉を取得する方法があるのか。


 いずれにせよ。相当な危険な人だろうと予想がつく。

 俺なら、自分の秘密を探ろうとしてきた人間は場合によっては殺すことも考える。多分その2人も同じようなものだろう。

 少なくとも見ず知らずの人間に手取り足取り使い方を教えてくれるような人ではない。


「困ったな。結局どうやればいいのか分からないのか」


「私も知らないわよ」


「とりあえず今、本気でやるとこうなるんだけど。どう見える?」


 もう一度〈隠匿〉にMPを注ぎ込んで一時的に強化する。今できる最大のMPをつぎ込む。

 彼女は目を細めるようにこちらをジッと見て、それから首を横に振った。


「穴がわかりにくくなったというより、穴が大きくなった感じね」


「違うか」


「でも意外と悪くないわ。読む側からいうと境目、読み解ける所と読み解けない所の違いがわからないと判断もつけれないから。穴自体が大きくなれば境目なんて言ってられなくなる。でも、それじぁ。スキルの露光で他が見やすくなっちゃうか……」


 彼女は急にぶつぶつ呟いて、考え始めた。露光だの、概念だの、境界流速だのよくわからない単語が言葉の中に混じっている。


 きっと色々考えてくれているのだろう。

【錬金術師】といえば、アルケミスト系統の基礎役職。かつて魔王と【勇者】の戦いの時代から存在する役職だ。とてつもなく優秀で、賢い人がなる役職として有名だった。


 この子は何者なのだろうか。


 ふわりとした金髪はよく手入れされていて育ちがいいのがわかる。

 しかも顔も相当整っている。母親も同じように美人だとすると、いいとこ貴族の妾の子といったところか。

 意志の強そうな眼差しは、まっとうに育った証拠だろう。大貴族の妾でなく、地方貴族の正妻の娘かもしれない。笑うと印象が和らいで顔の美しさが際立ちそうだが、彼女は残念ながらしかめ面か無表情しかしてくれなかった。


 少なくとも、心も体も屈強な女性しか生き残れない開拓団ではお目にかかれないタイプだった。



「聞いてる?」


 俺がボーと彼女を眺めている間にフリカリルトは何か気がついたらしい。


「一段階深く〈隠匿〉をすれば良いのよ。〈隠匿〉を〈隠匿〉する感じなのかな。理論的には可能はなはずよ。〈隠匿〉は情報を隠すスキル。もし覆い隠しているという概念情報すら覆い隠せる〈隠匿〉使いがいれば、それの存在に気がつくことなんて誰にもできないでしょ?」


「ガイネン情報?」


「そう。それでもまだ気付かれそうなら、さらに何段階も深く〈隠匿〉を積み重ねればいいの。どう? できそう? 積層型〈隠匿〉」


 何を言ってるのかさっぱりわからない。


「ともかく深く隠匿すればいいのか?」


 フリカリルトはコクリと頷いた。


「乗りかかった船だから、あなたが完璧な〈隠匿〉ができるようになるまで協力してあげるわ。〈隠匿〉スキルなんて滅多にいないから、ちょっと面白そうだし」


 この知的好奇心は【錬金術師】の特徴なのだろうか。彼女はキラキラした目で俺の方をみて笑った。


 こちらとしても〈隠匿〉の訓練に付き合ってもらえるのは正直かなり助かるが、自分の役職がバレている相手とあまり積極的関わりたくないというのが本音だった。


 どこで機嫌を損ねるかわからない。


「忘れないでね。貸しひとつよ。【槍聖】ナイク」


 そう最後に不吉な言葉を残してフリカリルトはまた仕事へ戻っていった。


 残念ながら、その言葉の意味は翌日わかることになった。





【錬金術師】

※HP 6 MP 6 ATK 4 DEF 5 SPD 5 MG 4

〜錬金術師は理想(イデア)を追い求める生き物である。良き知識、良き金属、良き使い魔、良き肉体、良き隣人……なぜか良き常識だけは求めてくれないが〜


簡易解説:アルケミスト系統の基礎役職。アルケミスト系統の特徴である、鑑定系、検索系、合成系、ステータス上昇系のスキルを持ち、まさに万能役職と言われる優秀な役職。

かつて【勇者】と共に魔王を滅ぼした六人の仲間の1人、通称”勇者の知恵”は【錬金術師】であったと記録されている。


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勇者は"六人"の仲間と戦ったのに、 「かつて【勇者】と共に魔王を滅ぼした"五人"の仲間の1人」 はおかしいのでは?
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