森
帰ることができるのは
あの鳥たちが啼くみどり
青に重なるあおいかさ
花と一緒にゆられている
こんなところが良かった
夏が蒼く青く光る場所
踏みしめた地が 足を震わす
暗い中にい(居)たいとき
私に寄り添うあのみどり
世界を丸ごと包むのね
枝葉に気持ちを乗せてみる
こんなところが良かった
生き物の息吹を感じる
仲間に入れてよ そう願う
遥かな春かな
天に羽
懐かしい夏の香りと
瓶の音
心に吹く風、秋の風
茜色を背にアキアカネ
ふわふわ浮遊 冬の雲
曇った模様、白き綿
結晶の
花を覗けば……咲く桜
森の外から内側へ
巡り続ける四色の
薄い空気が私を壊す
葉の隙間から星を見上げて
森の鳥とないてしまう
気がつくと
撫子色が
微笑んでいる
それなのに、夜空の瞳と目が合うの
独りまだ青いから
読んでいただきありがとうございます。
時々訪れる哀しさについて、それを森に包んでもらう形で景色と色のイメージが頭に起こったため、そこから空想しつつ、ずっと巡り続ける季節と対比させながらできた詩です。自分で書きためたものから一つ、改めて少し書き直しました。口遊んで少し明るくなれるようなリズム感も意識しました。