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咲
咲は東京の一等地で店を持つようになっていた。パトロンは有名な政治家だった。この政治家の子供を産んでいた。認知してもらっているし遺言状も書いてもらった。本妻の子と同じようにしてほしいとは思っていない。ただ、将来のためになるようなものはもらっておきたかった。
母の教え通り、旦那をちゃんともてなして堅実な商売をした。店には、旦那の紹介の客も多くていつも華やかな雰囲気があった。
咲は、このタイプの店はあまり大規模にすると流行らないのを知っていた。女の子も、未経験の子はおかない。ちゃんと実績を見て雇った。そのせいで客筋はよかった。