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ーーー月が綺麗だねーーー


 誰かが、言った。

 

 私は、月を横目に、一人歩き出す。


 目をつむらなくとも、私がしてしまった愚行が蘇る。





 ミスをしてしまった。


 だけど、すぐに立ち直せると思った。


 けれど、現実は残酷で、友が次々と赤く染まりながら倒れていく。


 私は理性を無くして狂いに狂ったが、もう何もかも遅かった。


 あの時違う行動をとっていれば。あの時ああしていれば。


 何度懺悔しても、もう友は戻らない。








 私に残ったのは、赤く紅く染まった手だけだった。



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