〜 デビュタントパーティー 〜
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
殿下の誕生日パーティーから、ひと月。
血の涙を流した歴史に残る婚約者披露の騒動。
その熱も未だ冷めやらぬ会員たち。
殿下と婚約者様がパートナーとして公にお出になるのは今日が初。
絶対この機会を逃してはいけないと意気込んで参加する会員たちは、今年デビューする15歳の彼ら彼女らよりも思い入れはひとしお。
入場された殿下と婚約者様。
おふたりは揃いの黒い衣装。
王族用の扉から入るおふたり。はじめてのシーンに胸は高鳴る。
相変わらずの仲睦まじさではあるが、以前よりも温度を高く感じる。
腕に手を添える婚約者様のその手をエスコートする手とは反対の手でずっと押さえている殿下。
仕草のひとつも見逃せない。瞬きさえも許されない。
本当におふたりは婚約されたのだ。
改めて胸に実感が込み上げる。
同時に歓喜の涙も迫り上がる。
勝手に応援し、見守ってきた今までの数年が走馬灯のように思い出される。
きっと私たちには思いもよらないようなことがたくさん、今日までのおふたりにはあったのでしょう。
それは辛く苦しいことだったことでしょう。
今日までの辛苦に涙が堪らず零れる。
微笑みひとつ、視線ひとつにもおふたりの想い合う心が現れている。
今まで秘匿されてきた想いは、こんなにも美しく温かく甘いものだったのですね。
過去に何度もおふたりが並び立つお姿を見てきました。
お互いが厚い信頼を寄せ合う、そんな絆の強さを感じました。
その根底にこんなに美しいものを隠していらっしゃったのですね。
感謝の涙に、当てたハンカチもこれで3枚目を迎えます。
準成人となる15歳の彼らを祝う陛下の挨拶が終わり、ダンスが始まります。
ファーストダンスは殿下と婚約者様、そして今日の主役たち。
会場内には、今日の主役たちが煌びやかなドレスと新鮮さを纏わせます。
そんな彼らが霞んでしまうほどの圧倒的な存在感。
そもそもおふたり以外は、おふたりを引き立てるために舞台を作り上げるセット。
婚約者様の背に回した殿下の手。
殿下を見上げる婚約者の髪は、今日は緩やかに編み込まれひとつに纏められています。
しっかりと視線と身体を受け止める殿下。
公務ですよと揶揄いたくなってしまうほどの、深く甘やかな微笑みを浮かべる殿下。
そして踏み出された1ステップ。
流れるように始まるダンス。
一曲目は今日の主役たちを祝うのに相応しい明るく軽やかな曲。
素晴らしい未来を期待するような曲調は、そのまま殿下と婚約者様の未来を約束してくれているよう。
微笑み合うおふたりに、5枚目のハンカチを取り出します。
おめでとうございます。
おめでとうございます。
殿下と婚約者様は二曲目もそのまま踊られるようです。
ダンスフロアから離れる主役たち、代わりに歩み出る者たち。
そんな人の流れの中にありながら、おふたりの空間だけはまるで時間が止まっているようです。
誰にも邪魔はされないのです。
先程までの新鮮さは華やかさへと打って変わったようですが、それもただの背景。
改めてぐっと身体を引き寄せる殿下。
殿下に身を任せ、踏み出す二曲目。
少し落ち着きを持たせた曲。
ターンでは美しい銀髪と上衣を靡かせます。
キラリと光った蒼いピアス。
上衣の裏地を占める蒼い色。
それを誇るような婚約者様の美しい微笑み。
婚約者様は以前は全く感情をお見せにならない方でした。
いつも鋭く冷たい眼差しと表情をされていました。
そんなことを忘れさせるほどに馴染んだ微笑みです。
つまり以前から殿下の前だけでは、あのように微笑んでいらっしゃったのでしょう。
もう隠す必要はないのですよ。
もっとたくさん笑っていいのですよ。
たくさん幸せになってくださいね。
6枚目を握りしめます。
あぁ、二曲目も終わってしまいます。
足を止め、ホールドしたまま向かい合うおふたり。
殿下が徐に婚約者様の頬へキスを贈りました。
婚約者様は恥ずかしがりながらも嬉しそうに殿下を見つめ返します。
あぁ、神様。
この瞬間が永遠に続けばいいのに。
その永遠を許さない三曲目。
おふたりに近寄ったのは婚約者様の弟君。
どうやら三曲目を踊るらしく、弟君へと婚約者を引き渡します。
弟君の衣装は青紺の映える青みがかった灰色。
婚約者は殿下と踊る時には妖艶に嫋やかに見えていましたが。
弟君と踊っている姿はまさに貴公子。
背の低い弟君をしっかりホールドし、繊細にも力強くリードする紳士ぶりが伺えます。
その美しさから忘れがちですが、最高に素敵な紳士なのですよ。
殿下は他の誰かと踊ることはせず、近衛隊副隊長様と飲み物片手に会話をしています。
それでも目線はしっかりと婚約者様を捉えているようです。
副隊長様の視線の先も同じ。
楽しげなご兄弟を見守っておいでですね。
何やら弟君の言葉に微笑みで返す兄君。
ターンした弟君を抱き留めた兄君。
抱き留めたついでかのようにおでこにキスを贈る兄君。
心臓が止まりました。
この道を進んではいけません。
新たな見守りなど。
可愛らしく喜ぶ弟君に兄君も満足げです。
心臓が拍動を再開させてくれません。
鷲掴みにされた心臓が千切れそうです。
私がいたいけな少年に弱いことは秘匿するべきことなのです。
公爵家のご兄弟は大変仲が良いそうです。
先日の殿下の誕生日パーティーで初めて公の場に顔を出した弟君。
そこからはどこの家でも会でも弟君の情報を集められるだけ集めたことでしょう。
その予備知識があったとて太刀打ちできぬ衝撃。
大層可愛らしいおふたりのダンスも、終わらなければいいのに。
そんな願いも虚しく曲は終わりを迎えます。
今度は弟君が兄君をエスコートしています。
そして向かう先は殿下の元。
8枚目のハンカチは手汗専用に成り果てました。
弟君は殿下へ兄君を返上するようです。
そして自らは副隊長様の横へ。
どうやら今日このおふたりはパートナー同士のご様子。
4人で飲み物片手に話をされています。
会員ばかりの会場内に、彼らにダンスを申し込もうと勇み出る令嬢も令息もいません。
恐らく殿下と婚約者様はもう踊らないでしょう。
私の網膜に殿下と婚約者様のお姿が刻み込まれました。
そして心臓には弟君と兄君が。
今日という素晴らしき日に感謝を。
さて、気持ちを切り替えなければ。
周囲へ迷惑をかける場合を想定し、予め一箇所に固まって見守っていた会員たち。
私の周りにはそんな彼女たちの折り重なった屍の山。
死因は幸福の供給過多。
何とも幸せな死因です。
私は彼女たちの屍を踏み越え飛び越え、向かわなければならないのです。
どれだけ幸せで死にそうになったとしても。
負けられない戦いがそこにあるから。
死亡したハンカチを通りすがった給仕に廃棄するよう依頼し、10枚目のハンカチを手に気合いを入れます。
噂の双子を探さなくては。
他にも必ずある新しい可能性を探さなくては。
そこに愛がある限り私たちは見守ることをやめないのだから。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「こういうのも、いいですね。」
「あぁ、これからはもっと……」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
そんなやり取りが耳に入る。
その声は静謐と歓喜が入り混じっていた。
それが私の頬さえ緩ませる。
この感動という名の情報を早く彼女に伝えなくては。
二曲目のラスト、彼らのすぐ傍でダンスを終えられるように緻密な計算でステップを踏んだ。
リードは相手の男性から早々に奪ってしまった。
と言っても兄であるが。
やっとで彼女を見つけた。
彼女も私を探していたらしい。目が合うとすぐにこちらへ足を向ける。
今日はピンクブロンドの柔らかな髪の色合いを引き締めるワインレッドのドレスを纏った彼女。
私の元へ辿り着いた男爵令嬢は普段のぼんやりとした雰囲気は脱ぎ捨て、精悍さがある。
いつも下ろしている髪をひとつに後ろで纏めたせいか、ドレスが厚みと広がりを抑えたタイトめのドレスだったからか、随分と大人びている。
「私と踊っていただけますか?」
私の手を掬い、手の甲を口元へ寄せる。
「えぇ、喜んで。」
その返事を待ってから、手の甲へひとつキスをくれる。
私よりも頭半分ほど背の高い彼女。
私を見下ろす瞳に獰猛さが見え隠れする。
曲の終わりを待つ間、手持ち無沙汰だったのか、語りたい気持ちを必死に抑えていたのか、ひたすら私の腰や背中を撫でる。
ほぼ抱き締められているような近さに彼女の逸る気持ちを伺い知る。
曲の切れ間にダンスフロアへと進み出る。
しっかりとホールドされる腰。
見つめ合い、引かれる右手。
彼女のリードに身を任せる。
「そちらから、どうぞ。」
そう促され、踊りながら彼女だけに聞こえるように声を抑え説明を始める。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
二曲目が間も無く終わってしまう。
婚約者様が殿下を見上げる。
「こういうのも、いいですね。」
そこには願いが届いたような喜びが隠れていた。
「あぁ、これからはもっと……」
その言葉を受けた殿下は愛おしげに優しい眼差しで婚約者様を見つめる。
曲が終わりを告げると同時に婚約者様の頬へキスをひとつ。
頬を紅潮させた婚約者様は恥ずかしそうに、それでも嬉しそうに微笑みを返した。
今日のおふたりは揃いのデザインの黒い衣装。
殿下の髪色に合わせたのだろう。
違うのはそれぞれが身に付けたクラヴァットピンに光る宝石だけ。
殿下は婚約者様の翡翠色を。
婚約者は殿下の蒼玉色を。
それはおふたりが着けている揃いのピアスとも同じ色。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「きっと今まではふたりきりの……秘密の舞踏会だったのでしょう。これからは公の場で躊躇なく踊れることへの実感が、喜びが込められておりました。」
得た情報を元に分析した結果を伝える。
「そうですね、きっと周囲には練習だと偽ってふたりで何度も踊っていたことでしょう。伴奏さえなかったかもしれませんね。」
さらに分析を進める男爵令嬢。
「……ままならない関係への切なさを感じますね。」
切なさに溜息が零れます。
「結婚すれば3回以上続けて踊れるようになりますから、そのことも含んだ“これからは”なのでしょう。ご馳走様です。」
涎を啜る男爵令嬢。
「……報われ辿り着いた幸福への切実な喜びを感じますね。これからはこれが当たり前になっていくんだよ。そういうことですね。」
胸が熱くなります。
「書くことが増えました。感謝します。」
喜びから涎の止まらない男爵令嬢は、涎を啜ると同時に腰に回した腕に一際強く力を入れたため、ふたりの身体は一部の隙間無く密着した。
引き寄せた身体の肩に凭れるように、大きな溜息を吐く。
「では今度は私が。」
彼女があそこまで焦っていた理由が語られる。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「僕の……」
そんな呟きを零したのは婚約者様の弟君。
弟君の見つめる先。
そこには今日のパートナーの副隊長様。
副隊長様の腕の中にはどこぞの御令嬢。
弟君の眼差しには寂しさと焦り。
握りしめられる拳と、固く引き結ぶ口元。
そんな視線を送られている副隊長様も、ダンスに集中しているようにも、令嬢に熱を上げているようにも見えない。
気もそぞろ。
副隊長様が頻繁に視線を向ける先には弟君。
おふたりの年齢差は恐らく12歳ほど。
準成人にも満たない弟君と、既に役職に就くほどの立派な成人。
成人していれば12歳差など何の障害にもならない。
けれど今はまだ。
ダンスを終え弟君の元へ一直線に向かう副隊長様。
弟君の機嫌を損ねてはいないかと気が気でもない様子。
副隊長様を迎える弟君は少しだけ不機嫌そうであり、拗ねている様子。
弟君の手を取り、エスコートするように腕に添える。
「只今戻りました。」
さっきまでの空気を薙ぎ払うような満面の笑みで副隊長様を見上げる弟君。
それに安堵の微笑みを向ける副隊長様。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
弟君のいじらしく可愛い様に心が悶え膝から力が抜ける。
それを察した男爵令嬢が手を、腰を再び強く引き寄せてくれる。
「わかります。私も顎が外れそうになりましたから。」
「弟君は婚約者様の側近になられ副隊長様も殿下の側近に。それがふたりの恋の嵐を呼んだのでしょうか。」
もしあの日に出会ったのだとしたら。
「以前から見知った仲であっても不思議はないですが、私はそれがふたりの距離を急速に縮めたという体で書こうと思っています。」
「全年齢対応とは言え、15歳未満ですから表現と展開には十分気を付けてくださいね。」
「15歳未満でもできることはたくさんありますから、ご心配なく。」
「早く読みたいですね。」
そこで曲が終わりを迎える。
強く抱き締め合ったまま、見つめ合う。
「少し、涼みましょう。」
男爵令嬢に手を引かれダンスフロアを抜ける。
バルコニーにはちらほらと人が居る。
会話には気を付けないといけない。
バルコニーの手摺りを背に立ち、会場からの視線を遮るように男爵令嬢が立ちはだかる。
「非公式ならではの自由さ、公式ならではの不自由さがあると今回思い知らされました。」
男爵令嬢は項垂れている。
「そして未成年は悪魔の果実。背徳感という最高のスパイスを思う存分振り掛けられます。堪りません。」
項垂れながら視線だけをこちらに向ける男爵令嬢の眼差しには獰猛さが暗く光る。
ダンスの前に見え隠れしていたものの正体を掴む。
「このまま侯爵家へ一緒に帰りますか?」
「そうさせてください。我慢できそうにありません。」
「喜んで、提供させていただきます。」
「満足させられるよう努めます。」
「それは私の言葉よ。」
「……もう帰りましょう。」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
バルコニーにほど近い壁際から見つめる先。
そこには、普段の虚さを微塵も見せない男爵令嬢。
男爵令嬢が凛々しくリードするその腕に収めるのは侯爵令嬢。
「主人が下僕をエスコートする、か……」
侯爵令息がぽつりと呟く。
それに反応したのはお馴染みの3人。
「その言葉だけで美味しいです。」
苦しそうに胸を押さえているのは男爵令息。
ひっきりなしに眼鏡の位置を直す伯爵令息。
紅潮させた頬を隠すように両手で顔を隠す子爵令息。
彼女たちはこの広い会場内で、お互いがお互いを探していた。その姿を認めると一直線に相手までの距離を詰めた。
行き交う他の令嬢も令息もまるで見えていない。
見えているのはお互いだけ。
パートナーにお互いを選べなかった何かしらの事情はあるようだが。
やっとで辿り着くと、すぐさまひっしと身を寄せ合うふたり。
まるで収めるべきところに収まって安心しているよう。
男爵令嬢がダンスに誘ったのだろう、手の甲にキスを贈る。
男爵令嬢がリードを取り、フロアに進み出るふたり。
「普段見掛ける男爵令嬢とはまるで人が違うね。」
侯爵令息は、虚な瞳で茫然としている男爵令嬢を思い出す。
「生きているところを初めて見ましたね。」
眼鏡の位置が定まったらしい伯爵令息。
「同じなのは髪色だけですね。」
子爵令息も続ける。
「ドレスの色は侯爵令嬢様の髪色か。」
侯爵令息が神妙に頷く。
彼女たちはステップを踏みながらも絶えず耳打ちし合っている。
何を話しているのかは一目瞭然。
見つめ合い頬を染めているのだから。
気が緩んだのか、少しステップのズレた侯爵令嬢をぐっと引き寄せた男爵令嬢。
「ダンスの最中に考え事?余裕があるのね。」
男爵令息の呟きに、3人が一斉に振り返る。
彼女たちの唇を読んだらしい。
「あなたは私のことだけ考えていればいいのよ。」
男爵令息の呟きに耳をそばだてる3人。
詰る男爵令嬢にさらに頬を染め、見惚れる侯爵令嬢。
曲が終わるも、ふたりは抱き合ったまま。
「悪い子ね。」
男爵令息の言葉に息を呑む音が、何故かあちらこちらから。
彼女たちがこちらへ、バルコニーへ向かって歩いて来る。
私たちも興奮を冷まそうではないか、と自然に皆をバルコニーへと誘導する。
「ダンスで正体した時に、女性同士だと脚を割って入るスカートとスカートが重なって撓む。パンツとスカートだとあそこまでの淫靡さは出せない。なんて趣深いんだ。」
唸るのは男爵令息。
その言葉を夢中になって反芻すること数十秒。
彼女たちがバルコニーへと踏み入る。
侯爵令嬢を逃さないように、バルコニーの手摺りと自らの身体でしっかりと囲う男爵令嬢。
殆ど抱き締めている。
ふたりの横顔は翳り、表情は見えない。
そして聞こえてくるのは男爵令嬢の声だけ。
「…………」
「……我慢できそうにありません。」
「…………」
「……満足させられるよう努めます。」
「…………」
「……もう帰りましょう?」
懇願したのは主人であるはずの男爵令嬢。
暗く澱んだ笑顔にぎらりと光る瞳。
野生の獣のようなそれに背筋をざわりと撫でられる。
「……嫉妬でしょうか。」
彼女たちが立ち去ってから、息を潜めるのを一番にやめたのは伯爵令息。
「もしくは叱責か……。」
帰った後のふたりがどのような行為に走るのか、思いを巡らせる。
「それを主人が下僕に懇願する……」
相反している様が余計に婀娜やかさを醸し出す。
さっと子爵令息にハンカチを手渡す。
お礼を言う余裕もなく、それを鼻へと押し当てる。
「私もギリギリ耐えているよ、君だけじゃない。」
申し訳なさそうにする子爵令息を励ます。
その背を摩ってやる伯爵令息の眼鏡もいつも通り、何も見えないほどに曇っている。
「我慢を解放させた野獣のようなご主人様が、下僕を満足させられるまでむしゃぶりつく……」
言葉を選ぼうともしない男爵令息。
こちらに背を向けバルコニーの外を見やる男爵令息。
茫然自失。天を仰ぐ。
「……探さないでください。」
男爵令息は徐に手摺りを乗り越え地上へ降り立つと、決してこちらを振り返ることなく、肩を竦めるように背を屈めゆっくりと立ち去った。
「あいつ、会場に戻れない身体になってしまったんだな……」
残された3人は、その背が見えなくなるまで見送った。
そして地上へ降りる階段を3人でゆっくりと目指した。
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