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〜 公式 時々 非公式 ① 〜

 


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



「ここが話題のカフェですね。随分と賑わっているようですし、予約しておいて正解でしたね。」

 黒髪黒目に眼鏡がトレードマークの伯爵令息が店の前に並ぶ行列を見て安堵の溜息を吐く。


「結構並んでるね、カップルはもちろん、女の子同士もたくさん。」

 蜂蜜色の髪の毛が屋外では一際輝いているのは子爵令息。


「そんななか我々男4人組とは、なかなか勇気が要るな…」

 大きな図体でもじもじとしているのは男爵令息。チョコレート色の髪の毛は短く男らしい。


「こんな場所だからこそ私たちは潤いを与えてもらえるんだよ。そうだろ?」

 金髪碧眼のキラキラしい貴公子、侯爵令息がそう言って残る3人を鼓舞し入店した。


 小さなテーブルに対面で椅子が2脚。それをふたつ隣り合わせで用意させていた予約席。店内の席はいずれも同じで、基本的には2人での来店を想定しているらしい。また落ち着いた雰囲気を出すために席の間には低めの衝立が配置され、背の低い女性であれば少し腰を浮かせると周囲全体が見回せるような高さに設計されている。客同士の視線がぶつかることを回避する店側の配慮が私たちを唸らせた。


「これは、どうぞ観察してださい、と言っているような設計だな。」

 予約席まで案内してくれた給仕が去ると伯爵令息が唸った。


「そうだろ?カフェといえば大体が大きな一部屋で何の仕切りも無いところが多くてね……視線を巡らせることがなかなか難しいんだよ。この店は事前に調べていたから知っていたが、想像以上に良さそうだ。」

 侯爵令息は満足気に微笑みながら、慣れない場所に立ち入った他3人にメニューを手慣れた様子で見せる。


「滞在時間が長くても不自然だと思われないように、まず飲み物と軽食を頼んでゆっくりと片付ける。そして暫く間を置いて、もう一度飲み物を頼むって感じでどうだろう?」

 慣れない3人が頷く。


 給仕を呼び注文し、飲み物が届くのを待つ。


「同世代同士、姉妹、親子、ご婦人方って感じの組み合わせに見えますね。」

 子爵令息がそわそわと周囲を軽く見回す。


「あの女の子たち、テーブルに本を広げて一緒に見ているね、おでことおでこでキスしているみたいだね。」

 ふたりは時折り本から顔を上げ見つめ合い笑う。今にも笑い声が聞こえてきそうな楽しげ雰囲気に、可愛らしいカップルが出来上がる。


「きっとふたりは周りからも認められた仲なのだろうね、悲壮感は微塵も感じない。顔を上げると今度は鼻と鼻でキスしようか…って躊躇っているようだね。」

 じんわり、ぽかぽか。侯爵令息の解説に伯爵令息と子爵令息が頬を緩める。


「あちらのふたりは年齢差があるね、若い娘が嫁いだ先の義理の姉……さきほどと違って悲壮感を感じるだろ?嫁ぎ先で初めて出逢ってしまったんだから仕方ないよね。女性同士だからこそ周りに怪しまれずに一緒に出掛けたりできるのだろうけれど報われない状況には変わりない。あの触れそうで触れない距離に置かれたふたりの手が語ってるよね。」

 きりきり、じくじく。侯爵令息の解説に伯爵令息と子爵令息が眉を下げる。


「あちらを見てごらん、スカートで隠れているけれど、あれは靴から足首までお互い直に触れ合っているよ。彼女たちはもう何度も愛し合った仲なんだろう。この後もどこかで一晩共に過ごすのかもしれないね。あちらの背の高い方の女性がリードって感じかな、彼女を見る目がすごく優し気なのに鋭いように見えるからね。」

 どきどき、ばくばく。侯爵令息の観察眼に伯爵令息と子爵令息がどぎまぎと頷く。


「男爵令息、どうかしたかい?」

 そこでふと存在感が消失している男爵令息に気付き訊ねる。もしや刺激が強すぎただろうか。


「濃厚チョコレートケーキとショートケーキ。選べなくてどちらも頼んだんだが、どちらから食べればいいのか悩ましくて。」

 犬の耳と尻尾が見えてしまったのはどういうことだろう。だが今はそこではない。


「へぇ、私の解説がお気に召さなかったようだ。そんなこと言うんだもんね?」

 ちょっと苛めてやりたくなった。


「いや、違う、誤解だ!ちゃんと聞いていたし、素敵な解釈だった!」

 デカい図体で頭をふるふると横に振らないでほしい。そういう仕草が似合うのは子爵令息だろう。


「甘いもの大好きなのは知ってるけど、今日はだめだって言ったよね?」

 侯爵令息殿、聞こえますか?私にも犬の耳と尻尾が見えました。割と似合ってるところが腹立たしく感じたのは私だけですか?


「この、駄犬が。」

 子爵令息殿、聞こえますか?私にも犬の耳と尻尾が見えてしまいました。おかげで掛ける言葉を間違えましたし、調教せねば、と強く思わされました。


「どちらも少しずつ食べて、最後のひとくちを選んだらいいんじゃないかな?」

 ふたりとも。彼には飴と鞭を使い分けるとより楽しめるようになりそうな素質を感じたよ。だから首を傾げるんじゃない。


 きょとん顔で3人を見回す男爵令息。

 俄かに気まずい空気が流れる。

 そこへ頼んでいた飲み物と軽食が頃合いよく運ばれてきたことに安堵する3人。


 侯爵令息は紅茶とクッキー。

 伯爵令息はブラックコーヒーとナッツ。

 子爵令息は紅茶とフィナンシェ。

 男爵令息はメープルミルクとケーキ2種。


 またしても男爵令息以外の3人が重い空気を垂れ流す。口を潤し、腹を満たす。男爵令息に構っていないで早く乙女たちに心を潤して貰おう、と3人は無言でやり取りをした。


 そんなことも露知らず、身体に合わない小さなフォークでちまちまとケーキを口へ運ぶ男爵令息。口に入れるたびににこにこと手を止め微笑む。美味しい、と自然に溢れ出てしまう言葉。

 それを見つめる男3人は、男爵令息がケーキを食べ終わるまでひと言も口を利かなかった。


「俺、侍従として出仕しているいとこがいるんですけど、そいつの勤め先のメイドとか侍女の仲が良すぎるらしくて。一緒に着替えるのや入浴、食べさせ合うことも当たり前で、休憩中だと腕組んだり抱き着いたりくっついているのも当たり前って聞いて、そういう職場いいなって……そういう恵まれた環境なら騎士団での訓練や任務が辛くても続けられると思うんですよね……いいなぁ」

 ケーキを食べ終え、ほっとひと息吐いた男爵令息が徐に語り出した。


「いとこってどういう人なんだい?」

 侯爵令息が訊ねる。


「4つ歳上で、神経質そうなのに大雑把で腹黒い奴なんですよ。」


「出仕してるってことは、将来跡を継ぐ予定は無いんだね?」

 子爵令息が訊ねる。


「他にも兄弟がいるんだよ。それに侍従はそこそこ性に合ってるらしくて、あと今狙ってる人がいるから落とすまでは絶対配属を変えられないようにしなきゃって言ってた。」

 メープルミルクを両手で持ちながら答える。


「ということは、その相手は職場に居るということだな?」

 伯爵令息は眼鏡の位置を直しながら訊ねる。


「そうだね、なんかすごく手強いらしい。仕事に熱心で周りからすごく信頼されている人らしい。無自覚天然人タラシらしくて、周りにすごく懐かれてなかなか近寄れないらしい。でも陥落させてみせるって意気込んでた。あれは悪い笑顔だったよ。相手の人ちょっと可哀想だなって思った。」

 3人は深くため息を吐いた。


「飲み物、おかわりしようか?」

 侯爵令息が前髪を掻き上げ、なぜか苦笑いで提案した。



 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 とある商家のお嬢さんが“青薔薇に真心を捧げる乙女たちの会"という非公式団体を立ち上げてくれました。所属する会員たちは通称“乙女”と呼ばれています。

(用例:あなたも乙女なの?あら、あなたも乙女だったなんて!どちらの乙女?青薔薇会の乙女よ!奇遇ね、私も青薔薇よ!)


 青薔薇会では創作本なるものを発行しては有償て配布しています。併せて青薔薇会ではその創作本の参考とするべくモデルの情報を広く集めています。

 その参考モデルのなかでは現在、2組が特に熱烈な支持を集めています。


 1組は公式。食事処を経営している幼馴染2人で、すでにふたりは結婚しているそうです。地元では昔から有名だったそうです。


 もう1組は4人組で非公式。貴族のお忍びであることは皆が察しているところなのですが、関係性が不透明であるため非公式なのだそうです。


 そして彼ら4人は至るところで仲睦まじい姿が目撃されているそうです。私はまだ遭遇したことはないのですが。位置関係、振る舞いからカップリングを固定できず悩ましいが、逆にその悩ましさこそが彼らの売りだとも声高に叫ばれています。


 そして今この店に入ってきた4人組がまさにその非公式さんたちでありましょう!


 創作本に書かれていた身体的特徴が一致しています。敢えて色遣いを変え個人の特定ができないようにと配慮がされているそうなのですが、こうも4人を一度に並べられては乙女であれば即察することでしょう。


 金髪とハニーブロンド、黒髪と茶髪がそれぞれ横並びに座ります。


 金髪の向かいには黒髪眼鏡。ハニーブロンドの向かいには茶髪。


 なるほど。これは確かに既刊本での多種多様な解釈にも納得です。見た目、体格差、系統、何をとってもいずれもありなのがわかります。


 金髪の君

 見目の良さ、品の良さから彼に割り振りたいのは、スパダリ、主人、加虐性、何でも似合ってしまうため選択の幅が広がりすぎる優秀な人材。


 黒髪眼鏡の君

 よく言えば繊細そう、悪く言えば神経質そうな見目、品の良さから彼には加虐性、被虐性、主人、従者、ツンデレ、腹黒、童貞。眼鏡というオプションがいい仕事をしています。


 蜂蜜の君

 ハニーブロンドのよく似合う可愛らしい顔立ちと小さめの体躯。小悪魔系、ヤンデレ、一周回って純真無垢。加虐性、被虐性、主人も似合いそうです。


 茶髪の君

 筋肉隆々で男性らしいく騎士さながらです。時折り見せる仕草が可愛らしいので大型犬のようにも見えてしまいますが。筋肉といえば被虐嗜好。男性味が強い方には絶倫、溺愛も外せない要素ですね。


 給仕が彼らをカフェ中央のほど近くへと案内してきました。その席は、窓を背に座る私が彼らの横顔を自然に観察することができる正面に位置しています。給仕グッジョブです。席の配置を敢えて並行とせず、直交させた店主をも褒めて遣わしたい気分です。ただし通路を挟んでいるため会話の内容を聞き取ることはできないでしょうが、雰囲気だけでも楽しめるのです僥倖と言えましょう。


 黒髪の君が恐らくお店の評価をしたのでしょう。お店をぐるりと見回して何か言いました。


 その評価が高かったようで金髪の君が嬉しそうに微笑んでいます。何か語りながらもさりげなく自身の隣に蜂蜜の君を誘導したように見えたのは気のせいでしょうか、しかも椅子も引いてあげているではないか。


 金髪の君が進んでメニューを手に取り他の人たちに見せている。その角度的に一番見やすいのは蜂蜜の君ですね。金髪の君が最も気にかけているのは蜂蜜の君で確定ですね。


 なかなか決められない3人に金髪の君が何かを提案して、ようやく決まったようです。


 そして給仕を呼ぶと金髪の君は先んじて、自身と蜂蜜の君のふたり分だけを注文するではないですか。他のふたりには見向きもしません。そんなふたりは各自自身の注文をしたようです。黒髪の君と茶髪の君のふたりにはまだ何も見えてこないですね……


 蜂蜜の君がきょろきょろと店内を見回します。視線が合わないように少しだけ逸らしておきましょう。


 そんな蜂蜜の君を見つめる金髪の君。テーブルに片肘を付き顎を乗せることで近くなるふたりの目線の高さ。そして表情は愛おし気です。


 その時の黒髪の君の視線が気になりました。金髪の君を見つめてます?はい、間違いないです。彼は金髪の君を見つめていました。見つめられている金髪の君は、黒髪の君へも視線をちらと向ける時もありますが、金髪の君が主に視界に収めているのは蜂蜜の君です。


 黒髪の君が金髪の君を見つめる表情は、ふわりと微笑んでいるように見えていたのに今は切なげに目を細めてしまっているではないか。彼の視線が蜂蜜の君にばかり向いていることに気付いてしまったのでしょうか。これは切ない矢印が見えてきてしまいましたよ……


 それでも金髪の君主導の会話は、どちらともなく3人でされているようで少しだけ安心しました。


 また何事か話していた金髪の君の言葉を受け、黒髪の君は眼鏡の位置を気にし出しました。一回で直ったのでは?


 一方蜂蜜の君は、ぽんやりとでも表現すればよいのでしょうか、ぽーっとでしょうか。まるで恥じらうような表情で金髪の君を見つめ……いや、見つめ合っています!おふたりは甘い視線のやり取りをしていますよ!


 これはもう黒髪の君が入る余地はないのではないでしょうか……いえ、私は思い出しました。


 相手の気を惹くためにわざとヤキモチを妬くよう仕向ける上級テクニックがあることを。これはもしかしたらもしかするのかもしれめせんよ。


 それまで会話にも視線でのやり取りにも参加する素振りのなかった茶髪の君を金髪の君が気に掛けたようで、彼ひとりだけに向けて話し掛けています。


 茶髪の君はガタイが良すぎてわかりづらいですが、どうやら肩を落としているようです。表情がしゅんとしていて寂しげです。怒られた時の大型犬のようです。


 そんな茶髪の君が何か答えました。


「へぇ、……そんなこと言うだね?」

 金髪の君、笑っていますが目が怖いです!怒っています!先程まではまったく聞き取れなかった会話が微かに聞こえてきました。


「いや、違う、誤解だ!……」

 茶髪の君は、頭を横に振り否定する姿は必死です。怯えが見えた気もします。


「…………だめだって言ったよね?」

 蜂蜜の君の男性にしては可愛いらしい少し高めの声にも怒気を感じます。可愛らしく怒っています!


「駄犬が。」

 黒髪の君が心底呆れるといった様子でぴしゃりとやり込めてしまわれました。叱責の場面で使われる単語として私はそれはじめましてです!黒髪の君の眼鏡が光っていて怖いです!


 その後はまた声量が落ちたので聞き取れなくなってしまいましたが、金髪の君が何か茶髪の君を説得しているようですが、うまくいかなかったのか何やら不穏な空気を感じます。先程茶髪の君が皆さんを怒らせてしまったようなので当然と言えば当然かもしれないのですが……給仕さん!やはりグッジョブです!タイミング最高でしたよ!


「……駄犬ねぇ。」


「……お義母様?」


「いいえ、何でもありませんよ。」

 正面に座るお義母様は美しい笑顔で言いました。


 それでも空気はなかなか変わらず誰も何も話しません。


 可愛らしくケーキをつつく茶髪の君を見るしかない状況です。


 と思っていましたが、3人それぞれが茶髪の君を見つめています。怒っているようにも見えるのですが、何と言いますか、猛禽類が獲物を見つけた時のような、猫がネズミを見つけた時のようなそんな獰猛さと愉快さが不穏な空気のなかに混じっているように感じます。


 そんな空気も視線もまるで気にせず茶髪の君がケーキを食べ終え語り出しました。


 それを黙って聞いている3人の顔が徐々に暗澹としてゆきます。こ、怖いです。


 金髪の君が、笑顔で訊ねます。また目が笑っていない怖いやつです!


 茶髪の君、金髪の君の目を見てくださいよ。そんなに淡々と答えないでください。


 次に蜂蜜の君が訊ねます。彼もまだ怒っているようです。茶髪の君、気付いてください。


 茶髪の君は大きな手でマグカップを包み込み、考え込むようにして答えます。



 今度は黒髪の君が眼鏡の位置を直しながら訊ねます。黒髪の君の感情は眼鏡に宿るようです。またきらりと光りました。


 それに答える茶髪の君。


 茶髪の君が語り終わると、3人は同時に深くため息を吐きました。呆れているようで安堵しているような複雑な表情まで一緒です。


 それを機に仕切り直すことにしたのか金髪の君が給仕を呼びます。新たに何か頼むようですが、今度は金髪の君が全員分注文するようです。何か言いたげにしている茶髪の君がきになります。


 茶髪の君が少しだけしょんぼりしているようです。何か注文に不満があったのでしょうか。


 すると、金髪の君が手元に置いていたクッキーの皿を茶髪の君に寄せました。それに倣うように黒髪の君も、蜂蜜の君もそれぞれナッツとフィナンシェの入った皿を差し出しました。


 茶髪の君は驚き顔を上げ3人を見回します。そして3人が頷くと、とびきりの笑顔になりました。


 今日はお店を出たら青薔薇会本部に立ち寄り情報提供してから帰ることになりそうです。お義母様も乙女ですから、きっと付き合ってくださるでしょう。


 それよりまずはとバッグから約款を取り出します。確認しなければいけないことがあるのです。目次から載っていそうな頁へと飛びますが、なかなか欲しい答えは見つかりません。


「何を知りたいの?」

 お義母様が訊ねてくれました。心配そうな顔をしていますが、大したことではないのです。


「情報提供をした場合、創作本の割引券が貰えるそうなんですが、その情報が同一だった場合の対応が知りたかったんです。もし先着順なら急がないといけなさそうですし…」


「情報が同一でも割引券は貰えますよ。先着順でもないから急がなくて大丈夫。それに私たちは場所が良かったから、真実に近い濃密な情報を他の方々よりも提供することができるはずよ。安心しなさい。」


 お義母様の優しい言葉と美しい微笑みに少しだけあった焦燥感は消え失せた。


 4人が退店した後も少しだけ店で過ごし、ご本尊様方が店の周囲から立ち去ったであろう時間差を稼ぎ、私たちは本部へと向かった。


 前刊が発行されてからひと月足らずだと言うのに早くも新刊が発行された。


 新刊には新たな解釈が掲載された。その新解釈は、今までカップリングが煮え切らないのが嬉しい誤算などと宣っていた乙女たちを打ちのめした。その新興勢力は他の勢力に劣らぬほどに強大化した。他勢力からは新興勢力を支持する乙女たちに偏執化が見られ、結束も強固だと本部へ報告が届けられた。新興勢力には中毒性があると解析され、以後掲載する場合には袋綴じの上、心身の健康を損なう恐れがあると注意喚起される危険因子として扱われるようになった。その新興勢力の名は。


 駄犬総受け。



 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



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